ポイント
投資信託は投資デビューに向くとは聞くけど、どんな投資信託を買えば良いのかわからない・・・。そんな人は多いのではないでしょうか。そんなときには他の人がどんな投資信託を買っているのかチェックし、参考にしてみてはいかがでしょう。その方法の1つとして、投資信託ランキングを利用する方法を紹介します。
投資信託デビューの第一歩はランキングチェックから
数ある投資商品のなかで、比較的投資デビューに向いていると言われる投資信託ですが、その種類は多く、「アクティブ型」や「インデックス型」、「国内型」や「外国型」、「株式を取り入れているもの」もしくは「取り入れていないもの」などとさまざまです。それぞれリスクとリターンの度合いが異なりますから、その投資信託がどんなタイプの投資信託なのかを知ったうえで購入することが大切です。
とはいえ、一般社団法人投資信託協会が公表しているデータによると、現在日本国内で販売されている投資信託は6,000本を越えています(2019年6月時点)*1。これほど多くのファンドの中からいくつかピックアップして確認するのも大変な作業です。
「投資は美人投票」という、経済学者ケインズ(1883年~1946年)が投資理論に関して記した有名な言葉があるのはご存じでしょうか。誰が優勝するかを言い当てるには自分が好む候補者よりも、世間が好む候補者を予想するのが正しいということを投資に置き換えた言葉です。ざっくり言うと、人気があればみんなが買いたくなって値段が上がるし、人気がなければ値段が下がるということ。もちろん投資信託や株式は「人気」以外の要因でも値動きするものですが、多くの投資家の意見や注目ポイントを反映した「投資信託ランキング」をチェックしてみるといいでしょう。
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どんなランキングがあるの?
投資信託ランキングはさまざまな金融機関が提供しており、さまざまなランキングがありますが、基本的には次の3つです。
騰落率(リターン率)
1ヵ月、3ヵ月、6ヵ月、1年、3年……というように、ある一定期間のはじめと終わりで、どれだけ価格が変動したかを表すのが騰落率。その騰落率に順位を付けたのが騰落率ランキングです。リターン率 (収益率)のランキングという場合もあります。
騰落率は、たとえば、100円だったものが、110円になれば+10%、90円に下がれば-10%というように表されます。値上がりすることを期待して投資信託を買うのが通常ですから、誰もが高い数字に目が行く傾向があります。しかし、この騰落率には販売手数料や分配金にかかる税金などは考慮されておらず、これらを差し引いた実質利回りとは異なる場合があることには注意が必要です。
どの期間単位で見るかによってもランキングが変わってきますし、騰落率はあくまで過去の実績で、将来の運用成績を保証するものではないことには注意が必要です。
純資産総額
そもそも投資信託は、「多くの投資家から集めたお金をひとつにまとめて、運用の専門家が株式や債券などに投資・運用する金融商品」のことです。そして、その投資信託が保有している株式や債券の時価評価額に利息や配当金等を加え、運用コストなどを差し引いた額のことを「純資産総額」といいます。
純資産総額は運用成果によっても変動しますが、「純資産総額」が高いということは投資家から集めたお金が多い、つまりより多くの人が買っているということが言えます。
注目度
金融機関によって「買付ランキング」や「販売件数」、「お気に入り登録数」など、さまざまなランキング名が使われていますが、投資家の注目度を表したランキングです。
ただし、多くの人が買っているからリターンが良い、あるいはリスクが少ないという訳ではないことは知っておきましょう。投資家それぞれに、投資目的やリスク許容度が異なります。自分のリスク許容度などに適した投資信託を選ぶという投資の基本は守るようにしてください。
なお、各金融機関が提供しているランキングは、その金融機関が取扱っている投資信託のランキングです。日本国内で販売されている約6,000本のランキングではないということは知っておきましょう。
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気になるファンドを見つけたら、ここをチェックしてみよう
ランキングは投資初心者からベテランまで、さまざまな人が購入した結果の反映です。投資家それぞれに求めるリターンや許せるリスクの度合いは異なりますから、ランキング第1位だからといって、それが投資初心者に向いているとは限りません。
ランキングで気になる投資信託を見つけたら、自分の投資目的やリスク許容度に合っているかどうか、次のポイントをチェックしながら確認してみましょう。
投資対象
投資信託がさまざまな運用商品に分散投資している金融商品であることは前述しましたが、投資信託を選ぶときには、「その投資信託が何に投資しているか」を確認することはとても大切です。公社債、国内株式、外国株式、不動産など、投資対象によってもリスク・リターンの度合いが異なります。
バランス型と書かれている場合には、株式○%、債券△%などという割合も確認するようにしましょう。
リスク度合い
この投資信託はどうかなと思ったら、目論見書で「投資リスク」を確認してみましょう。
それぞれの投資信託には、高いリスクをとって高い収益を目指す、できるだけリスクを抑えつつ安定した収益を目指すなど、運用目標に応じたリスクの度合いがあります。投資の知識が深い人など、投資対象を見て、その投資信託のリスク度合いをある程度想像できる人はいますが、投資経験の有無にかかわらずリスクには慎重に向き合いたいものです。
運用成績は長期スパンで判断を
騰落率をランキングでチェックする際には、併せて長いスパンでも確認する事を意識しましょう。ある期間でランキング上位にいるからといって、そのまま上がり続ける投資信託というのは皆無に近いからです。ある一定期間の騰落率だけでは、たまたまそのときの成績が良かったという可能性もあります。
また、仮に騰落率が悪くても、市場全体の動きが悪ければ、その投資信託の運用成績が悪いとは言い切れません。運用状況を見るときには、ベンチマークという、その投資信託の成績を比べるための指数などと比較してみるといいでしょう。
運用コスト
投資信託は「買うとき」、「売るとき」、「保有期間中」のそれぞれで手数料がかかります。手数料のかかり方は投資信託ごとに異なりますから、仮に運用成績がよく高い収益を見込める投資信託でも、手数料を差し引きすれば別の投資信託の方が手取り収益が良くなる場合もあります。
「販売手数料」「信託財産留保額」「信託報酬」などの項目をしっかりチェックしましょう。
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お気に入りファンドが決まれば実行!でも税金のことを忘れずに
ランキングやその他のポイントをチェックして、自分のお気に入りの投資信託を見つけたら早速購入してみたいところですが、投資信託はコスト以外に運用で得られた分配金や利益に20.315%の税金がかかることも忘れてはいけません。
つまり、税金が引かれて実質手取り利益が予想以上に少なくなる場合もあるのです。
そこで、せっかくの利益を減らさないよう、買い方にも工夫してみましょう。証券会社や銀行などの金融機関でNISA口座(非課税口座)を開設し、その口座内で購入すれば、毎年一定金額の範囲内までは得られる利益が非課税になるという税制優遇制度を利用できるのでおすすめです。同じ投資信託を購入するなら、運用益が非課税になるほうがいいですね。
ただし、NISA口座の開設は全金融機関を通して1人1口座のみと決められています。また、その金融機関で取り扱っている投資信託や株式などでなければ買えません。そう考えると、投資信託を選ぶときには、いくつかの金融機関のサイトでランキングをチェックし比較することも大切です。はじめての投資信託、自分に合うお気に入りの1本を見つけてくださいね。
*1
出所)一般社団法人投資信託協会「投資信託概況(2019年6月)」
・投資信託のリスクと費用については、こちらをご確認ください。
・当ページは当社が作成した情報提供資料であり、金融商品取引法に基づく開示資料ではありません。投資信託をご購入の場合は、最新の投資信託説明書(交付目論見書)および目論見書補完書面の内容を必ずご確認のうえ、ご自身でご判断ください。
三菱UFJ国際投信株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第404号/一般社団法人投資信託協会会員/一般社団法人日本投資顧問業協会会員
(Photo:三菱UFJ国際投信-stock.adobe.com)
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