ポイント
「お金を増やしたい!」と考えるのは誰しも同じではないでしょうか。ただ、「どのような資産に投資をしたらよいかわからない」、また「資産運用したい気持ちはあるが投資に回せる資金がない」という方も多いのではないでしょうか。今回はそんな方が長期にわたって資産形成をするのにどうすればよいかについて考えてみたいと思います。
資産運用を始める際に直面する問題とは
資産形成をこれから始めようという人が困っていることは何でしょうか。
- どのような資産に投資をしたり、金融商品を購入してよいかわからない
- 投資に充てるお金がそもそも手元にない
たとえば、老後のことなどは考える必要があるとわかりつつも、お互い資産形成を考える時間の取れない世帯もあるでしょうし、現在子育て中で資産形成に回すお金がない世帯もあるのではないでしょうか。
こうした状況で先の問題をクリアするのに便利な投資先や金融商品はないのでしょうか。様々な金融商品がありますが、実はその中でも投資信託がこうした問題を解決するのに便利な金融商品だといわれればどうお感じでしょうか。その理由について見ていきましょう。
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投資信託は様々な資産を組み合わせて運用することが簡単にできる
資産運用と一口に言っても、その投資対象は、株式、債券、不動産に始まり、それらの資産は国内に限らず海外資産であることもあります。ただ、これから資産運用を始めようという方にとって、そうした多岐にわたる資産の中からどのような資産に資金を投じて良いか途方に暮れるという方も多いのではないでしょうか。
投資信託には、ファンドマネージャーと呼ばれるプロの運用者が、株式や債券、REIT(不動産投資信託)などを組み合わせて投資をし、運用をしてくれる「バランス(型)ファンド」という商品があります。
バランス(型)ファンドであれば資産配分(アセットアロケーションとも呼ばれる)の変更までも含めて運用してくれる商品もあります。そうした金融商品を購入することで、金融資産の知識や資本市場の理解が足りないと感じている資産運用の初心者でも「どの資産をどの程度保有すればよいのか」ということで悩む必要がなくなります。
もっとも、バランス(型)ファンドでなくても単一資産の投資信託を自分で組み合わせることで、複数の資産へ分散して投資をすることができます。組み合わせ次第で自分の思い通りの資産配分にできるので、資産形成の中上級者になっても実は飽きがこない金融商品なのです。
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投資信託は少額から投資することが可能
株式投資であれば、単元株数(最低単位数)が100株であっても株価が1万円を超える銘柄であれば、最低100万円の資金が必要になります。これであれば、だれもが簡単に始められるという金額ではないでしょう※。
ただ、単元株数の投資金額がそれほどの金額でなくとも、複数の銘柄へ投資をし、ポートフォリオとして銘柄や産業のリスクを分散した上で安定した運用をしたいとお考えの場合にはその分だけ投資資金が必要となります。
一方、投資信託であれば、証券会社によっては100円でも購入できます。投資家によっては毎月自分で決めた金額の投資信託を購入する「つみたて投資」をしている投資家もいます。
また、投資信託は基本的に複数の銘柄に分散して投資されています。したがって、複数銘柄への分散投資を考える場合、複数の銘柄を個別に購入するよりも、投資信託を購入したほうが必要となる資金が少額で済みます。
※証券会社によっては株式には単元未満株として投資が可能な「ミニ株」というサービスもありますが、単元株数の株式を保有する場合と違い様々な制約があることには注意が必要です。
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投資信託のメリットが分かってもそれでも困ることとは
では、投資信託はここまで見てきたようなメリットばかりなのでしょうか。最後に、投資信託で資産形成を始めるにあたってよく聞く声についてあらためて考えてみます。
それは投資信託は、その商品数が多過ぎて選べないということです。
実際、公募投信は2018年8月時点で6,000本を超えています。「6,000本の中からお好きな投資信託を選んでください」といわれると、一体どういった投資信託を選んでよいかわからないというのが実際ではないでしょうか。
投資信託には単一資産に投資をしている投資信託や複数の資産を含むバランス(型)ファンドがあるのはこれまで見てきた通りです。
また、運用スタイルによっても種類が異なります。運用者がよりよいパフォーマンスを目指して運用をする「アクティブ・ファンド」と、ベンチマークと呼ばれる投資指標の値動きから乖離しないように運用する「インデックス・ファンド」があります。
このように様々な投資信託があり、選択肢が多いことは決して悪いことではないですが、資産形成の初心者であればどのような運用スタイルの投資信託を選べばよいかわからないということもあるでしょう。
具体的な投資信託を検討する前に、自分に合った投信信託をおすすめしてくれる人が必要と感じる人も多いのではないでしょうか。
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まとめにかえて
資産運用のアドバイスは、ファイナンシャルプランナーなどからも受けることはできますが、最終的には自分がライフステージのどの位置にいるのか、現時点でどの程度の資産を持っているのか、また資産運用の目的は何なのかということでアドバイスの内容は異なってくるでしょう。
こうした投資信託の選択は個人の資産形成にかけることのできる時間と、全体の資産の中でリスク資産にどの程度投資をすることができるのかのバランスをとることが必要で一様な正解はありません。
例えば、これから資産形成をはじめようという比較的若い世代では、「世界の経済は長期的には成長を続ける」という期待の下に、世界株式のインデックス・ファンドを毎月余裕資金で継続的な買い方をしている投資家もいます。
また、退職金は安定的に運用をしながら老後で計画的に使っていかないといけないというケースでは、アクティブ運用のバランス(型)ファンドを選択する投資家もいます。
投資信託の商品数が多いこともさることながら、自分が投資信託に何を求めるのかを決めるというのは結構難しい作業かもしれません。金融機関のセミナーに参加することやファイナンシャルプランナーに相談することも有効だと思いますが、いきなりセミナーに参加したり、対面で相談するのはハードルが高いと感じる方もいらっしゃるでしょう。
最近では、簡単な質問への回答結果から、おすすめの商品を提案してくれるツールや投資のシミュレーションをしてくれるツールがあります。投資信託選びに悩んだら、まずはそのようなツールを活用することから始めてみるのはいかがでしょうか。
(Photo:三菱UFJ国際投信-stock.adobe.com)