『転職と副業のかけ算-生涯年収を最大化する生き方-』より、「副業」が成功するための思考について、ご紹介しようと思います。著者のmotoさんは、わずか32歳で本業年収1250万、副業で年4000万円稼いでいると話題な方で、今回、彼の思考についても触れていきたいと思います。
この本の趣旨は非常にシンプルです。
大きく所得を上げるには、
- 今いる会社で成果を出す
- 年収の高い「業界」か「職種」へ転職する
- 本業で得た知見を生かした副業をする
の3つを守ること。
そしてなにより
「楽して稼げる方法はなく、成果や目標にコミットして、諦めずに継続する」
という、当たり前の事実を認識することが不可欠だと述べられています。
これは、会社員として給料を上げるのに必要なことと、同じかもしれません。
だから、この通りのことができれば、本業でも副業でもこの先、お金のことで困ることは、少なくなると言えるでしょう。「稼ぐこと」は、実は非常にシンプルなのです。
「誰でも稼げる副業」は存在しない
さて、このような「副業のススメ」には、主としてネット上で、決まって次のような批判が寄せられます。
曰く、「誰にでもできることではない」と。
あるいは、成功者だけが語っているだけだと。
まさにそこに「副業」の本質があります。
「副業」は誰にでもできることではない。
しかも、やったからといって成功するとは限らない。
つまり「高い能力を持つ人」が、更に稼げるようにチャレンジするのが副業であって、現時点でそれほど能力の高くない人が下手に副業に手を出しても、騙されてしまうか、損してしまう可能性が高いです。
例えば、統計を見てください。
出所)総務省「平成29年就業構造基本調査」
これを見ると、副業者は、高年収層と、低年収層の2層に分布しています。
低年収層の人が、複数の会社に務めるのはいわゆる「副業」というよりは、生活苦のために多く仕事をしなければならない「兼業」で、一種のアルバイトのようなものです。
ここでお話している「副業」は、図の右端の高年収ゾーンにあります。
要は、すでに社会的に成功している人々が、すでに得た「評判」「能力」を使って、収入を増やすために行っている「副業」なのです。
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資本主義下において「稼ぐ」能力とは
著者が卓越していると思うのは、年収もそうですが、能力と思考です。
その中核は何か。実は、資本主義化において、最も稼げる能力である「マーケットセンス」が群を抜いているのです。
例えば彼は、小学生の頃すでに「みんなが持っていないポケモンを売ればお金になる」と、あえてゲームを進めず、毎回リセットして友達に販売していたと言います。中学生では中古のゲームを販売し、高校生ではオークションサイトを利用して販売もしていました。最初の就職先であるホームセンターでは、「現場の裁量でお店が売上を伸ばせる余地」を見切って、成果を出しています。
このように、彼は幼少の頃から卓越したマーケットセンスを見せています。
そして現在彼が「4000万円」の副収入を得ているビジネスは「転職サイトのアフィリエイト」です。
実際、彼は副業の領域を「リクルートが事業展開している領域にせよ」と言っており、
「大きなマーケットが存在し」
「自らの強みを出すことができ」
「資本力ではなく、ノウハウで勝負できる領域」
を、手堅く見極めています。
これこそが、資本主義下において「稼ぐ」能力の本質であり、そこにおいては生まれも、学歴も、思想信条も全く関係ないのです。
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「稼ぐ」能力をどのように身につけるか
著者は、著書の中で、このように話しています。
こういった体験から、彼は幼少の頃から「マーケットはどこにあるか」を考える訓練ができていたのでしょう。
このことから、子供でも、色々と試行錯誤する中でできるようになること、端的に言えば「マーケットセンス」は試行錯誤によって身につく可能性が高い、と言えます。
これは論理的思考やコミュニケーション能力とは関係ない、生まれ持った才能とは無縁の世界であり、「試してみたかどうか」が重要な世界です。
もちろん、これは会社員においても、マーケットを見ることはできるし、マーケットがあるかどうかを、個人的に試してみることもできます。
こうして「マーケットを見抜く能力を持つ」事ができれば、「副業で成功」への第一歩が開けるのです。
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だから成功者は必ず「やってみろ」という
だから、成功者は必ず「やってみろ」といいます。
要するに、「マーケットがあるかどうか、試してみなさい」という意味です。
どんな人でも、そうです。
副業に対するアドバイスは、最終的にはそれでしかありえない。
商売という正解のない世界で、唯一と言って良い「正解」は、「やってみること」。
すなわちテストマーケティングです。
アメリカのアニメやドラマでは、子どもたちがレモネードを売ってお小遣いを稼ぐシーンがよく出てきます。
そうして、子供の頃から「マーケットセンス」を磨いた人と、学校から出された課題をひたすらこなしていただけの人では、圧倒的な差があります。
かっこいい理論を考えても、何も出てきません。
ひたすら手を動かして、頭をつかって商売をすること。
それが「副業」の本質であり、現在資本主義社会で求められる「高い能力」の正体です。
*1
出所)『転職と副業のかけ算-生涯年収を最大化する生き方-』(moto 著)
(Photo:三菱UFJ国際投信-stock.adobe.com)
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