ライフプランシミュレーションを行い計画的な資産形成を

ライフプランシミュレーションを行い計画的な資産形成を

「人生100年時代」と言われる昨今、長い人生に備え充実したライフプランを描くべく、しっかりとライフプランシミュレーションを描くことが求められています。そして、それを元にした資金計画および資産形成を実践することも、同様に大切な考え方と言って良いでしょう。そこで本稿では、税制優遇制度であるNISAとiDeCoを活用した効率的な資産形成を図る際に、おすすめのライフプランシミュレーションを紹介します。

ライフプランニングの必要性

人生では、結婚や出産、子育て、住宅購入、教育、老後生活など様々なライフイベントを充実したものにすべく、家計の収支を見据えたライフプランニングが必要です。例えば、総務省統計局が公表している平成29年家計調査結果によると、2人以上の高齢無職世帯(世帯主が60歳以上の無職世帯)のうち、世帯主の年齢が60歳から64歳の世帯の可処分所得は月額13万3,752円です。一方で60歳から64歳の世帯の消費支出は月額29万34円となっています*1。この家計の収支ギャップを埋めるべく、将来の長い期間にわたる老後生活を見据えた資金計画や資産形成を図る必要があるといえます。

そこで税制優遇措置が講じられていることから、効率的な資産形成を実践することが期待できるNISAiDeCoを活用すると共に、関連のおすすめシミュレーションツールを紹介します。

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おすすめシミュレーションツールその1(金融庁のNISA公式サイト内「ライフプランシミュレーション」)

そもそもNISAとは、少額投資をサポートする税制優遇制度です。通常、株式や投資信託などで運用して利益をあげた際、20.315%の税金が課税されます。一方でNISAは運用益が非課税となる大きなメリットを有しており、NISA口座を通じて得られた利益は非課税となります。注意点 として、NISAは1人1口座しか開設できない点他の口座(一般口座や特定口座)で保有している金融商品の取引から生じた損益と損益通算ができませんので、注意してください。
(NISA制度についての詳細は、こちらをご覧ください。)

今回おすすめしたいシミュレーションツールのひとつが、金融庁のNISA公式サイト内にある「ライフプランシミュレーション」です*2。年齢や職業など12の質問に答えるだけで、将来を見据えた家計診断ができるツールとなっています。なおシミュレーションの前提条件として、会社員や公務員は65歳まで給与を、66歳以降から年金を受給すると仮定しています。自営業者は70歳まで労働により収入を得て、71歳から年金を受給する前提としており、あくまで目安として活用してください。

それでは、実際に「ライフプランシミュレーションツール」を利用してみます。
今回は30代男性会社員で退職金あり、配偶者も会社員で退職金あり、子どもがひとりのケースです。世帯年収は、国税庁が公表している株式会社の男女別の平均給与である男性603万円と女性280万円を足すと883万円になりますので*3、シミュレーションでは800万円とします。1ヵ月あたりの生活費は、平成29年家計調査の2人以上の世帯のうち勤労者世帯で、40歳未満の消費支出である25万円*4を用います。住まいにかかる費用は10万円、貯蓄額は平成29年家計調査の2人以上の世帯のうち40歳未満の貯蓄額が602万円ですので*5、今回は600万円とします。

シミュレーション結果は、子どもの入学や進学などどのようなライフイベントがあるのか把握したうえで、計画的な資金準備が必要とのことです。また、様々なライフイベントを満喫する際に、その都度まとまった資金を引き出す点に気をつけて資金計画をたてるようにします。そして多くのライフイベントに向けた運用方法として、例えばNISAの対象商品にもなっているターゲット・デート型投資信託の利用を提案しています。


なお、金融庁のNISA公式サイトでは、もうひとつおすすめのツールとして、「資産運用シミュレーション」があります*6。積立投資による最終的な積立金額のイメージが把握できるので、「ライフプラシミュレーションツール」とあわせて利用して、若いうちから計画的な資産形成を実践してください。

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おすすめシミュレーションその2(国民年金基金連合会iDeCo公式サイト内「かんたん税制優遇シミュレーション」)

次にiDeCoとは、豊かな老後生活を送るための私的年金制度です。つまり国民年金や厚生年金といった公的年金にプラスアルファする形で、自分自身の年金資産を形成するツールです。iDeCoの最大のメリットは、資金の拠出時、資産運用時、積立資産の受取時にそれぞれ税制優遇を享受することができることです。つまり、拠出金額の全額が所得控除の対象となり所得税と住民税が節税でき、運用益が非課税となることに加え、一時金として受取る際には退職所得控除の対象に、年金形式として受取る場合には公的年金等控除の対象となり税金を抑えることができるのです。一方で、iDeCoは老後資産の形成を目的とした制度であるため、原則60歳まで資産を引き出すことはできません。またiDeCoを活用していくには、金融機関によって異なりますが、手数料がかかってくることに留意してください。
(iDeCoについての詳細は、こちらをご覧ください。)

そして、今回おすすめしたいシミュレーションツールの2つ目が、国民年金基金連合会のiDeCo公式サイト内の「かんたん税額優遇シミュレーション」ツールです*7。こちらも簡単な質問に答えるだけで、iDeCoを活用した資産運用による積立総額や節税額を把握することができます。そこで、年収600万円、年齢30歳、企業年金がない会社員の場合の拠出限度額である月額23,000円を30年間拠出したとして実際にシミュレーションしてみます。そして結果としては、iDeCoによる税制優遇額が165万円ほど、iDeCoの積立総額は828万円となります。あくまで目安ではありますが、税制優遇額や積立総額は月々の拠出金額や年収などによって異なってきます。豊かな老後生活を送るための老後資金を計画的に貯蓄すべく、「かんたん税制優遇シミュレーションツール」を活用してみてはいかがでしょうか。

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まとめ

充実したライフプランを描くべく、おすすめのシミュレーションツールを紹介してきました。是非一度、それぞれのライフイベントを満喫するために必要となる資金計画を立ててみてはいかがでしょうか。
そして、必要に応じてNISAやiDeCoなどを活用した資産形成を検討して下さい。

(Photo:三菱UFJ国際投信-stock.adobe.com)

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三菱UFJ国際投信株式会社

金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第404号/一般社団法人投資信託協会会員/一般社団法人日本投資顧問業協会会員

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