お金を稼ぐ力は、いつでもどこでも身に着けられる

お金を稼ぐ力は、いつでもどこでも身に着けられる

貯金や資産運用は、いわばお金の「守り」です。その一方で、お金を稼ぐのは「攻め」ではないでしょうか。稼ぐ力さえあれば、資産はいつでも作ることができます。
ではその「稼ぐ力」はどこからやってくるのでしょうか?
世の中には、「スキルアップになる仕事」と「スキルアップにならない仕事」があるのでしょうか?ではその境界線とは? 今を生きていくために、お金を稼ぐ力の源泉についてお届けしていきます。

世の中には価値のある仕事しかない

結論から申し上げると、生きる力を身につけるのに、価値のある仕事とそうでない仕事の区別はありません。たとえば、東証一部上場企業を考えてみると、就職するにあたって大変な選別が行われ、競争を勝ち抜いていく必要があります。

一昔前までは、そうした大手企業に就職できる人は大変な持ち上げられ方をされていました。就職難が続き、なおかつ不景気だったことに加え労働市場が流動化されていなかったので、一社で定年までずっと仕事をし続けることに大変な価値が置かれていたからです。

しかし、終身雇用が崩れ、転職が一般化し、雇用が一気に流動化しつつある今の時代。同時に人手不足であちこちの業界で機械化、自動化が進み、さらには働き方改革が打ち上げられたことで、どこの職場でも真面目に働いていれば、価値がでると考えられます。

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ファミレス店員だったら学べない?

職場が変わりつつあるそんな昨今、どのように「稼ぐ力」を身につければいいのでしょうか。

たとえば、

『マーケット感覚を身につけよう』(ちきりん・著)では、「日本のファミレスでのバイトが普通にこなせる人であれば、誰でも明日から欧米やアジアのカジュアルレストランでフロアマネージャが務まります」という話が書かれています。

なぜなら、それだけ日本のサービス業はレベルが高く、学べることが多いからです。

よって、たとえば東証一部上場企業で企画の仕事をしていたら、転職にも有利で価値が高く、ファミレスの店員さんだったら価値が低いというわけではないのです。同様に、ファミレス店員のほうが価値が高くて、企画職が低いというわけでもありません。

どの仕事でも、真面目に就労して、価値を出すことができれば、その価値は市場価値として自分に跳ね返ってきます。つまり、自分がいまいる業界・業態の職種において、どの程度、存在意義を見出すことができるかということです。

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稼ぐ力と価値

では、「稼ぐ力」とは何で、その価値はどのように身につけるのでしょうか。
ひとつに、スキルを自覚することが挙げられます。そう、自覚です。つまり、言語化して「今、何を身につけようとしているか」を、言葉にして落とし込むのです。

たとえば、ファミレスのアルバイトの話がでましたので、その仕事を例に挙げると

  • 混雑するランチタイムを仕切るオペレーション
  • 朝や夜のシフトにも対応できる生活習慣のコントロール
  • 同時に複数のお皿を効率よく運ぶ、身体的なバランス感覚
  • 同僚とのシフト調整力
  • 入れ替わるメニューを覚えて説明するプレゼン力
  • 高いサービスレベルを要求する、クレーム客への対応力


など、さまざまな能力が身につきます。しかし、これは漫然と仕事していても身につかず、上記のように言語化することが大切ではないでしょうか。

スキルを自覚するということは、言語化して意識付けを行い、あえて主体的にスキルを学んでいくことでもあります。いまここで、何が学べるかを考えることであり、それは同時に、自分が何を売っているのか自覚的になるということでもあります。

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自分は何を売っているのか?

お金を蓄えて、豊かに生きたい、そう願うのであれば、自分の市場価値を見極める必要があります。そして、前項にでたように、「自分が何を売っているのか?」に自覚的になる必要があると考えられます。

自分が何を売っているのか。先程の例で見てみると、一見したところ、ファミレスのバイトは、お客様を席まで案内し、オーダーを取り、皿を運んで、片付けて、会計するという技能を売っているように感じます。しかし、実際は上記に並べた以上のスキルを売っており、求められるレベルも非常に高いのです。それに対応できるのであれば、世界のどこでも通用すると、ちきりんさんは書いています。

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ゴールドカラー層は人生の半径が広いが…

世界の話がでましたが、

ロバート・E・ケリー博士は、著書『The Gold Collar Worker』の中で、人生の半径が広い人をゴールドカラーと呼んでいます。

ブルーカラーとホワイトカラーの分類に加えて、あらたに生活の半径が広い人のことを指した言葉です。

たとえば、ブルーカラー職の方が、生まれ育った地元で就職し、隣町のパブで恋人と出会って結婚し、人生の半径が狭いのに対して、ホワイトカラー職の方は、たとえば山口県で生まれ育って東北大学に進学し、港区で働くようなものです。その流れでいうと、ゴールドカラーは横浜市で生まれ育って、上海大学を卒業し、マドリッドのオフィスで働く、そんな人生の半径が地球規模に広い人を意味します。

これだけみると、ゴールドカラーとホワイトカラーとブルーカラーに序列があるように感じますが、実際はそうとはいい切れません。

ブルーカラー職であっても、

  • 自分と他者を管理するマネジメント力
  • 仕事に必要な身体のタフネス
  • ビジネスにもっとも必要な自責思考

など、さまざまなことが身につきます。そしてそれを元にメンバーに出会って起業すれば、大きな成功も不可能ではないのです。

ここで、職種は関係ないと考えられます。マーケットに近く、また顧客に近い立場であればあるほど、ビジネスパーソンとして成長でき、どの職場・どの職種においても、学べるのではないでしょうか。

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豊かな人生を送るには、仕事が欠かせない

さて、

ホリエモンこと実業家の堀江貴文氏は、著書『ゼロ』のなかで、「これからの自分がどんな働き方を選ぶのか、もう一度真剣に考えてほしい。それは自分の生き方を選ぶことに直結する。人は飯を食うために働くのではない。働くことは生きること。僕らは、自らの生を充実させるために働くのだ。」と書いています。


有り余る資産があっても、働くことで他者貢献し生きがいを感じたいとか、求められている実感を得たいとか、そう考える方は非常に多いものです。働くことは生きることであり、生きることはお金を稼ぐことでもあります。

「守り」の資産形成をすると同時に、「攻め」の稼ぐ力を身につけるには。まず言語化することが大切であり、職種を選ばず学ぶ姿勢があれば、どんな環境でも稼ぐ力は身につきます。何を学んだかを言語化できれば、現在の雇用環境では転職も難しくはありません。

それよりは、「お金」と「稼ぐ力」があまった状態で、何をして生きるか、どのように100年の人生を充実させるか、そちらに目をやり、自分が何を好きなのか、心の内側に問いかけてみることこそが、もっとも大切なのではないでしょうか。

参考文献:

『マーケット感覚を身につけよう』(ちきりん・著)

『The Gold Collar Worker』(ロバート・E・ケリー 著)

『ゼロ』(堀江貴文 著)

(Photo:三菱UFJ国際投信-stock.adobe.com)

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