妊娠・出産費用はいくらかかる?便利な制度もご紹介!

妊娠・出産費用はいくらかかる?便利な制度もご紹介!

2018年の出生率は91万8,397人で2017年から約3万人も減少し、合計特殊出生率は1.42です。少子化が進み続けている一因としては、経済的な不安などが挙げられます。
では、実際のところ妊娠・出産にはどれくらいの費用がかかるのでしょうか。少子化に歯止めをかけるため、政府が行っている支援制度等についてもご紹介します。

出所)厚生労働省「平成30年(2018)人口動態統計月報年計(概数)の概況」

出所)内閣府「人口をめぐる現状と課題」

妊娠・出産費用の平均

厚生労働省の調べでは、全国の平均的な出産費用は平成24年時点で486,376円とされています。また、マタニティ・ベビー用品など妊娠中の出産準備費は、第1子一人あたり平均65,662円です。さらに定期検診費には59,864円、通院や里帰りのための交通費は平均で14,295円ほどかかります。
これらをトータルすると約62万円以上。かなり高額な費用となります。
この費用をどう賄うことができるのか、具体的な制度を見てみましょう。

出所)厚生労働省「出産育児一時金の見直しについて(平成26年7月7日)」

出所)内閣府「平成21年度インターネットによる子育て費用に関する調査」

目次へ戻る

妊婦健診の負担を軽くする「妊婦健診補助券」や「妊婦健康診査受診票」

前述した定期検診費59,864円は、残念ながら国や自治体からの助成金を差し引いた実費のため、実質負担しなければなりません。
ですが、費用がこれ以上膨らまないように、必ず助成金制度は利用しましょう。すべての自治体で「妊婦健診補助券」や「妊婦健康診査受診票」などの形で、公費負担が行われています。これらは母子健康手帳と同時に交付されるのが一般的です。

妊婦が受診すべきとされている検診回数は、合計14回程度。この数字をもとに、公費負担回数も14回以上の実施が通常となっています。

例えば八王子市の場合は、妊婦検診の1回目は10,850円まで、2~14回目までは各5,070円まで。妊婦子宮頸がん検診は1回に限り3,400円まで、超音波検査も1回に限り5,300円の範囲で費用負担をしています。
名古屋市の場合は妊婦健診の1回目の負担上限額が19,130円。2、3、5、9、12~14回目が各4,840円、4、6、11回目は各10,140円、7回目が8,680円、8回目は7,280円、10回目が8,440円と細かく別れており、金額も八王子市とは異なります。

このように自治体によって助成金の範囲が異なるため、細かくチェックしておきましょう。

出所)厚生労働省「妊産婦にかかる保健・医療の現状と関連施策(平成31年2月15日)」

出所)八王子市「妊婦さんのための検診」

出所)名古屋市「妊娠中の保健指導と健康診査」

目次へ戻る

1児につき42万円支給される「出産育児一時金」

肝心な出産費用486,376円を賄ってくれる制度が出産育児一時金です。健康保険の被保険者であれば加入機関から1児につき42万円が支給されます。平均額から差し引くと自己負担額は約6万6,000円です。
もし、出産費用が42万円以内であった場合も、実質負担額からの差額を請求できるので、場合によってはプラスになります。また、「1児につき」ですから、双子だった場合は84万円です。妊娠4ヵ月以上の出産であれば早産や死産、流産、人工妊娠中絶などの場合も支給対象になります。
利用時は、加入の健康保険に申請しましょう。

もし、帝王切開などの医療処置によって出産した場合は、公的医療保険が適用され自己負担額は3割となります。費用が高額になる場合は高額療養費制度を利用できることも覚えておきましょう。

出所)全国健康保険協会「子どもが生まれたとき」

出所)全国健康保険協会「出産費貸付制度について」

目次へ戻る

産休中に健康保険から支給される「出産手当金」

出産育児一時金は分娩費用そのものに対して発生する助成金でしたが、出産手当金は出産のために会社を休んだときにもらえる手当金です。厳密に言えば、出産前後に会社を休み、さらに給与が発生しなかった場合に生活の補助として受け取ることができます。こちらも健康保険として申請することになりますが、細かな手続きは会社経由で行ってもらえます。

支給金額は、「支給開始日以前の継続した12ヵ月間の各月の標準報酬月額を平均した額÷30日×2/3」。例えば報酬の平均額が26万円なら、1日あたり5,780円の支給です。

期間は出産日以前の42日間と、出産の翌日以後の56日間の範囲。実際に会社を休んだ日数分だけ手当が支払われます。

出所)全国健康保険協会「出産で会社を休んだとき」

目次へ戻る

育休中に一定の給付金を得られる「育児休業給付金」

こちらも育休中にもらえる給付金で、期間は子どもが1歳になるまで。出産手当金が出産前後の生活費を賄うものであるのに対して、こちらは出産後1年間の子育てを支援するものと言えるでしょう。認可保育園に入所できないなどやむを得ない事情がある場合は、最長2歳まで延長も可能です。

受給するには、雇用保険に加入していることや、休業中に1ヵ月あたりの給与が8割未満であること、育休中の就業日数が1ヵ月ごとに10日または80時間以下であることなどが条件となります。申請先はハローワークです。

支給金額は、支給対象期間1ヵ月あたり「休業開始時の賃金日額×支給日数の67%(6ヵ月経過後は50%)相当額」。育児休業給付金だけで、半年間は給与の7割程度を賄えるということです。

さらに詳しい受給資格や具体的な支給額や支給のタイミング、手続き方法などは以下の記事を参照してください。

参考:「出産前には知っておきたい、育児休業給付金。計算方法や申請の流れをご紹介

参考:「「育児休業給付金」はいつまで、いくらもらえる? 休業期間を決める指針に

目次へ戻る

その他、妊娠・出産時に利用したい制度

会社員の場合は、「産前産後休業保険料免除制度」を利用できます。これは健康保険料および厚生年金の保険料が免除されるもので、期間は出産手当金と同じく出産日以前の42日間と、出産の翌日以後の56日間の範囲で実際に会社を休んだ日数です。給与の有無を問わず利用できます。
さらに、育児休業中も同じように健康保険・厚生年金保険料が免除される「育児休業保険料免除制度」もぜひ利用したい制度です。

上記は会社員など厚生年金を支払っている方のみ利用できる制度でしたが、2019年4月からは、国民年金の保険料が完全に免除される制度も施行されました。期間は出産予定日または実際に出産した月の前月から4ヵ月間で、対象は国民年金第1号被保険者です。利用できる場合は必ずお住まいの自治体に申請するようにしましょう。

いずれの免除期間においても、追納をせずとも保険料は通常どおり納付されたものとして扱われます。

参考:「育児休業期間の国民年金保険料の支払いは免除される?

出所)日本年金機構「産前産後休業保険料免除制度」

出所)日本年金機構「育児休業保険料免除制度」

出所)日本年金機構「国民年金保険料の産前産後期間の免除制度」

また、育児手当(児童手当)も条件に適合するなら必ず利用したい制度です。これは自治体から支給されるもので、子どもの年齢と人数に応じて毎月あたり5,000~15,000円が0歳から中学校修了時まで支払われます。以下の記事で詳しくご紹介しているので、参照してください。

参考:「育児手当とは?もらえる金額や申請方法について

参考:「どうなる?二人目の出産、引っ越し、所得アップしたときの育児手当金

目次へ戻る

まとめ

現在の日本における出産・育児の支援制度を総ざらい的にご紹介しました。出産育児一時金を利用すれば、出産そのものの負担はかなり少なく済みますし、そのほかにも多くの制度を利用できます。

おさらいをすると、妊娠期は妊婦健診補助券や妊婦健康診査受診票、分娩時は出産育児一時金、出産前後は出産手当金、乳児期は育児休業給付金、そして中学卒業までは育児手当(児童手当)が用意されています。出産前後と育児休業中は、保険料の免除も利用したい制度です。

2019年10月からは幼児教育・保育の無償化も始まります。利用できる制度は利用して、妊娠・出産期だけでなく、子育てそのものの経済的な負担を極力減らせるようにしましょう。

参考:「幼児教育・保育の無償化とは?家計負担が減れば将来のための貯蓄に!

5千円からはじめる資産形成。三菱UFJ国際投信の新サービス!mattoco(マットコ)。家計に負担のない範囲で始められます。つみたてNISAの対象も!

(Photo:三菱UFJ国際投信-stock.adobe.com)

関連記事

人気ランキング