育児休暇・育児休業とは?家計の負担を減らせるオトクな制度も徹底解説!

育児休暇・育児休業とは?家計の負担を減らせるオトクな制度も徹底解説!

世の中のパパ・ママにとって、仕事と子育ての両立はなかなか難しいもの。多くの時間を確保する必要がありますし、子育て中は体力、精神力勝負なので、無理をすると身体を壊してしまうかもしれません。

今回はそんな子育てに悩むパパ・ママのために、育児を助ける制度についてまとめてみました。
この記事を読みながら、「我が家にはどんな環境が必要なのか?」について一緒に考えていきましょう!

育児休暇とは?育児休業制度との違いを解説!

育児休暇と似た言葉に、「育児休業」があります。字面は似ていますが、実は全く異なるものなので要注意。
以下は、いずれも「育休」と略されることがあるので、混同しないようにしましょう!

育児休暇 育児を目的として取得する休暇のこと。
法律では整備されておらず、各企業がルールを定めている。
育児休業 育児・介護休業法によって定められた、子育てのための休業制度のこと。
一定の条件を満たすことで、育児休業給付金を受け取れる。

上記のうち育児休暇は、全ての企業が明確にルールを定めているわけではありません。中には制度自体が存在しない会社もあるので、勤務先によっては育児休暇を取得しづらい可能性もあるのです。

それに対して、育児休業は法律で定められた制度であり、労働者の権利のひとつと言い換えられます!取得条件を満たせば、原則として取得できるものといえるでしょう。

育児休業制度の概要をチェック!

次に、法律で定められている育児休業制度の概要を見ていきましょう。

制度の概要 労働者が、原則として1歳未満の子を養育する目的で利用する休業制度
対象 (1)日々雇用を除く労働者
(※労使協定により一部の労働者は対象外にできる)
(2)入社1年以上の有期契約労働者
(※子が1歳6ヵ月に達する日までに労働契約が満了し、更新されないことが明らかでないこと)
期間
  • 原則として子が1歳に達するまでの連続した期間
  • 条件に該当すれば、最長で子が2歳になるまで取得可能
取得できる回数 子ひとりにつき、原則として1回

出所)厚生労働省ホームページ「育児・介護休業制度ガイドブック」、「育児・介護休業法のあらまし

上記の対象者でも、場合によって条件が異なるケースもあるので、取得条件を細かくチェックしておくことがおすすめです。
この育児休業制度は、平成29年に内容が改正されました。では、どのような点が改正されたのかについて、以下で簡単に見ていきましょう。

  • 育児休業の取得期間の上限が、1年6ヵ月から2年に延長された
  • 取得期間の延長に応じて、給付金の支給期間も延長された

出所)厚生労働省ホームページ「育児・介護休業法のあらまし

もともと育児休業制度では、子が1歳に達したタイミングで正当な理由(例:保育所に入れない等)があれば、休業期間を最長1年6ヵ月まで延長することができました。しかし、「それでも期間が足りない...」と悩む人が多かったことから、法改正により休業期間が最長2年まで延長できるようになりました。
ただし、2年の育児休業を取得する場合には、1年6ヵ月目のタイミングで正当な理由が必要となるので、注意しておきましょう!

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夫婦で育児休業を取りたい場合は?男性(父親)の育児休業取得促進もチェック!

女性の社会進出が増えた現代では、パパが育児に参加する光景も多く見られるようになりました。その影響もあり、今では「夫婦そろって育児休業を取りたい!」と考える方も珍しくありません。

このような考えを持っている方は、「パパ・ママ育休プラス」「パパ休暇」の2つの制度をチェックしてみましょう!

パパ・ママ育休プラス

パパ・ママ育休プラス 両親がそろって育児休業を取得する場合、原則として子が1歳に達するまでであった育児休業期間が、最長で1歳2ヵ月までに延長される制度

パパ・ママ育休プラスは、父母それぞれが1年の休業期間を超えない限りは、夫婦そろって育児休業を取得できる役に立つ制度といえるでしょう!
ただし、育児休業期間を延長するための要件として、以下の3つが定められているのでご注意を。

【要件1】子が1歳に達するまでに、配偶者が育児休業を取得していること

【要件2】本人の育児休業開始予定日が、子の1歳の誕生日以前であること

【要件3】本人の育児休業開始予定日は、配偶者が取得した育児休業の初日以降であること

出所)厚生労働省ホームページ「育児・介護休業法について

パパ休暇

パパ休暇 ママの出産後8週間以内にパパが育児休業を取得した場合に、特別な事情なしで2回目の育児休業も取得できる制度

出所)厚生労働省ホームページ「育児・介護休業法について

パパ休暇はママの出産直後・育児をサポートできる制度なので、積極的に活用することでママの社会復帰にもつながります。早いタイミングで共働きできる環境が整えば、家計の負担も最小限に抑えられるかもしれません。
上記のような制度を上手に活用していきたいですね。

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育児休業中の給料は?育児休業給付金・社会保険料免除を活用!

育児休業中は特に気になるお金のこと。「育休中は収入が不安...」と悩んでいる方も多いことでしょう。
そこで、育休中の家計を助ける2つの制度についてご紹介していきます!

育児休業給付金

育児休業給付金とは、育児休業を取得している間に支給される給付金です。前述の育児休業制度と同様に、正当な理由があれば最長で2年間受け取ることができます。
この育児休業給付金について、もう少し詳しく見ていきましょう。

期間 原則としては、子が1歳に達するまで。
条件が合えば、最長で2年まで受け取ることが可能。
対象
  • 育児休業制度を利用する雇用保険の一般被保険者で、休業開始前の2年間に、賃金支払基礎日数11日以上の月が12ヵ月以上ある人
(※この他にも詳細な要件があります)
支給金額
  • 育児休業日から180日以下...休業開始時賃金日額×支給日数×67%
  • 育児休業日から181日以上...休業開始時賃金日額×支給日数×50%
(※支給額には上限額があります)

出所)厚生労働省ホームページ「育児休業や介護休業をする方を経済的に支援します

つまり、育児休業給付金で受け取れる金額は、通常時の収入の50%~70%弱ほど。ただし、育児休業給付金は非課税とされているので、全額をそのまま受け取ることができます。
また、勤務先から通常時の80%以上の給料を受け取っている場合は、給付金が支給されませんので、注意が必要です。

社会保険料の免除

産前産後休業保険料免除制度・育児休業保険料免除制度により、手続きをすれば、産休や育休を取得している期間は健康保険・厚生年金保険の保険料が全額免除となります。
一般的なサラリーマンの場合は、これらの保険料を毎月支払っているので、この制度を活用するだけで毎月数万円の節約につながるでしょう!

出所)日本年金機構ホームページ

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育休中の負担が大きい...!?そんな時にチェックしたい2つのポイント

給付金を受け取り、社会保険料が免除されれば、家計の負担を少しは軽減できるはず。しかし、育児にはさまざまな負担がかかるので、「働きながらは難しい...」と悩んでいる方は少なくありません。
そこで最後に、育休中の負担が大きい時にチェックしておきたい2つのポイントをご紹介していきます。

【ポイント1】育児をサポートする制度

今回ご紹介した以外にも、育児をサポートする制度はいくつか見られます。具体的な制度としては、以下のものが挙げられるでしょう。

育児時間の請求 1日2回に分けて、30分間の育児時間を請求できる制度。
時短勤務制度 所定の労働時間を短縮できる制度。
母性健康管理措置 働く女性が保健指導や健康診断を受けるために、その時間を確保できる制度。
子の看護休暇 年間で5日間の看護休暇を取得できる制度。

※子どもの対象年齢など要件があります。

出所)厚生労働省ホームページ「「育休復帰支援プラン」策定マニュアル

上記は法律で定められている制度ですが、会社側にも人事などの都合があるので、利用を検討している場合は事前の相談を欠かさないことが大切です!

【ポイント2】雇用環境・均等部への相談

会社に相談をしたものの、「育休もその他の制度も利用できない...」と窮地に立たされてしまった方も少なからず存在します。このように会社側からの理解を得られない場合は、各都道府県の労働局に設置されている「雇用環境・均等部」への相談を検討してみましょう!

雇用環境・均等部は労働者の立場を守る部署であり、行政指導などを通して労働環境の改善などを目指しています。不利益を被った具体的な案件を相談することで、あなたの育児環境を整えられるかもしれません。

電話での受付も行っているので、不安な方はまずは電話口にて相談することも考えてみましょう。ちなみに労働環境と聞いて「労基(労働基準監督署)」をイメージする方も見られますが、育児関連の問題は労基では取り扱っていないので注意が必要です。

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収入を計算し、家計・子育てを両立できる選択肢を!

いかがでしたか?

子どもを健康的に育てることも重要ですが、パパ・ママはご自身の生活を守ることも意識しなければなりません。そのため、どのような休業・休暇をとったら収入はどうなるかを事前に予測し、家計に問題が生じない選択肢を選ぶことも考えるようにしましょう!

※本記事は、記事作成時点の情報を基に作成しております。制度内容等は今後変更となる場合があります。

(Photo:三菱UFJ国際投信-stock.adobe.com)

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