お金がないけど結婚したいときに考えるべき5つのこと

お金がないけど結婚したいときに考えるべき5つのこと

結婚を考えていても、現在の預貯金が心もとないとどうしても躊躇してしまいます。実際、結婚式やその後の生活にはある程度まとまったお金が必要です。しかし、お金がないからといって結婚できないわけではありません。
本記事ではお金がなくても結婚したいときに検討すべきこと、さらに、結婚費用を準備するためのノウハウもお伝えします。

結婚式の費用・生活資金の相場は2人で約400万円

まずは結婚をするためにどんな費用がいくら必要なのか見てみましょう。

「ゼクシィ結婚トレンド調査2018」によると、挙式、披露宴・披露パーティ総額は357.5万円となっています。ご祝儀や親からの援助などを考えると、全てを自分たちだけで負担するわけではありませんが、新居への引っ越しなど新生活を始めるにあたって必要となる費用もありますから、2人で400万円ほどは準備しておいた方がよいのではないでしょうか。

参考記事:「人生のビッグイベント「結婚」のための着実な資金計画

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実際に結婚した人たちは結婚費用をどれくらい預貯金していた?

400万円ともなるとかなりの大金です。単純に考えると1人で200万円を準備する必要があります。金融広報中央委員会による「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](平成30年)」で、20~30代の金融資産保有額の中央値を見てみましょう。



20代…85万円
30代…250万円

これは、金融資産を保有している人に限った数字です。口座はあっても現在残高が無い、つまり預貯金ゼロの世帯は20代では21.8%、30代ではなんと35.3%存在します。現代において結婚のために一人200万円貯めるというのは、決して簡単ではないことが読み取れます。

出所)金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](平成30年)」

「ゼクシィ結婚トレンド調査(2018)」によれば、首都圏において、結婚費用のための預貯金をしていた人は約89%になりますが、裏を返せば約11%の人は結婚資金が無い状態で結婚しているのだと言えます。
さらに結婚をした夫婦の預貯金総額のデータを見てみると、平均は345.7万円で、最も多いのが200~300円未満の19.2%。続くのが、100~200万円未満で18.6%です。

多くの人は結婚資金を預貯金しており、その金額は一般的な必要額と同等、またはやや少ない程度ということになります。

一方、100万円未満しか貯めていなかったという人も6.5%存在します。
ここでもやはり、相場以下のお金しかなくても、結婚は可能だと考えられます。

出所)「ゼクシィ結婚トレンド調査2018」を参考に三菱UFJ国際投信作成

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お金をかけずに結婚する方法

お金がなくても結婚できることを数字から読み取ることができましたが、具体的にどうすれば結婚資金を抑えられるのでしょうか。
最も簡単なのは、結婚のために通常必要とされる行事を思い切って省いてしまうことです。
結婚式をしない、新婚旅行をしないだけで数百万円は節約できます。結婚指輪も安いものは数万円で購入できます。

しかし、結婚式をしない=お金がかからない、というのは極論です。一生に一度の晴れ舞台としてやはり結婚式はしたい、という方も多いでしょう。
お金をかけずに式を挙げる場合は、以下のような方法が考えられます。

格安ウェディングを利用する

ここ10年ほどの間で知名度を得ているのが、格安ウェディングです。
少人数挙式のシンプルな内容で6万円台から式を行えるものから、平均的な結婚式の内容を網羅しながらも予算を200万円以下におさえることで実質費用はご祝儀でまかない、新郎新婦の負担をゼロにするものなど、価格帯やプランはさまざまです。

フォトウェディングにする

挙式や披露宴は行わず、ウェディングドレスや和装で写真撮影だけを行うスタイルです。料金は撮影するカット数や衣装の種類、ロケーションなどによって大きく上下しますが、最小限の撮影であれば1万円以下で行うことも可能です。

結婚式と新婚旅行を兼ねる

格安ウェディングの中には、国内・海外のリゾート地で式を行い、そのまま新婚旅行を兼ねるプランもあります。式も新婚旅行もしたいけれど費用は抑えたい、という場合におすすめです。

二人だけで挙式をする

友人はもちろん親戚や家族も呼ばず、新郎と新婦の二人だけで挙式を行う形式です。ゲストが来るとそれだけ会場の広さや準備のためのコストがかかりますが、それらは一切不要になります。必要最小限の費用だけで済み、なおかつ二人きりというロマンチックな雰囲気も楽しめる式です。

神前式や仏前式など和婚にする

寺院で行う仏前式や神社で行う神前式は、教会などでおこなうキリスト教式と比べると比較的安価です。価格帯は寺社仏閣によってさまざまですが、5~20万円の範囲での挙式も可能。衣装や着付けなどは別途自分たちで手配する手間がかかる場合がありますが、自分たちで手配先を選べる分、費用も節約しやすいでしょう。

いずれの場合も、ポイントは「自分たちでできる部分はDIYする」ということです。たとえば招待状、ウェルカムボード、ブーケ、ムービー、引き出物など、業者に依頼すると高くついてしまう部分を自分たちで手配または手作りすれば、ぐっとコストが下がります。

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結婚式・結婚生活の費用を用意する方法

結婚式に関しては、節約できる余地が大いにあります。その一方で、結婚して新生活を送るための費用はなかなか削ることができません。実家で二世帯同居をする場合なども、引越し費用や二人の生活資金は用意しておいた方がいいでしょう。以下のような手順と方法を参考にしてみてください。

(1)自分たちの収入と支出についてパートナーとしっかり話し合う
結婚資金を貯めるにはパートナーの協力が欠かせません。結婚後のお金の管理についても取り決めておくことをおすすめします。

参考記事:「恋人時代からはガラリと変わる結婚後のお金管理!パートナーと話し合うべきこととは?

(2)自分たちにとって必要な結婚資金を計算する
どんな結婚式を行いたいか、予算はいくらに収めたいのかなどを決めましょう。

(3)資金を用意する方法と期間を決める
二人で出し合う資金ですから、不平等にならないよう、お互いの収入の兼ね合いも見ながらどんな比率で貯めるのかしっかり決めておくことが大切です。資金準備にだらだらと時間がかかりすぎないよう、期間を定めるのもポイントになります。

では、資金準備にはどんな方法があるのでしょうか。

財形貯蓄

給与から自動的に預貯金されていく制度で、会社が財形貯蓄制度を導入していれば利用することができます。貯蓄した資金の使用用途を限定しない「一般財形貯蓄」、住まいの購入・リフォーム資金などに使える「財形住宅貯蓄」、年金として受け取れる「財形年金貯蓄」の3種類があり、結婚資金は「一般財形貯蓄」で貯める形になります。
ただ、財形住宅貯蓄は貯蓄残高550万円までは利子等に税金がかからない、長期&低利の財形持家融資(住宅ローンの一種)を受けられるなどのメリットがあるため、結婚後に住まいの購入などを考えているという場合は、併せて利用を検討してみてください。

出所)独立行政法人勤労者退職金共済機構勤労者財産形成事業本部「財形貯蓄制度」

積立定期預金

あらかじめ決めておいた額を、定期的に普通預金口座から引き落として自動的に資金を積み立ててくれる預金です。財形貯蓄と同様自動的に預貯金ができること、普通預金よりも金利が高いことがメリットです。

パートナーとの共用口座

どちらかの名義で口座を開き、それを夫婦で管理する方法も考えられます。どちらがいくら貯めたのかが明瞭になること、管理がしやすいことがメリットです。二人で一緒に貯蓄をしている一体感や充実感も高まります。

ブライダルローン

結婚資金のみを用途としたブライダルローンを組むという手段もあります。用途が限定されている分金利は低いのがメリットです。ただし、審査が必要で時間と手間がかかるため、どうしても資金が足りないとときの補助として選択肢に入れておくのが良いでしょう。

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子どもが生まれたらかかる費用

結婚資金を貯められたとしても、人生は結婚したらゴールというわけではありません。その後の生活にお金がかかることはもちろん、子どもを産む予定があるとすれば、今度は出産、子育てのためにまとまった資金が必要になります。
どんなことにどれくらい費用がかかるのか、以下の記事を参考にしながらあらかじめ把握しておきましょう。

参考記事:「子育て費用は総額でどれくらいかかるのか
参考記事:「子どもの教育費、大学進学までにいくら必要なの?

また、子育て費用をどのように用意するのかも早めに検討しておくに越したことはありません。特に国の制度については見逃さないようしっかりチェックしておきましょう。

参考記事:「出産前には知っておきたい、育児休業給付金。計算方法や申請の流れをご紹介
参考記事:「育児休暇・育児休業とは?家計の負担を減らせるオトクな制度も徹底解説!

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まとめ

極力費用を抑えれば、たとえ現在預貯金に余裕がなかったとしても結婚することは可能です。夫婦二人の生活がはじまれば収入も二人分になりますから、今後の人生でどのようにお金を使っていくのか、ライフプランをじっくり話し合うのが大切です。

参考記事:「結婚、住宅購入、老後の貯金...その前に!作っておきたいライフプラン表

(Photo:三菱UFJ国際投信-stock.adobe.com)

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