専業主婦(夫)世帯と共働き世帯の割合がはじめて逆転したのが平成4年(1992年)。緩やかに、そして確実に、共働き世帯の比率は増加傾向で推移しています。
共働き世帯が増え続けるなか、専業主婦世帯が多かった親世代の話はあまり参考にならないようで、共働き世代ならではの家計管理の悩みを抱える方も多いようです。
実例に見る共働きでも家計破綻しやすい3つのタイプ
家計破綻に陥る世帯とはどういう世帯でしょうか?経験則にはなりますが、大きく3つのタイプがあげられます。
1.「完全ノープラン」型
これは読んで字のごとく、お金の使い方に計画性のない夫婦です。「自分はこうはなるまい」と思うかもしれませんが、あれもこれもと無計画な散財ばかりがこのタイプではありません。
互いの趣味を尊重する夫婦が、各々の領域(お財布事情)に踏み込まないゆえに支出を重ね、家計全体を振り返ると・・・なんていうのがこのタイプです。
2.「ちょっとの背伸びをずっと」型
端的に言えば“見栄っ張り”が揃うと発生するタイプです。決して届かないわけではない範囲の背伸びも、毎回繰り返すことで家計を圧迫するこのタイプ。
大きな贅沢の実感は伴わないが、じわじわ苦しくなる残念なタイプです。
3.「他力本願夫(妻)」型
世帯所得の高い夫婦に、予想外に発生するこのタイプ。お互いの収入がしっかりあるのを知っているため、「きっと妻(夫)が貯めてるはず」とたかをくくって互いに自分の支出にブレーキがかからないパターンです。
以上の例を踏まえると、共通項がありませんか?
そうです。どのパターンも“似たもの夫婦”なのです。夫婦になる前なら仲を取り持つ共通項も、いざ家計を共有するとなると難しい状況を引き起こしかねないのです。
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共働き世帯の円満な家計とは?
さて、誰もが目指したい“円満家計”ですが、そもそも家計が円満な状態とはどういう状態でしょうか。
1.家計が黒字であること
たとえ、共働きでどんなに世帯年収が高くても、浪費等で赤字を垂れ流していては、いずれ破綻します。つまり、家計が黒字であることは最低条件です。
2.管理ストレスがない状態であること
お財布が1つだろうと2つだろうと、家計として管理が行き届いているほうがよいでしょう。
「今どれくらい資産があって、収入、支出がこのくらいあって」という具合ですが、その管理がストレスを生む状態(例えば、1円の誤差も許さないとか)では、長期の管理は実現しません。
今では、マネーフォワードMEやZaim等の家計簿アプリの登場で、以前と比べてもお金の流れを把握するのが断然楽にはなっているものの、管理についてはある程度の柔軟性が必要です。
3.夫婦で納得感があること
これは管理する側・される側が発生した時に、注意すべき点です。
管理される側は、管理を任せるスタンスであれば問題ないのですが、収入の大小で管理者を決めたりすると、管理される対象が自分で稼いだお金だけに不平不満が発生します。
管理をする側・される側の両者にとって、納得できる方法や目的を事前に設定できることが必要でしょう。
世間一般では、共働き世帯の財布の紐はどちらが握っているのでしょうか。住宅情報を取り扱うオウチーノ総研の「夫婦のお財布事情」実態調査によると、全体の70%以上の世帯で妻が家計管理をしていて、共働き世帯でも65%程度が妻管理という結果でした。
また、妻が家計を管理するという理由で最も多かったのが「妻の方が管理能力があるから」というものでした。なんだか、世間のお父さんがお小遣い制になるのは自業自得なのかもしれません。
ついでに、お小遣い制についても調べてみましたが、東京シャツの「夫婦のお財布事情に関する調査」によれば、男女共に扶養外で働く場合のお小遣いは男性37,321円、女性28,556円という水準だそうです。各家庭によって定義がぶれる“お小遣い”なので、金額は参考程度に捉えておきましょう。
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夫婦のどちらが家計全体を管理し、改善を検討するか
NG例を踏まえるに、共働きの家計管理には家計全体を管理する役割が必要です。
世間では妻の家計管理が7割という調査も紹介しましたが、ここは夫のタイプ別で分けてみることを提案します。
どういうタイプ別かと言うと、家計を改善するとしたら何をすべきか、と尋ねたときの考え方で分けたいと思います。
なぜなら、家計管理を「収入-支出=貯蓄」と単純化した場合に、家計の改善方法は
1.収入を増やす
2.支出を減らす
3. 1と2を両方やる
の三択しかないからです。では、早速見ていきましょう。
タイプ1:家計管理には絶対不向き!?収入増こそ万能説論者
もし、夫が「支出を削るような我慢はしたくない、収入が増えれば問題ないじゃないか。」という攻め重視の発想の場合、夫に家計を預けるのはあまりおすすめできません。支出面はしっかりご自身で管理することをおすすめします。
なぜなら、このタイプに家計を預けると「収入増に向けた支出」という大義名分を立てて支出にブレーキがかからない可能性があるからです。
もちろん、本当に必要な支出までセーブするのは本末転倒ですが、通常の支出についてはあなたがしっかりと管理することで、共働き家計の相互補完が実現できます。
タイプ2:安定・安心のコストカッター、夫が家計の守護神に
このタイプは、支出をセーブできる我慢強さを持っているので、基本的に家計管理を委ねても失敗が少ないタイプです。極端な支出カットに走らないかだけは注意しつつ、基本的に管理は任せてしまうのがよいでしょう。
加えて、ムダの洗い出しや「ふるさと納税」での支出などは、コストカッターには楽しいイベントですし、夫婦間のコミュニケーションのネタにもなる一石二鳥なのでおすすめです。
特に「ふるさと納税」は、家計の視点からは、税控除を受けながら特段のデメリットなく食品等ご当地返礼品が手に入るお得な制度なので、目移りしながらもお目当ての品を探すのは非常に楽しいはずです。
また、最近はQR決済やクレジットカード等のキャッシュレスキャンペーンやクーポン配信等、お得な支払いの選択肢が巷にあふれています。ゲーム感覚でお得なプランなどを探してみるのもいいでしょう。
タイプ3:攻守万能の二刀流
夫がこのタイプなら、あなたは家計について楽ができると大船に乗った気持ちでいられるでしょう。共働きの家計管理は基本的に任せきりで問題ないはずです。家計について攻めも守りも頑張れる人は、家計管理がそもそも好きな可能性が高いからです。
せっかくなら、子育て費用やマイホームの頭金など、家計管理に+αの目標を加えて頑張ってもらうのも一手ではないでしょうか。
また、あえて家計管理に口を出すとすれば、あなたの得意領域に絞って意見することで、より有意義な共働き家計が実現するはずです。
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まとめにかえて
共働きは各々夫婦の口座にお給料が入る一方、専業主婦(夫)世帯よりもついつい家計への意識が希薄になりがちです。
しかし、共働き世帯はしっかり家計管理さえ出来れば、本来は家族の夢実現や将来への備えが二馬力ですすむ魅力的なタッグです。また、しっかりと家計管理の足場さえ固められれば、浮いたお金で新たな趣味や投資といったステップを踏み出すチャンスも訪れます。ぜひこの機会に、円満な家計管理を始めてみてはいかがでしょうか。
(Photo:三菱UFJ国際投信-stock.adobe.com)
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