無料の保険相談はおすすめ?利用前に注意したいこと

無料の保険相談はおすすめ?利用前に注意したいこと

将来のために貯金・節約に取り組むときに、見直したい支出のひとつが生命保険料です。保険の見直しは節約できる金額が大きく、1回見直すと節約効果が続くメリットがあります。生命保険文化センターの調査によると、民間の生命保険会社などで取り扱っている生命保険加入者のうち、実際に支払っている年間払込保険料の平均は19.6万円(男性が23.4万円、女性が16.8万円)となっています。*1
保険を見直して保険料が月1万円安くなれば、1年で12万円、10年で120万円もの節約につながります。

そして保険を見直す方法のひとつに、無料保険相談と呼ばれるサービスがあります
しかし無料と聞くと、「本当に費用はかからないのか」という疑問や不安を感じる方もいるのではないでしょうか。そこで今回は、無料保険相談と呼ばれるサービスの仕組みやメリット・デメリット、利用前に注意したいことについて見ていきましょう。

無料で保険相談ができる理由

無料保険相談には、店舗で相談できる「来店型保険ショップ」と、自宅やカフェなどで相談できる「訪問型サービス」があります。どちらもFP(ファイナンシャルプランナー)が相談者の家族構成や家計状況、健康状態、悩み、疑問などをヒアリングしたうえで、希望に合った保険を提案してくれるのが特徴です。提案された保険に納得できれば、その場で加入手続きを受け付けてくれることもあります。また提案された保険に加入しなくても、相談料を請求しない形でサービスを展開している事業者が一般的です。

しかしこのサービス、なぜ無料で保険相談ができるのか気になるのではないでしょうか。
その理由は簡単で、多くの場合、保険会社から事業者に販売手数料が支払われるからです。無料保険相談を行う事業者は保険の販売代理店になっている事が多く、相談者が新しい保険に加入すると、事業者は保険会社から販売手数料を受け取ることができます。そのため、相談者から相談料を徴収しなくても、経営が成り立つ仕組みになっているのです

参考:保険代理店の役割とは?相談窓口によって異なる保険商品

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保険相談のメリット

このような保険相談には、以下2つのメリットがあります。

  • 保険料が安くなる可能性がある
  • 最適な保険を提案してもらえる

保障額は同じでも、商品によって保険料は異なります。そのため別の保険に乗り換えることで、今までと同じ保障を確保しながら保険料を安くできることがあるでしょう。もちろん自分で探すこともできるかも知れませんが、調べる時間と手間はなかなかのものです。であれば、保険に精通しているFPを頼り、希望条件を満たす商品の提案を受けたほうがメリットはありそうです。

また専門のFPを頼ることで、今の自分に最適な保険を提案してもらえることもメリットのひとつと言えるでしょう。公的保険を考慮すると保障額が過剰であったり、保障内容が被っていたりすることがあっても、なかなか自分では気がつけないものです。
反対に保障が不足していて、もう少し保障内容を手厚くするように提案されるかもしれません。また、相談者の健康状態によっては、加入中の保険より保険料が安い保険には加入できないケースも考えられます。
最適な保険は、相談者の状況によって異なります。FPに自身の状況や希望をしっかり伝えることで、最適な保険を提案してもらうようにしましょう。

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保険相談のデメリット

保険相談は、先程紹介したメリットがある一方で、以下のようなデメリットもあります。

  • 担当者によって力量に差がある
  • 不要な保険を勧められる可能性もある
  • 時間がかかる

一般に保険相談サービスでは、お金のプロであるFPに相談できますが、担当者によって力量に差があります。
経験豊富で能力が高いFPなら、必要な保障を確保しながら保険料を安くできるように、最適な保険を提案してくれることが期待できます。経験値が高ければ、疑問や不安に対してもわかりやすく丁寧に対応してもらえます。
一方で、保険相談の経験が浅く、力量不足のFPが担当者になってしまうと、思うように保険の見直しができず、疑問や不安を解消できないこともあるでしょう。

また保険相談を営む事業者の多くは、保険会社から支払われる販売手数料が業者の収入源であるため、場合によっては過剰な保険を勧められる可能性も0ではありません。その意味では、全てを事業者に頼るのではなく、自分自身もしっかりと勉強してから相談に臨むことを心掛けましょう。

また、保険の相談と見直しは一般的に時間のかかる作業です。
現状のヒアリングから保険商品の比較・提案、保険加入手続きまでには、数回の面談が必要になることが多いでしょう。担当者によっては説明が長くてわかりにくく、手続きがスムーズに進まないケースも考えられます。少しでも不安を感じたら、担当者の変更や別の事業者の利用を検討しましょう。

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保険相談を利用する前に注意したいこと

サービスを利用する前に、解決したいことや達成したいことなど、相談する目的を明確にしておきましょう。「医療保険を見直して保険料を安くしたい」のように、相談内容と目的が明確であれば、比較的短時間の面談で課題が解決するでしょう。
一方で、「何となく保険を見直したい」のように、目的がはっきりしない状態で面談に臨むことは好ましくありません。問題点を把握するためにFPも多くの質問が必要になり、時間がかかってしまいます。
「保険料を月1万円以下にしたい」
「必要な保障を確保できているか知りたい」
のように、結果をイメージすると良いでしょう。

また相談にあたっては、保険の基礎知識を身に付けてから臨むことも心掛けたいものです。FPから保険について解説してもらえるので、基礎知識がなくても相談自体は可能です。しかし、基礎知識を身に付けてから相談するほうが、説明の理解は容易になります
万が一不要な保険を勧められても、「自分には必要ない」と判断も可能になります
難しく考えず、インターネットで調べる程度の準備でも十分効果があるでしょう。

参考:貯蓄型と掛け捨て、生命保険を選ぶならどっち?

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まとめ

保険商品は、やはり大きな買い物です。
定期的な見直しのためにも、保険相談のサービスを上手に利用し、最適な保障と負担でリスクに備えてはいかがでしょうか。

*1 
出所)公益財団法人 生命保険文化センター保険研究室 「令和元年度 生活保障に関する調査」

(Photo:三菱UFJ国際投信-stock.adobe.com)

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