老後に一人暮らしをすることのリスクとは?今日からできる6つの対策

老後に一人暮らしをすることのリスクとは?今日からできる6つの対策

老後、一人暮らしを余儀なくされる高齢者が増えています。
収入も減り、体も衰えていく中での一人暮らし。
高齢者の一人暮らしは、安心安全な生活とは言いきれない部分があります。
そのため、事前に高齢者の一人暮らしが抱えるリスクと、そのリスクを回避するための対策を知っておきましょう。

老後の一人暮らしに迫るリスクとは?

お一人様老後の方が増えていますが、老後の一人暮らしにはどういった危険が潜んでいるのでしょうか。
高齢者の一人暮らしのリスクとして、特に多い3つのリスクについて解説します。

1.老後破産

まずは「老後破産」です。
この「老後破産」は社会的な問題にもなっていますが、経済的な理由からまともな生活ができない高齢者が増えています。
そのような高齢者に対して「年金を払ってなかったんじゃないの?」「ちゃんと貯金していなかったのが悪い」と言った見方をする人もいますが、実は老後破産をしている高齢者の中には、きちんと働き税金を納めてきた人も多いのです。
では、きちんと働いてきた人でも、なぜ老後破産という状況になってしまうのか。
理由は様々ですが、想定外の病気やケガにより支出が増えてしまう事をきっかけにするケースが多いようです。
医療費は保険が使えるとはいえ、生活にかかる支出そのものは増えます。
そのため若い時にきちんと税金を払い、計画的に老後資金を貯めていたとしても、病気や怪我により老後資金の計画が崩れてしまうという人が多いのです。

2.詐欺被害

高齢者にとって、詐欺被害というものは非常に身近に潜んでいます
筆者は配偶者の親、祖父母と同居していますが、80代の祖父母宛に不審な電話が何度もかかってきます。
過去には、市役所の生活相談課にお世話になったこともあります。
祖母が電話に出ると「懸賞に当たりましたので、商品を送らせていただきました」という話をされ、懸賞などに応募した記憶はないという話をすると、「いえ、〇〇さんですよね。私の手元にはあなたからのハガキが届いています。もう商品を送っているので、料金はきちんと払ってください」という話をされたのです。
それでも「懸賞に応募した覚えはない」という話をすると、相手の口調が荒くなってきたので「では、そのハガキを持って〇〇警察署まで来てください。私も今から警察署に向かうので、そこで決着をつけましょう」と言うと電話が切れました。
相手に本名が知られているため恐怖心を感じた祖母は、市役所の生活相談課に今回のこと
を話しにいきました。
そうすると、市役所の方が「よく報告してくださいました。最近その手の電話が市内で多発していて、実際にお金を払った人もいるんです。」という話をされたのです。
それ以外にも、何度か不審な電話が自宅にかかってきたことがあり、高齢者の一人暮らしがいかに詐欺集団に狙われているのかということを目の当たりにしました。

3.孤独死

筆者は元看護師なのですが、病院で勤務していると、独居老人の方が衰弱した状態で救急搬送されるという場面を幾度となく見てきました。
高齢者の場合、身体が弱ったり、認知症になっていたりしても、自分でSOSを出すことができない人が多いです。
生活がままならない状態なのに、市役所の介護保険課などに相談すれば介護を受けられるという情報を知らないために、無理に生活をし続けている高齢者が多いのです。
認知症の場合は、さらに自分でSOSを出すのが困難になります。
病院に救急搬送で運ばれてくる高齢者は、家で一人で衰弱しているときに、近所の人が異変に気付いて救急車を呼んでくれたというケースが非常に多いのですが、これが一歩間違えれば、孤独死になるわけです。

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老後のリスクを回避するために今日からできる6つの対策

老後の一人暮らしのリスクを減らしていくために、今日からできる対策を取り入れていきましょう。

1.健康を大事にする

健康は非常に大きな財産です。
そのため若いうちから、健康を意識した生活を心がけましょう。
ジャンクフードばかり食べたり、寝不足が続いていたり、また過度なストレスを抱えたまま生活したりということはないでしょうか。
健康な状態を保てるかどうかで、老後の生活資金というのは大きく変わっていきます
元気なまま生活ができるように、栄養管理、適切な運動、睡眠時間の確保などを心がけていきましょう。

2.近所の人、友達との付き合いを大事にする

日頃から周囲の人との人間関係を大事にしておきましょう。
老後、一人での生活がままならなくなった時に、近所の人や友達などと交流があれば助けてもらえる可能性が高まります。
また日頃から会話できる人がいるかいないかで、日々の満足度も違ってきますし、認知症の予防にも繋がっていきます。
「人は一人では生きてはいけない」という言葉がありますが、老後はまさに一人では生きてはいけません。
そのためお互いに助け合えるような「つながり」というものを大事にしていきましょう

3.福祉サービスについて知識をつけておく

一人暮らしの高齢者に多いのが、介護が必要な状況になっているにも関わらず、SOSを出していいことを知らない。SOSを出す方法を知らない。というケースです。
SOSの出し方を知らないがために、困難な生活をしているという状況を防ぐためにも、若いうちから介護保険など福祉サービスについて知識を身につけておきましょう。
そういった知識を身につけておくことが、未来の自分を守ることに繋がります

4.生活コストを下げる

元気なうちから生活コストを下げる工夫をしていきましょう。
老後破産する傾向のある高齢者の共通点として、若い頃の生活コストが高いというものが挙げられます。
見栄のために家賃の高い部屋に住んだり、外車を購入したりなど、生活コストそのものが高いと貯金が難しくなります。
さらに元々の生活コストが高い人は、老後に入ってからも生活コストを下げることができないため、生活費が足りないという状況が生まれてしまうのです。
元気なうちに貯金ができるように、そして老後も少ない生活費で生活できるようにするために、生活コストを下げて生活することを意識していきましょう。

  • 家賃を抑える
  • 見栄のための買い物はしない
  • 携帯は格安SIMに乗り換える


など、生活コストを下げる方法はたくさんあるので、できるところからやってみましょう。

5.貯金をする

生活コストを下げることに成功すれば、そのお金は貯金するようにしましょう。
いざという時に自分を守ってくれるのは貯金です。
貯金があれば、介護が必要になった時に

  • 有料老人ホームに入居する
  • 訪問介護を利用する
  • 家をリフォームする


など、様々な対応ができるようになります。
「お金が全てではない」という人がいますが、お金は困った時に様々な選択肢を与えてくれるのです。
未来の自分に選択肢を持たせるためにも、貯金をしていきましょう。

6.貯金の一部は運用にまわす

老後資金を効率的に増やすことを目指して、貯金の一部を運用に回すことを考えてみましょう。「資産運用」と聞くと、難しく感じる人もいるかもしれませんが、投資信託であれば相場などに合わせてプロが運用してくれるので、初心者の方でも手軽に取り組める運用方法になっています。
貯金だけで老後資金を貯めようと考えると可能な金額が限られてくるので、運用も併用することで老後資金の確保を目指してみましょう。

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今から老後の一人暮らしのリスクに備えておこう!

老後の一人暮らしには様々なリスクが潜んでいます。
そのリスクを回避するためには、

  • 健康でいること
  • 助け合える人がいること
  • 福祉に関する知識を持っておくこと
  • 老後資金を貯めておくこと


これらが重要になってくるため、若いときからできるものを取り入れていきましょう。

(Photo:三菱UFJ国際投信-stock.adobe.com)

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