ポイント
家計簿アプリなどを提供しているマネーフォワードが、20代以上の男女3,302名を対象に行った家計簿に関するアンケート調査によると、女性の過半数が貯金に関して悩んだ経験があると答え、その理由に「浪費」や「貯金の仕方がわからない」といった理由を挙げています。
出所)株式会社マネーフォワード「家計簿に関するアンケート調査」
「貯金の仕方がわからない」という理由のなかには、やり方や取り組み方など、具体的にどう計画していいか分からないといった理由なども潜んでいるのかもしれません。
漠然と100万円を貯めようと決めても、動機や計画が曖昧であれば達成することは到底難しくなります。また、節約しすぎてお金が使えなくなり、何のために貯金をしているのか、意欲すら削がれてしまうこともあります。
貯金を確実に成功させるためには、「目的に合った継続できる計画」が何よりも重要です。しかし、その計画の立て方が分からないのであれば、貯金に悩んだり、挫折してしまうのも頷けます。
貯金は、「目的別に貯める」、「期間別に計画する」という2つの軸がしっかりできてこそ継続できます。目的と期間をはっきりさせることで、無駄にお金を使うことが減り、貯金ができない理由にもあがっていた「浪費」を防ぐ効果も期待できるでしょう。
そこで今回は、このような悩みに対する解決策について、具体的な例を挙げていきます。
貯金する理由と金額、期間を合わせて書き出してみよう
まずは、貯金する目的、貯金額、使い道を「短期・中期・長期」の3つの期間別に分類してみます。
以下はその例です。
●短期(半年~3年)
金額の目安:100万円前後
家具・家電の買い替え費用、旅行・帰省費用、引っ越し費用等
●中期(3年~10年)
金額の目安:100万円~500万円程度
車の購入・買い替え費用、妊娠・出産費用等、結婚準備費用、住宅購入のための頭金等
●長期(10年以降)
金額の目安:500万円以上
老後費用、こどもの教育費(大学進学費用等)
あくまでも例ですが、目的別・期間別に組み合わせてみることで、より、具体的な計画が立てやすくなります。
漠然とした貯金計画は、ゴールのないマラソンをするようなもので継続ができません。使い道となる目的を明確にすることで続ける意欲が湧いてきますし、必要な期間内に貯めるための具体的な計画を立てることで、挫折しづらい環境作りができます。
目的と期間を決めたら、次に見ていきたいのは、その道のり。つまり、貯金計画です。
いつまでに走りきるのか、実践可能なくらいまで具体的に掘り下げ、ゴールまでの道のりを決めていきます。
たとえば、目先の家電買い替えが控えているけれど、子どもの教育資金も必要だというように、短期的な貯金と長期的な貯金を同時に進めることもあるでしょう。そのときには、自分の収支や家族の状況などの条件も考慮しつつ、家計管理や貯金の仕方にも工夫を施していく必要があります。
それぞれの目的や期間に適した貯金方法がありますので、実践できそうなものから取り入れていきましょう。
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短期×少額の貯金は楽しみながら取り入れる
家電の買い替えや旅行など、短期間かつ少額の貯金は取り組みやすいため、はじめて貯金に取り組むときもここから始めてみるとコツも掴みやすいです。
短期である分、毎月の貯金額よりも、毎週の貯金額を算出して工夫してみるとさらに具体的に取り組むことができます。
たとえば、5ヶ月で150,000円を貯める場合、1ヶ月の貯金額は30,000円。30,000円をさらに4週間で割ると7,500円になります。毎月10,000円ほど給与から先に貯金すると決めたら、残り20,000円を4週間で割ると毎週5,000円になります。それらを節約や500円玉貯金などで工夫して貯めてみる、ということです。
さらに、毎週5,000円を1日分にすると約700円。それくらいの節約となればランチ1回分くらいかなぁ、と計算することもできますよね。
短期で貯めるために、思い切って節約する方法も効果的です。ランチを週2回に減らして自炊し、浮いたランチ代を貯金する、という方法もあります。また、お釣りで500円玉をもらったときには絶対に貯金する!という、500円玉貯金も楽しめます。
「ラテマネー」という言葉があるのをご存知でしょうか。これは、毎日なんとなく使っているお金を表している言葉です。短期貯金には、このラテマネーの見直しがとても有効です。毎日のコーヒー代やコンビニでの買い物など、ちょっとした習慣を見直してみると良いでしょう。
長期的な貯金ではない分、日々の節約を意識して、楽しみながら貯金ができるのも短期×少額貯金のメリットです。
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中期的な貯金計画は家計への影響も大きい
中期的な貯金は、5~10年といった期間に発生する大きな支出に備えるためのもので、人生においてとても重要な貯金です。
先に挙げた例のように、車の購入や妊娠・出産費用、住居購入のための頭金などは、必要に迫られ支出する可能性があるにも関わらず、家計への負担が大きい金額です。
200万円や300万円といった少額のローンは心理的にも利用しやすく感じますが、ローンの金利はバカにできません。ローンの返済に追われる生活をしていたら、貯金はさらに遠のいてしまいます。そのため、この部分への取り組み次第で、家計にゆとりができるかどうか決まってくるのです。
ここでのおすすめの貯金方法は、会社で取り扱っている財形貯蓄や、銀行の3年定期など、強制的に貯められる定期積立預金などです。毎月確実に貯められる金額を計算して、強制的に貯まる方法を取り入れていきましょう。また、事前に計算してみて、この貯金額を毎月確保するのは無理だと判断したら、「期間を伸ばす」という戦法をとっていくことも必要です。継続するために、柔軟に計画してみてください。
しかし、この部分の貯金を確実に達成するためには、バッサリと削るような節約も必要になってきます。食費や日用品を削るには限界があるので、スマホ代や生命保険、習い事の見直しなど、固定費の削減や見直しをしていきます。固定費の削減の大きなメリットは、一度見直すだけで節約効果が続くことです。
無理なく、確実に貯められるように、自分の収支に合った金額・期間をしっかりと計算していきましょう。
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長期×高額な資金の準備には資産運用も検討しよう
10年以上あとに訪れる支出に備えるための貯金ですが、目的は老後資金や教育費の準備などがメインとなる家庭も多いでしょう。
教育資金の準備には、貯蓄型の生命保険や学資保険といったものもあります。目的も貯蓄期間も先に設定できるため、長期的な貯金計画に組み込みやすいものとなっています。
しかし、老後資金などは高額であるがゆえに継続が難しいもの。貯金だけで準備をしようと計算してみても、目が眩むような数字になってしまうかもしれません。老後に2,000万円準備する必要があるとも言われています。
この場合、貯金だけで積み立てることが難しいようであれば、つみたてNISA、確定拠出年金といった制度を使い、時間を味方につけた「資産運用」も組み込んだ計画を視野に入れる必要があります。
もちろん、投資ですので自分が期待した通りに運用できるとは限りません。しかし、先にも述べたように、時間を味方につけることで、お金を増やすチャンスを得るための間口を広げられます。
また、つみたてNISAや確定拠出年金には税金への優遇があるため、長期的な節税にも大きな効果が得られます。
資産運用はハードルが高いと感じたり、まとまった資金がないとできないと思われがちですが、投資信託などであれば少額から始められます。金融庁のWebサイトなどには、資産運用シミュレーションができるページもありますので、それらを活用しながら、資産運用についても考えてみましょう。
<金融庁 資産運用シミュレーション>
https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/moneyplan_sim/index.html
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挫折しない工夫をしよう
短期も中期も長期もどれも必要で、どれもやっていかなければならないーーこのような状況になると、貯金への取り組みが億劫になりがちです。筆者自身、そのような状態に陥ってしまい、貯金への意欲を失ってしまったことがありました。しかし、「記録する」ことで、それを乗り越えることができました。
貯金を成功させるもうひとつのコツは、貯金の実績をすべて「記録し続けること」です。記録して目に見えるように管理しておくことで、今、自分がどのあたりを走っているのか、客観的に把握できるため継続しやすくなるのです。
計画通りに進まなくても、記録をし続けていれば軌道修正もできます。不足している貯金がある場合、賞与や臨時収入からその部分の貯金に回してみたり、余裕がある他の貯金項目からいくらか回してみたりといった、節約や運用に頼らない方法で目的に近づける方法を取ることもできます。
家計簿に支出をつけるように、資産簿として、貯蓄総額を毎月つけていくことがモチベーションの維持にもつなげることができます。
そのためにも、貯金する目的ができたら、ゴールまでの計画をしっかり立てて、いつでも確認できる形で管理していきましょう。
・投資信託のリスクと費用については、こちらをご確認ください。
・当ページは当社が作成した情報提供資料であり、金融商品取引法に基づく開示資料ではありません。投資信託をご購入の場合は、最新の投資信託説明書(交付目論見書)および目論見書補完書面の内容を必ずご確認のうえ、ご自身でご判断ください。
三菱UFJ国際投信株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第404号/一般社団法人投資信託協会会員/一般社団法人日本投資顧問業協会会員
(Photo:三菱UFJ国際投信-stock.adobe.com)
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