老後に向けお金を貯めたい人はどうすればよいか―各世代で考える

老後に向けお金を貯めたい人はどうすればよいか―各世代で考える

金融庁が夫婦の老後資金として公的年金以外に30年間で2,000万円必要とする試算を行ったことに対し、菅官房長官は「政府は個々人が多様な資産形成ができるように、NISA(少額投資非課税制度)など様々な制度を構築している」と語り、資産運用の必要性に言及しました。

この話題が浮上したことにより、「長期的に資産を形成すること」が求められているということに多くの方が気づかれたのではないでしょうか。

今回は「長期的に資産を形成すること」という観点から、中学生以下、高校生、大学生、社会人といった4つのカテゴリーで、どのように資産を形成すればいいのかについて考えてみましょう。

中学生以下 ~お小遣いを貯めて「お金について知る」~

お金が必要なのは何も社会人ばかりではありません。皆さんに子どもの頃を思い出してみて頂きたいのですが、学生時代にはお金に苦労したという経験がある方も多いのでないでしょうか。

お金を貯めるのにあたって、社会人になった今、「あの時こうしてればよかった」と思い返すこともあるのではないでしょうか。ここでは、中学生以下の時を振り返って、お金にどのように向き合っていればよかったかを見ていきましょう。

中学生で収入があるとすればほとんどのケースは「お小遣い」ではないでしょうか。そのお小遣いの金額も人によって、月に数百円の場合もあれば数万円という場合もあります。

中学生以下の場合には、基本的には「お小遣い」をむやみに使い切るのではなく、計画を立てて、貯金するという経験を積むことが重要ではないでしょうか。よほど多くのお小遣いをもらっていない限り、実質的にお金を貯めるということは難しいかもしれません。

しかし、中学生以下の時から、少額でも構わないので、貯金をして資産を形成するという経験を積んでおくことが将来の資産形成マインドにつながっていくのではないでしょうか。是非、中学生以下の方は毎月500円でも構いません、貯金するという経験を積みましょう。

また、長期的な目線からすると、中学生以下の時に、「お金について知る」ということに時間をかけてみるのも将来の資産形成マインドにつながっていきます。

例えば、複利という言葉を知るだけでも、お金を貯めて、その後どう増やしたらよいのかということが見えてきます。国内では金融機関の預貯金の金利水準を考えると複利の効果を意識しにくいですが、知っておいて損はないでしょう。

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高校生 ~アルバイトやフリーマーケットアプリ等で得たお金を増やす~

高校生は中学生と違い、アルバイトができ、アルバイト収入があることは資産形成の手段が一つ増えることになります。また、ネットオークションやスマホを活用したフリーマーケットアプリ等を活用してモノをお金に換えることもできます。

高校生の場合には、「お金を貯めたい!」というよりは、友達と遊ぶための交際費、自分が欲しいものを買うための資金というようにお金の使い道があるかもしれません。もちろん、高校生で「お金を貯めたい!」という人もいます。そういう人の中には「どうすればお金を増やすことができるのだろうか」と考え始める人もいるのではないでしょうか。

アルバイトやフリーマーケットアプリ等で得たお金を、交際費や趣味などに使うだけではなく、為替取引や投資信託、株式投資などの資産運用について学んでみて、選択肢として考え始めるのもよいでしょう。

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大学生 ~より多くのお金を増やす~

大学生の場合は、高校生と同様にアルバイトで資産形成ができますが、高校生よりも時給がアップし、長く働くこともできるので、より多くの収入を得ることができます。

社会人になってしっかりとお金を貯めている人の中には「大学生時代に株式投資をして儲けて、自分が好きな車を購入した」という人や「大学生になってはじめて投資信託を購入し、その後もコツコツ運用している」という人もいます。

大学生は進路や専攻にもよりますが、経済学部や商学部といった金融を学ぶことができる機会も出てくるので、これまで以上に貯蓄や資産運用に興味が出てくるのはこの頃かもしれません。

大学生であれば、就職し、その後の社会人としての収入が長らく続く前提で考えると、投資信託で積み立て投資を始めるという選択肢もありますし、個別銘柄に興味があるというのであれば株式投資も悪くないでしょう。

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社会人 ~節約・収入拡大・貯蓄増加の3ステップを意識して実行する~

お金を貯めるのには、基本的には以下の3ステップが重要ですが、社会人は特にこの3ステップを意識しながら過ごすことが求められるのではないでしょうか。



ステップ1:節約で支出を減らす
ステップ2:収入を増やす
ステップ3:貯めたお金を増やす


節約で支出を減らすというのは、誰もが一度は取り組んだことがあるのではないでしょうか。

節約でまず重要なのが、何にお金が支払われているのかを知ることです。「家計簿をつけましょう」ということがよく言われてきましたが、現在はテクノロジーも進み、スマートフォンのアプリで入出金の管理も手軽にできるようになりました。お金の「見える化」をすることで不必要な支出を見直すきっかけにするということが重要です。

次いで重要なのが、収入を増やすことです。社会人であれば、昇進や転職などでステップアップとともに年収が上がっていくというシーンが多いのではないでしょうか。また、副業などで本業以外の収入を増やすことも可能な時代になってきました。隙間時間を活用した副業で収入アップを図るということも今後さらに選択肢としては検討すべきでしょう。

「節約をして、年収を増やす」。これを実行すれば、資産が形成されるというのは皆さんお分りだと思います。

しかし、これだけでは十分とは言えません。老後にいくら必要かという議論は今後も続いていくかとは思います。しかし、「いくらあれば大丈夫だ」という回答は人によって異なるのは当然です。老後に必要な金額は「平均像」では語ることはできません。自分がどのような生活をしたいのか、また家族構成がどうなっているのか、年金収入はいくらあるのか、というような要素が異なってくるからです。

そうした要素を考慮した上で、預貯金とは別の選択肢として例えば、株式投資や投資信託での運用を考えることが必要になってくるでしょう。これは、先に大学生のケースで述べたように、時間を味方につけることで選択肢を増やすことができます。

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まとめにかえて

学生時代から社会人まで資産形成について見てきましたが、どの段階でも目の前の欲求を満たす為にお金を使い切るのではなく、計画を立てて、お金を貯めるという経験を積むことが重要です。

また、高校生以降は、貯めたお金を増やすという経験を実際に積んでいくべきでしょう。自分でお金を増やすということをしないと、冒頭で触れた老後の資金が足りない問題は、もはや解決できない時代に入っているのではないでしょうか。

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・投資は収益期待がある一方で、値下がり・元本割れの可能性もあり、その損益はすべてお客さまに帰属します。したがって、お客さまの状況等によっては、資金使途に照らして必ずしも投資が適した選択肢となるわけではない点にご留意ください。

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三菱UFJ国際投信株式会社

金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第404号/一般社団法人投資信託協会会員/一般社団法人日本投資顧問業協会会員

(Photo:三菱UFJ国際投信-stock.adobe.com)

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