株式投資で収益を上げるにはどうしたらよいのでしょうか。そのための方法や仕組みなどはあるのでしょうか。今回は、一般的な方法を整理してみましょう。
株式投資の醍醐味とは
一口に株式投資といっても、実はその収益を手に入れる方法は様々です。株式投資を通じて個人投資家が収益を手にするには、大きく3つの手段が挙げられます。
一つには株価が上昇し、購入した価格より高く売却をすることで手にすることができる売却益(キャピタルゲイン)。次いで挙げられるのが、配当を実施する銘柄を保有することで得られる配当収入。そして、最後に挙げられるのが株主優待です。
株主優待を実施する銘柄を保有することで、株主優待サービスを楽しんだという個人投資家の方も多いのではないでしょうか。株主優待もクオカードなど現金同等物ともいえる内容もあり、時には「優待利回り」なるキーワードも飛び交いますが、ここでは、3つのうち、株式投資で収益が得られる典型的な手段としての「売却益」と「配当収入」について見ていきましょう。
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株式投資の最大の醍醐味はやはり株価上昇
株式投資をされる方の最大の目的は、自分が投資した銘柄の株価が大きく上昇し、その含み益が大きくなり、そして実際に売却した際にその売却益を手にするということではないでしょうか。
銀行の預金口座にお金を預けていても金利はほとんどつかない環境が続いていますが、株式投資ではうまくいけば数十%という収益を手にする可能性はあります。
では、株式投資で収益を上げる銘柄を見出すためにはどうすればよいのでしょうか。
まずは、重要なのが、当たり前なのですが「高い株に手をださない」ということです。このように言うと「当たり前のことを言うな」と指摘を受けそうですが、「高い株」とは何をもって高いのでしょうか。
機関投資家と呼ばれるプロ投資家の中でもアナリストは、上場企業やその企業が属する産業を調査し、企業の将来収益を予想することを行います。その中で、アナリストのもっとも重要な仕事は株価の判断です。
バリュエーションと呼ばれる株価の評価軸、たとえば、PER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)などをもとに、その銘柄の現在の株価が将来の収益やバランスシートと比較して割高なのか割安なのかを判断します。「高い株」というのはバリュエーションで割高であることを意味します。
バリュエーションは、個人投資家には一見わかりにくいかもしれません。業績が好調な企業の株式を無条件に買うというものではありません。たとえば、どんなに業績が好調でも、その企業の将来の収益の伸び幅を株価が織り込んでいる場合には、バリュエーションで見て割高と判断し、投資をしないということもあります。
その一方で、現在業績が良くなく、株式市場ではほとんど評価されていない銘柄だけでも、将来の収益やバランスシートの状況と比較して割安だと判断すれば買うことがあります。
アナリストは業績の良い銘柄を探し出すのが仕事のように見られることもありますが、本来の仕事は株価の判断です。
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グロース株もバリュー株もバリュエーションが必要
メディアなどでは「PERが15倍以上の株には手を出すな」、「PBRが1倍以下の株を買え」などというフレーズを目にしますが、実は、プロの投資家からすれば、あまり意味がないフレーズともいえます。
なぜかといえば、銘柄ごとに当然会社の状況は異なり、利益成長率も異なります。利益成長率が高い企業の場合には、株式市場の平均値としてよく引き合いに出されるPER15倍よりもPERが高くても当然です。
また、PBRが1倍以下でも、将来赤字が出るとみられており株主資本が現在の水準よりも減額すると想定される場合には、株式市場がその可能性を事前に織り込んでおり、PBRが1倍以下ということもよくあります。
個人投資家がプロ投資家のようにバリュエーション分析をこまめに行えるかどうかという点には議論はありそうですが、市場参加者の一部がこのような作業により多くの時間を割いて投資判断をしているということは頭に入れておいてもよいでしょう。
株で収益を上げるためには、株式市場がその銘柄の評価をまだ織り込んでいない割安な株価で購入することが効率的です。そのためにも、バリュエーションの基礎知識は知っておいてもよさそうです。
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配当も侮るなかれ
最後に配当についても見ておきましょう。
配当は基本的に、各決算において、計上された利益の中から株主に配分されます。つまり、配当が出せる会社は利益を出しているともいえます。
もっとも、まれに、損失にもかかわらず配当を出している企業もあります。そうした企業はバランスシートに現預金や有価証券を保有しており、一時的な業績の悪化であれば安定的な配当を実施する方が株主に喜ばれるであろうという判断で配当を行っていると思われます。
「株式投資で配当狙い」というと、非常に保守的な投資家をイメージする方もいるかもしれません。しかし、日本の企業の中には、増益を続けながらその配当額も増やし続けている銘柄もあります。いわゆる増配銘柄です。その場合には、業績拡大とともに株価も上昇していることもあるでしょうし、また、配当額も増加し、投資家にとっては2度のうま味を体感することができます。
配当も「配当利回り」という言葉があり、株価に対しての配当額がどの程度の割合かを見ています。こちらも株価次第というとこともありますが、銀行預金の金利と比べると利率が高い銘柄も数多くあります。
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まとめにかえて
一口に株で収益を上げたいといっても、キャピタルゲインか配当収入か、または両方かなど様々です。
ただ、それはいずれのケースにしても各銘柄の業績やバランスシート、そしてバリュエーションの分析が欠かせません。株式投資の事前の準備としてこうした知識を頭に入れておきたいものです。
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三菱UFJ国際投信株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第404号/一般社団法人投資信託協会会員/一般社団法人日本投資顧問業協会会員
(Photo:三菱UFJ国際投信-stock.adobe.com)
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