子育ての悩みを一人で抱え込んでいませんか?家族で話し合い、共有するためのきっかけが見つかる本5選

子育ての悩みを一人で抱え込んでいませんか?家族で話し合い、共有するためのきっかけが見つかる本5選

子育てにはこれといった正解がないからこそ、漠然とした不安がつきものです。今の時代、インターネットを使えばたくさんの情報を得ることができますが、インプットした情報量の多さのあまり、かえって混乱をまねくことも少なくありません。

そんな時にふと立ち止まって、今後の子育てや暮らし方、またお金について自分はどうしたいのか、ご家族はどのように考えているのか。目に見える形にすることで、漠然とした不安を明らかにし、家族と問題を共有するきっかけになるかも知れません。
そこで今回は、そんな悩みのお役に立てそうな5冊の本をご紹介してみたいと思います。

親子が離れて過ごすことは可哀そう?罪悪感から解放してくれる一冊

子どもはみんな問題児。』中川李枝子著 新潮社

妊娠が発覚して嬉しい反面、仕事はどうする?とよぎる不安…働く女性にとって悩ましい問題です。国立社会保障・人口問題研究所が行っている調査*1によると、出産後に退職している女性は減少傾向にあるものの、いまだに46.9%と約半数の女性が退職していることが明らかにされています。

『ぐりとぐら』でおなじみの中川さんは、かつては保母さんとして保育園で勤務されていました。そんなご経験から声を大にしておっしゃるのが、保育園はけっして可哀そうな場所ではないということ。出産後、復帰後、また子どもが保育園に行きたがらない時…このまま働き続けてよいのだろうかということは働くお母さんにとって、何度となく考えさせられる問題だと思います。そんな迷った時に、もう少し頑張ってみようと勇気をくれる一冊です。

退職を決断してしまう前に、一度ライフプラン表を書いてみるのもオススメです。収支を目に見える形にすることで、どのタイミングが頑張り時で、何年後に働き方を変えてみたいのかがより現実的なものになり、今後のパートナーの理解も得やすくなるはずです。

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子どもとの向き合い方を変える 勇気の一冊

嫌われる勇気―自己啓発の源流「アドラー」の教え』岸見一郎、古賀 史健著 ダイヤモンド社

2013年の刊行後から発行部数を伸ばし、2018年においてもベストセラー入り、と現在でも多くの人に読まれています。実は子育てに関する考え方についても書かれている本書。
子どもが何か壁にぶつかった時、見守った方が良いとわかっていてもつい手を出したくなる、そんなことはありませんか?こちらの本では決して手を出さず見守ることの重要性が語られています。

“勉強することは子どもの課題です。そこに対して親が「勉強しなさい」と命じるのは、他者の課題に対して、いわば土足で踏み込むような行為です。これでは衝突を避けることはできないでしょう。われわれは「これは誰の課題なのか?」という視点から、自分の課題と他者の課題とを分離していく必要があるのです。” *2

ビジネス書として扱われる本書は男性も手にとりやすいので、子どもへの声かけや接し方をどうやってそろえていくのか…ご夫婦で話し合うきっかけにいかがでしょうか。

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いそがしい毎日だからこそ、時間やお金との向き合い方を見つめ直す一冊

登場人物のうちの一人は小学生と保育園に通う子どもを持つワーキングマザーです。
仕事・家事・育児にめまぐるしい日々を送り、ふとこれは本当に自分が望んだ生活なのかと自問します。そこで、著者が語るのが仕事のみならず、育児や家事においても「生産性」が必要だということ。作中のワーキングマザーのケースでは、お金を払って家事代行を頼むという選択肢もありますが、ついつい全部自分で抱え込んでしまう。生産性をより高めるためには、何にお金を使えばよいのかを考えるヒントとして、こういった例が挙げられています。

“家計簿をつける目的としては、貯金や節約、無駄遣いの抑制などが挙げられます。でもここではちょっと発想を変えて、「先月(orこの半年で)もっともお金が有効活用された支出はなんだったか?」という視点で、お金の使い方を振り返ってみてください。無駄遣いをあぶり出すのではなく、もっとも有効に使われた支出=もっとも生産性が高かったお金の使い途をリストアップするのです。」” *3

「自分がやるべき」という思い込みで「浪費」と捉えてしまいがちな、炊事や掃除のサービスについても、時間の軸を加えることで「投資」になり得る、と発想の転換をさせられる一冊です。

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旅は子どもが育つチャンスがたくさん!旅行の計画を立てたくなる一冊

大変と思われがちな子どもと一緒の家族旅行。本書では、飛行機や新幹線でどう過ごすかのアドバイスから子育てに「旅」をどう役立てるかまで、家族で旅行を楽しむノウハウがたくさん詰まっています。旅による育児の効果「旅育」としては、旅先でのちょっとした計算などで数字に強くなるということ。

“身近な成功体験を重ねると、数字に自然と興味が湧き、計算にも自信を持つようになります。算数の計算練習は「なぜこれをする必要があるのか?」が子どもにはわかりにくいと感じます。生活の中で計算が必要な場面を知り、実践で考えることも、数字を好きな子になるために大切です。” *4

「旅育」は計画を立てる段階から始まっているそう。さて、2019年のゴールデンウイークは最大10連休です。ぜひご家族全員で、どんなところに行ってみたいのか話し合ってみてはいかがでしょうか。

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育児にかかるお金の不安を解消するために ライフプランを考える一冊

結婚一年生 2019年版』入江久絵著 サンクチュアリ出版

妊娠や出産にかかる費用ってどのぐらい?公立・私立の選択で学費はどのぐらい違うの?等身近な疑問が書かれている一冊。巻末にはライフプランシートも綴じてあり、読み進めながら書き込んでみることもできます。「ライフプランニング」と耳にはするけれど、大変そうで作成したことがないという方に、初めの一歩としておすすめの一冊です。

こういった表を作成するにあたり、収支を把握することは大切ですが、必ずしも削減することばかりが目的ではありません。例えば、3年後のマイホーム購入に向けて、もしくは5年後の海外旅行に向けて等、目標の設定次第では、お金を準備するモチベーションがぐっと変わってくるはずです。

結婚後、二人きりで過ごしていた時はそこまでではなかったのに、習い事や進路など子どものこととなると、熱心だからこそ夫婦で意見が割れることもあります。将来の貯蓄の目標を立てる上でも、一つ一つの意見を夫婦ですりあわせていくことがより重要になってきます。
今回ご紹介してきた本をきっかけに、子どもと過ごす時間や働き方、休暇の過ごし方、育て方など日頃からご家族で話し合う時間をぜひたくさん持ち、共有して頂ければと思います。

*1
出所)国立社会保障・人口問題研究所「第15回出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)平成27年(2015年)結果

*2
出所)『嫌われる勇気―自己啓発の源流「アドラー」の教え』 岸見一郎、古賀 史健著 p140

*3
出所)『自分の時間を取り戻そうーゆとりも成功も手に入れられるたった1つの考え方』ちきりん著 p108

*4
出所)『家族旅行で子どもの心と脳がぐんぐん育つ 旅育BOOK』村田和子著 p109

(Photo:三菱UFJ国際投信-stock.adobe.com)

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