お肌の専門家がアドバイス! 忙しいからこそ大切にしたい「子どものスキンケア」

お肌の専門家がアドバイス! 忙しいからこそ大切にしたい「子どものスキンケア」

ママになったら、誰もが気になる「⼦どものスキンケア」。「資⽣堂」の栗⾕典⼦さんにお話しを伺いました。

赤ちゃんもスキンケアは必要?

― 赤ちゃんは、「赤ちゃん肌」と言うぐらい肌がきれいですよね! それでも、スキンケアは必要なんですか?

栗谷:そうですよね。赤ちゃんの肌は、すごく柔らかくてきれいなイメージを持たれがちですが、大人に比べると皮脂量や水分が少なくて、バリア機能も低くデリケートな肌なんですよ。本来の肌を維持していくためには、毎日のスキンケアがとても大切なんです。肌が痒かったり何かトラブルがあると、赤ちゃんは自分でどうしようもできないので泣いたり不機嫌になることもあります。
また、スキンケアはスキンシップでもあります。実は、赤ちゃんと向き合いコミュニケーションを深められる素敵な時間なんですよね。

― なるほど! スキンケアの時間を大切にしたくなりました。 赤ちゃんに必要なスキンケアは、大人と同じですか?

栗谷:そうですね。
1.肌を清潔に保つ(洗浄)
2.うるおいを与える(保湿)
3.紫外線のダメージから守る(紫外線防御)
この3つが大切です。
保湿はもちろん大切ですが、肌を清潔にして、紫外線から身を守ることも肌のために大切なこと。これらの3つのポイントをしっかりおさえれば、赤ちゃんに優しい、効果的なスキンケアができるんですよ。

― それでは、まず洗い方のポイントから教えてください。

栗谷:はい。赤ちゃんの肌に合った洗浄料で、優しく、ていねいにすすぐ。これが基本です。

<洗い⽅のポイント>

1.洗浄料を選ぶ

  • 洗浄料は低刺激のもので赤ちゃんの肌に合うものを選ぶ
  • 洗浄料はよく泡⽴てること。泡タイプのものを選んだり、泡⽴てネットを使うのもおすすめ

2.やさしく洗う

  • 赤ちゃんの場合は、素手で洗ってあげる
  • 泡をからだにぬるだけでなく、手のひらと指の腹でやさしくていねいに洗っていく
  • 腕や脚のくびれや耳のうしろ、指の間なども忘れずに

栗谷:だっこしながらだと難しいので、赤ちゃん用のバスチェアを使う方も多いですね。

3.ていねいにすすぐ

  • シャワーを使い、腕や脚のくびれやしわを伸ばしながらよくすすぐ
  • 洗浄料が残ると肌を刺激するもとになるので、きちんとすすぐ

4.水分をふき取る

  • やわらかいタオルでこすらず、そっと押さえるように水分をふき取る

栗谷:私は、バスタオルの上に寝かせて包み込むようにして水分をふき取っていました。安定しているのでふき取りやすいですし、子どもが冷えてしまうこともないのでおすすめですよ。

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季節や肌の状態に合わせた保湿剤を選ぶことが大切

― 保湿は、どんなものを使えば良いですか?

栗谷:ワセリンやクリーム、乳液、ローションなどいろいろな種類がありますよね。赤ちゃんの肌の状態や、季節に合わせて選んでみると良いと思います。例えば乾燥しやすい秋や冬は、油分の多いクリームを使ってみたり、暑い日はローションを使ってみたり。気温差の大きい日は、1日のうちでも肌の状態が変わることもありますよ。1年を通じて、しっかり保湿をしてあげてください。

― なるほど!赤ちゃん用の保湿剤を何種類か用意しておくと便利かもしれませんね。
保湿剤を塗るタイミングは、お風呂上りが良いのでしょうか?

栗谷:そうですね。あまり乾燥していない季節であったり乾燥しやすい肌でなければ、お風呂あがりに1回でも十分ですね。乾燥が気になるときは、朝起きたときや着替えのときなどにぬるのがおすすめです。外出前にぬると、外の刺激から守る効果もあります。ただ、あまり難しく考えずに、生活スタイルに合わせて、気になるときにこまめにぬってあげてくださいね。

<保湿剤の塗り方のポイント>

  • 顔やおなか、背中、手足など、部位ごとに全⾝にぬる
  • ぬりたいところに保湿剤を何ヶ所か置いて、手のひらをすべらせるようにぬり拡げる
  • しっとりするくらいが目安
  • ⾸や耳、わき、手⾸、ひざの裏、足⾸などのくびれた部分にもぬり忘れがないように注意

栗谷:私は、優しくマッサージするようにぬってあげていました。毎日ケアを続けていると、肌の状態の変化にも気づくことができますよ。

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必要に応じて乳幼児用の日焼け止めを

― 出かけることが増えてくると、紫外線対策も心配です・・・

栗谷:はい。バリア機能そのものが弱い肌なので、大人なら大丈夫でも、赤ちゃんや子どもにはダメージがあることもあります。でも、紫外線に当たらないように外出を避けるというのは、赤ちゃんや子ども、ご家族にとって残念ですよね。必要に応じて乳幼児用の日焼け止めをぬってあげましょう。落とすときは、洗浄料を使って、日焼け止めが肌に残らないように洗い流してくださいね。

<日焼け止めの塗り方のポイント>

  • 乳幼児用の日焼け止めを選ぶ
  • 2~3時間ごとにぬり直す
  • 腕や足など広範囲にぬるときは、ぬる部分に線をかくように出し、手のひら全体を使って大きく円を描くようにぬり延ばす

栗谷:日焼け止めを肌に広げると透明になって、ぬれているかどうか分かりにくいことがあります。むらなくぬるためには、この方法がおすすめです。
※湿疹があるときに日焼け止めをぬる際は、医師に相談しましょう

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工夫してストレスをためない!

― ありがとうございます。とても勉強になりました!
でも、続けるのはなかなか大変そうです。。。

栗谷:そうなんです笑。私も余裕がなくて、子どものスキンケアをしないまま寝かせてしまうという日が数日続いたときがありました。すると、子どもの肌が乾燥がひどくなって赤く肌荒れの状態になってしまったんですね。そういう状態の肌は通常のスキンケアではダメで、まずは薬を塗って治さなければならなくて。子どもも痛そうだし機嫌も悪くなってしまって、すごく反省しました。。。それからは、「洗う、ふきとる、保湿する」をスムーズにできるように、必要なものをあらかじめセットするようにしたら、時短にもなりましたし習慣化できるようになりました。

― 仕事の段取りみたいですね!

栗谷:本当ですね!いかに効率よくストレスなくできるか、自分なりに工夫してみると良いのかもしれませんね。

― 慣れない生活で、自分のこともままならないときは・・・

栗谷:私もそうでした。ゆっくり自分のケアをするなんて、とてもとても。それよりも眠りたい!という感じでした。でも、スキンケアの時間は自分と向き合う時間なんですよね。ほんの少しでも鏡を見る時間をつくることが大切だと思います。しなきゃ、やらなきゃ、だとストレスになってしまうので、私は時短の化粧品に切り替えてみたり、肌の調子がぐっと良くなって気持ちもアップするような高機能な化粧品を買ってみたりしました。

― 栗谷さんもそうだったんですね!
あと、妊娠中や出産後は、身体にも変化があって大変ですよね。

栗谷:そうですよね。妊娠中は、女性ホルモンの分泌量が、なんと普段の100~1000倍に増えるんですよ。そして出産後にはその量が急激に減少します。この、出産前後の急激な変化が肌に影響を与えて、乾燥などのトラブルにつながったり、出産後に髪の毛が多く抜けたりします。私も、ホルモンバランスの影響で一時的なものなんだと分かっていても、気持ちが沈んだりしました。皆さんには、焦らず、ストレスをためずに過ごしていただけたらと思います。

― 妊娠中も育児中も、ストレスをためずに前向きに過ごしたいですね。
ありがとうございました!

栗⾕典子さん(資⽣堂・IR部)

2010年に広報部からIR部に異動後、妊娠、出産を経て2012年4⽉に復職。現在は小学校2年生の女の子の母でありながら、IR部にて投資家向けIRコミュニケーションツールの作成やIRサイトの運営を担当するワーキングママ。

(Photo:三菱UFJ国際投信-stock.adobe.com)

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