子どもの教育資金をどのように準備するべきかと頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。今回は学資保険とつみたて投資を活用した教育資金の準備について考えてみたいと思います。
そもそも学資保険とは
学資保険とは、こども保険ともよばれ、親に万が一のことがあっても教育資金を準備できるようにしておくための保険です。
学資保険は、満期になると払い込んだ保険料に応じて満期保険金を受け取ることができる保険です。満期までのイベント(小中高校の入学時、18歳など)ごとに、満期に受け取る保険金の一部を「祝い金」として先払いで受け取ることができるものもあります。また、親などの契約者が保険料払込期間中に死亡した場合には、その後の保険料の払い込みが免除されます。このように親が子どもの将来の教育費を準備しておくという意味では、保険としても、貯蓄としても活用できる金融商品と言えるでしょう。
学資保険の受取保険金の返戻率(へんれいりつ)は契約内容や保険会社によって異なりますが、払い込んだ保険料の合計よりも受取保険金の合計が多くなるものが一般的です。(ここでいう、返戻率とは、受取保険金を払い込んだ保険料総額で割った割合のことをいいます。)
たとえば、A社の学資保険は、契約者30歳、被保険者0歳、受取保険金:200万円、保険料の払込期間:10年、月払い、保険期間:22歳満期、18歳~22歳まで毎年40万円受取という契約条件で、毎月の保険料は15,540円、払込保険料総額は1,864,800円であり、返戻率は107.2%となっています。
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学資保険だけで教育費は十分なのか
上記の例をみて、「22年で7%しか元本(保険料合計)が増えないのか」と感じる人もいれば、「現在の金利水準を考えれば、22年で7%も増えれば御の字」と感じる方もいるでしょう。
もっとも、学資保険は先に見たように、親などに万が一のことがあった時の保険としてみれば、積み立てる保険料のリターン(利回り)を突き詰めるというのも、本来の趣旨と異なるという考え方もあるでしょう。
また、子どものための教育資金は、公立に進学するのか、私立に進学するのか、大学卒業までを考えるのかなどでその準備額も大きく異なってきます。
もし、リターンについても求めるのであれば、株式や投資信託といったリスク資産への投資についても検討する必要があります。
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国立大学を卒業するのにも500万円は必要
日本政策金融公庫によれば、国立大学の4年間で約500万円、私立の理系では約810万円、私立の文系では約740万円必要とされています。その前提に立てば、国立大学でも年間で約130万円も必要となる計算です。
出所)日本政策金融公庫「平成 29年度「教育費負担の実態調査結果」」
国立大学への進学を前提に、学資保険だけで500万円を用意するというのも一つの選択肢です。ただし、学資保険は途中で引き出すことができません。途中で引き出す場合には、解約することとなり返戻率が満期まで待った場合と比べ低くなってしまうことがあります。このため、「想定外の進路の変更」には対応しにくいというデメリットがあります。
こうしたデメリットを解消し、少しでもリターンを求めたいという方は、学資保険とつみたて投資の組み合わせを考えてみてはいかがでしょうか。
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教育資金をリスク資産で運用するという選択肢
資産運用において大事なのは、どの程度のリスクを許容することができるのかということです。一般的に、大きいリターンが期待される資産はリスク(値動きのブレ幅)も大きく、反対にリスクが小さい資産は期待されるリターンも小さくなる傾向があります。
たとえば、米国を代表する株価指数であるダウ平均株価はここ10年で3倍近くになっています。2008年末には約8,800ドルであった水準が、2018年末には2万3,000ドルに近い水準になっています。
ダウ平均株価は米ドル建てです。したがって日本国内の教育資金を考える際には本来は為替レートも考慮し、円換算で考えなければなりませんが、ここでは計算を簡単にするために、為替レートの変動を考慮せず考えてみましょう。
ざっくりいえば、先ほどみた学資保険で500万円を用意しなければならないケースでは、10年前に200万円程度をダウ平均株価に投資しておけばよかったということになります。これは結果論ではありますが、長期で資産価格が値上がりする資産に投資をすることができれば、効率的に教育資金を準備することも可能です。
ただし、先ほどお伝えした通り、大きいリターンが期待される資産はリスクも大きくなる傾向がありますので、大きな損失を被る可能性もあるということには十分留意が必要です。先のダウ平均株価の過去10年の例をみると、期間内に最大約2割下落したケースがありました。リスクのある商品への投資はタイミングが重要になるため、タイミングが合わなければ大きな損失をしてしまうこともあります。
そこで、「つみたて投資」の活用が考えられます。(目次へ戻る)
まとめにかえて
教育資金をどの程度準備しておくべきかは、ご家庭によってそれぞれでしょう。ただし、金額が増えれば増えるほど、現在の超低金利下では預貯金や学資保険だけで準備をすることに対するハードルは高くなると考えられます。そういったケースでは、「つみたて投資」との組み合わせという選択肢も一手ではないしょうか。
(Photo:三菱UFJ国際投信-stock.adobe.com)
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三菱UFJ国際投信株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第404号/一般社団法人投資信託協会会員/一般社団法人日本投資顧問業協会会員
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