老後資金の節約、住環境で見直すことはできる?

老後資金の節約、住環境で見直すことはできる?

老後を安心して暮らすための資金繰りについて気になる人は多いことでしょう。

若い頃からどう資産形成していくかも重要ですが、一方で老後の生活費をいかに抑えられるかについても考えてみるのはいかがでしょう。

このうち、住環境を変えて老後の生活費を抑えるというのも一つの方法です。

住宅ローン、家賃の平均支払額

現在の住まいに、どのくらいお金がかかっているでしょうか。
今は賃貸で今後住宅の購入を考えている、あるいは購入した、と住宅に関する計画は人それぞれですが、住宅ローンの返済や、家賃の支払いは全国平均で以下のようになっています。

出所)国土交通省「平成30年度住宅市場動向調査報告書 住宅ローンの年間返済額」を基に三菱UFJ国際投信作成

戸建で年間平均116.7万円(年収の17.5%)、マンションでは平均130.9万円(年収の16.4%)となっていますが、マンションの場合はこれに管理費や修繕積立金の支払いがありますから、年間の負担はもう少し増えると考えて良いでしょう。

次に、借家の場合の家賃です。

出所)国土交通省「平成30年度住宅市場動向調査報告書 月額家賃」を基に三菱UFJ国際投信作成

平成30年度では、月平均で77,422円、上乗せされる共益費は平均で4,472円となっています。

また、住宅ローンでは分譲住宅で59.1%、マンションで52.9%の人が、支払いに「負担感がある」と答えています。
借家の家賃についても、54.9%の人が「負担感がある」、としていて、人によっては住宅にかかる費用が家計を圧迫する要因のひとつになっていると考えられます。

しかし、住宅ローンや家賃はなるべく抑えたい、できれば貯蓄に回したい、と考えても、通勤の利便性や日々の暮らしを考えるとそうもいかないのが現状でしょう。

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老後を具体的に考えてみる

さて、老後は収入が減ります。
厳密に言えば、老後というよりは60歳を越えると賃金が下がる、という傾向にあるようです。*1

今、住宅ローンを抱えている人は、概ね返済期間が30~35年、60歳~65歳で完済、というプランが多いことでしょう。そして、返済に当たって次のような工夫をしている人も少なくありません。

ひとつは、ボーナス時に多めに支払い、少しずつ繰り上げ返済をしていくパターンです。
あるいは、退職金で残りを一括支払いする、と考えるパターンです。

ただ、定年が伸びている傾向にあるからといっても、賃金については上記のような傾向がある以上、勤続年数の延長で収入や退職金を計算してしまうとリスクが伴います。

老齢年金の受給についても今後変わる可能性がありますので、退職金はローン支払いの計算に入れず、ある程度は残しておき、かつ、生活費全体を減らせる老後のあり方を考えておきたいものです。

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生活の拠点を移す

その中の一つが、地方への移住です。大都市圏に比べれば、住宅費は一般に下がる傾向があります。
地方への移住は、生活費以外の部分にも魅力を感じる人も少なくありません。
地方自治体の中には、シニアを含め他からの移住者を支援する制度を設けているところが増えています。

例えば、山形県では、移住や就業に当たって最大100万円の支援金を支給しているほか*2、佐賀県鹿島町では、対象となる空き町屋に5年以上居住したり店舗などを営業する場合には、改装費の一定割合を200万円補助するというものもあるなど*3、とくに住環境の優遇で人を呼び込もうとしている自治体が多く見られます。

また逆に、若い人を呼び込み、20年、25年と居住すれば、その土地を無償で譲渡するというところもあります。たくさんの自治体がプランを提供していますので、一度調べてみるのもよいでしょう。

このように、補助金の支給といった直接的な形を取るところもありますし、老後のもう一つの不安要素である「仕事」「安心できるコミュニティ」「見守り」といった面で様々な工夫を凝らし、地元で一つの経済圏を構築したり、孤立しない生活環境を作ろうという動きは加速しています。

また、将来、介護について気になるという人もいるでしょう。
現在、地方では、医療機関や趣味の施設などを同じ敷地に持つ集合住宅や住宅地を作り、50代から、そのまま終の住処として入居できるような住宅街を構築しているところもあります。

大きなところでは、フィットネスジムやグラウンド、ビリヤード、カラオケ、などといった施設を敷地内に完備し、同時に居宅介護の拠点も設けているため、健康管理もそうですが、仲間づくりといったソフトの面でも安心して暮らせる仕組みになっています。

もともとはアメリカに多く見られる「CCRC」という形態のコミュニティづくりが手本になっていて、いざ体が不自由になったり判断能力が下がったりしてから慌てるのではなく、まだしっかりしているうちに、「最後まで」ケアをしてくれるサービス付きの住宅地に、先に移住してしまおう、という考え方です。

このような街づくりは、各地で進んでいきそうです。

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まとめ

老後どこかに移住する可能性を検討すると、今からお金の使い方、住宅ローンがある人はその返済方法など、プランを一度見直してみるのも良いかもしれません

特に、都市部からの移住者を積極的に集めている自治体では、地元の空き家を管理し、希望者に賃貸している「空き家バンク」が整備されているところもあります。
また、国土交通省などにより全国版の空き家バンクも展開されています。こちらでは2019年2月時点で、全国603の自治体にある延べ9000件を超える物件情報が提供されています*4

地方移住に興味を持った場合、まずその土地を一度訪れて、実際の暮らしを見聞きしたり地元の人と交流を持ったりするのも良いでしょう。

*1 出所)労働政策研究・研修機構「データブック 国際労働比較2019」年齢階級別賃金格差

*2 出所)山形県庁「山形県移住支援事業について

*3 出所)鹿島市役所「肥前浜宿空き町家入居促進事業

*4 国土交通省 「全国版空き家・空き地バンク」の更なる情報の充実化

(Photo:三菱UFJ国際投信-stock.adobe.com)

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