3歳からのグローバル教育「国際バカロレア」とは

3歳からのグローバル教育「国際バカロレア」とは

「国際バカロレア資格」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。

これは、スイスに本部を置く教育機関が提供するプログラムを履修した人が、国際的に通用する大学入学資格を与えられるというものです。

グローバルな人材を育成するための独自のカリキュラムが組まれていて、3歳から参加できるコースもあります。

国際バカロレアとは

国際バカロレア(IB:International Baccalaureate)は、ジュネーブに本部を置く「国際バカロレア機構」が世界に提供している教育プログラムで、世界140を超える国や地域で、5000以上の学校が導入しています(平成30年4月1日時点)*1

チャレンジに満ちた総合的な教育プログラムとして、世界の複雑さを理解して、そのことに対処できる生徒を育成し、生徒に対し、未来へ責任ある行動をとるための態度とスキルを身に付けさせるとともに、国際的に通用する大学入学資格(国際バカロレア資格)を与え、大学進学へのルートを確保することを目的として設置されました。

国際バカロレアのプログラムは、生徒の年齢によって教育プログラムが下のように分かれています。

出所)文部科学省「IB教育推進コンソーシアム」を基に三菱UFJ国際投信作成

「国際的な視野」を理念としていて、そのため必要な教育として、年齢によって重点を置くポイントが少しずつ違っています。

  • PYP(3-12歳):精神と身体の両方を発達させることを重視したプログラム。どのような言語でも提供可能。
  • MYP(11-16歳):青少年に、これまでの学習と社会のつながりを学ばせるプログラム。どのような言語でも提供可能。
  • DP(16-19歳):所定のカリキュラムを2年間履修し、最終試験を経て所定の成績を収めると、国際的に認められる大学入学資格(国際バカロレア資格)が取得可能。原則として、英語、フランス語又はスペイン語で実施。
  • IBCP(16-19歳):生涯のキャリア形成に役立つスキルの習得を重視したキャリア教育・職業教育に関連したプログラム。一部科目は、英語、フランス語又はスペイン語で実施。

16歳以降のコースが2つありますが、DPが大学への進学を前提としているのに対し、IBCPは卒業後すぐにビジネスの世界で活躍できるような人材育成を目標にしている、という違いがあります。

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国際バカロレアの授業内容

国際バカロレア認定校になるには、教師などについて一定の条件がありますが、国内でも認定校は増えています。

出所)文部科学省IB教育推進コンソーシアム事務局資料「国際バカロレアについて

実際のカリキュラムの一例は、以下のようなものです。

一般的な学校の授業とは違っています。

出所)文部科学省IB教育推進コンソーシアム事務局資料「国際バカロレアについて

6つのグループに分かれていますが、それぞれのグループから1つずつを選んで計6科目を履修しなければなりません。

授業は基本的に英語、フランス語もしくはスペイン語で行われ、上記表の四角で囲まれた科目のみ日本語での実施も可能となっています。

また、これに加え、

  • 課題論文
  • 知の理論
  • 創造性、活動、奉仕

の3つの必須要件を履修する必要があります。

カテゴリの分け方が一般の学校とは大きく違う上、クリエイティブな分野でも一定の成績を必要とされているのも特徴です。

広い分野に渡る横断的な知識や理解が求められています

日本的な「受験勉強」だけではグローバル人材になれない、という教育方針を反映しているとも言えます。

まだ10代の若者の場合、将来どんな分野で才能を発揮するか未知数の部分もありますので、このようなカリキュラムで早い段階で知見を広げることは、自分の得意なことを見つける良い機会になるでしょう。

そして、国際バカロレア資格のための試験でも、出題形式に特徴があります。

下は、「歴史」科目の問題の例です。

複数の設問の中から2つ選択して回答。 回答に当たっては、20世紀の歴史的出来事やその展開について論述。

(設問例)

  • 「アフリカ又はアジアで21世紀に誕生した国家を1つ選び、
    その主要な国内問題と、それらがどの程度解決されたかを論ぜよ」
  • 「経済社会問題への対応について、2つの多党制 国家の政策を比較対照して論ぜよ」

出所)文部科学省「国際バカロレア日本アドバイザリー委員会 報告書 参考資料集

このような記述問題がメインです。

前提としての「知識」だけでは回答できるものではなく、知識を得ていく過程で深く考え、自分の意見を持ち、かつ、それを自分の言葉で表現する能力が求められています

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国際的な視野を持つ、とは何なのか

国際バカロレア機構は「IBの使命」として、このような理念を掲げています。

「国際バカロレア(IB)は、多様な文化の理解と尊重の精神を通じて、より良い、より平和な世界を築くことに貢献する、探究心、知識、思いやりに富んだ若者の育成を目的としています。
この目的のため、IBは、学校や政府、国際機関と協力しながら、チャレンジに満ちた国際教育プログラムと厳格な評価の仕組みの開発に取り組んでいます。
IBのプログラムは、世界各地で学ぶ児童生徒に、人がもつ違いを違いとして理解し、自分と異なる考えの人々にもそれぞれの正しさがあり得ると認めることのできる人として、積極的に、そして共感する心をもって生涯にわたって学び続けるよう働きかけています。」

出所)文部科学省IB教育推進コンソーシアムHP

そして「国際的な視野を持つ」人物とは具体的にどのようなことなのかを示しています。

  • 探究する人
  • 知識のある人
  • 考える人
  • コミュニケーションができる人
  • 信念をもつ人
  • 心を開く人
  • 思いやりのある人
  • 挑戦する人
  • バランスのとれた人
  • 振り返りができる人

出所)文部科学省IB教育推進コンソーシアムHP「IBの学習者像

知識だけでなく、個人の「資質」の部分にも目が向けられています。
国際的にリーダーシップを発揮できる人物像、とも言えるでしょう。

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まとめ

このような特徴を持つ「国際バカロレア」ですが、日本ではまだ違和感を持つ人も多いようです。

今ある日本の教育プログラムとは性質が大きく違うのも理由の一つでしょう。

ただ、世の中の移り変わりは非常に激しく、「知識がある」だけでは乗り切れない時代がやってくると考えられます。

国際バカロレアは、そのような時代を生きていくためのスキルと資質を系統的に育てていく場所とも言えます。

特に「資質」の部分は、日本では教育プログラムの中というよりは、個人が外で身につけるもの、場合によってはすでにあるもの、自然と身につくもの、などと考えられている向きがあります。

これに対して国際バカロレアは、資質を見出し、育てるという部分も学校教育の中で請け負うシステムを備えています。

文部科学省の専用サイトに、「AirCampus」として、国際バカロレアに関する動画や授業風景が一部紹介されていますので、一度覗いて見るのも良いでしょう。

(Photo:三菱UFJ国際投信-stock.adobe.com)

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