「資産運用でもっとも怖いのは株価の暴落」という方も多いのではないでしょうか。今回は、株価が暴落した際、投資初心者はどうすればよいのか、どう向き合っていけばよいかについて考えてみたいと思います。
株価の暴落とは
一口に株価の暴落といっても、「株価が何%下落したら暴落」という明確な基準はありません。1日の取引で10%も株価が下落しても暴落といえますし、1年かけて株価が半分になっても暴落といえるでしょう。とはいえ、株式市場の歴史を振り返ってみると、誰もがすぐに思い出すことができる記憶に残る暴落がいくつかあります。
日本のバブル経済が崩壊した後-1990年代をみても、海外での出来事を契機とした株式市場の暴落は実は何度も起きています。
1990年後半にタイを中心に起きたアジア通貨危機、また2000年はじめのITバブルの崩壊。そして世界中の多くの金融機関を巻き込んだ2008年のリーマンショックというように、短ければ数年に1度、また長ければ10年に1度程度の頻度で暴落がありました。
記憶に新しい暴落といえばリーマンショック後の株価の下落ではないでしょうか。海外で起きた出来事とは言え、日本市場への影響は大きかったといえるでしょう。資本市場はグローバルでつながっているということを表しているともいえます。
リーマンショック前はサブプライムローンバブルの影響もあり2007年にはTOPIX(東証株価指数)が1,700ポイント台をつけました。しかし、リーマンショックが起きた2008年を挟み、2009年にかけては800ポイントを割るまでになりました。ざっくりいうと株価が半分近くになったわけです。その頃投資をしていて大やけどをしたという記憶の方もおおいのではないでしょうか。
こうみると、「投資初心者はリスクのある資産に投資すべきではない」という結論に陥りがちなのですが、必ずしもそうとは言い切れません。それはなぜでしょうか。
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株式市場は上下を繰り返しながら上昇する?!
米国を代表する株価指数であるS&P500を見てみましょう。リーマンショックの震源地ともいえる米国の株式市場ですが、サブプライムローンバブルに沸いた2007年には1,500ポイントをつけていました。しかし、リーマンショックをきっかけとして暴落。2009年には700ポイント前半にまで達しました。こちらも先ほど見た日本のTOPIX同様に半分近くの株価となってしまいました。
しかし、その後のS&P500はどうでしょうか。リーマンショックから10年後の2018年には2,900ポイントをつけ、株価指数は最安値から4倍近くにまでなっています。米国の長期の株式市場の株価を確認したことがある方は、この大きな上昇局面をご存知の方もいるのではないでしょうか。
こういうと「好調だったのは米国の株式市場だったからだろう」と指摘する人もいますが、そうではありません。TOPIXもアベノミクスを挟みながら、2018年はじめには1,800ポイントをつけるなど、リーマンショック後の最安値から見れば2倍以上にはなっていることになります。
「シクリカルグロース(循環成長)」という言葉もあるように、経済は循環をしながら成長をしていく過程の中で、株価指数も上下を繰り返しながら上昇していく特徴もあるというのを頭に入れておいてもよいでしょう。
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暴落もチャンスに変え得る投資法
では、こうした株式市場の特性を考慮して、投資家はどのように投資と向き合っていけばよいのでしょうか。
その一つの解答が、ご存知の方も多いかもしれませんが、「ドルコスト平均法」と呼ばれる方法です。ただ、ドルコスト平均法のメリットは理解できるものの、投資の初心者が毎月、一定金額を投資するということができるのだろうかと考える人もいるのではないでしょうか。その際に立ちはだかる問題は大きく2つあります。
ひとつは、単純に投資をするのを忘れてしまうという問題。そして、もう一つは、株価が大きく下落した時に、躊躇せずに投資を続けられるのかという問題。この2つをクリアした時にドルコスト平均法の恩恵を十分に受けることができます。
つみたて投資は暴落をチャンスに変えるソリューション
では、先の問題をクリアするために良い方法はあるのでしょうか。
個別株式に投資をしようとすると、銘柄ごとに単元株数が決められているため、最低投資金額が数十万円を超えることも少なくありません。これでは、定期的に買い付けようといってもなかなか続けられないという人も多いでしょう。
もちろん、ミニ株のように単元株数以下での売買も可能ですが、投資金額の融通という面では投資信託を活用する方が便利といえるでしょう。
金融機関によっては、つみたて投資のサービスが充実しており、毎月自分で設定した金額を自分で設定した好きなタイミングで定期的に投資することが可能です。毎回の投資金額を自分の資産に対して大きな影響を与えない範囲で設定しておけば、市場が暴落したとしても、投資を続けることができるのではないでしょうか。
(Photo:三菱UFJ国際投信-stock.adobe.com)
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