日本株投信で資産形成を始めるために 投資信託の種類や新NISAの活用法、資産運用のコツを徹底解説

日本株投信で資産形成を始めるために 投資信託の種類や新NISAの活用法、資産運用のコツを徹底解説

日本株投信とは、上場している日本企業の株式に投資をする投資信託です。個別株への投資とは異なり、少額から複数の銘柄に分散投資できるため、リスクを抑えながら資産形成を目指せるのが魅力です。
この記事では、日本株投信の種類や選び方、新NISAでの活用法、そして資産運用のコツなどを、投資初心者の方にもわかりやすく解説します。

※日本株投信:「国内株式型投資信託」の略称として本稿では用いています。
※投信:「投資信託」の略称として本稿では用いています。

日本株投信ってどんな種類があるの?

日本株投信は、投資対象や運用方針によってさまざまな種類があります。ご自身の投資目標やリスク許容度に合わせて選ぶことが大切です。

1. 投資対象による分類

  • 日経平均株価やTOPIXなどの指数に連動するインデックス型投信:
    株式市場全体を表す株価指数等の値動きに連動する運用成果を目指す投信です。低コストで手軽に始められ、商品性もわかりやすいものが多いのが特徴です。
  • 特定のテーマや業種に投資するテーマ型・セクター型投信:
    AI、EV、半導体など、成長が期待される特定のテーマや業種に絞って投資する投信です。テーマ性や時流に乗って高いリターンを狙える可能性がありますが、リスクも大きくなる傾向があります。
  • 成長株や高配当株にフォーカスするなど特徴あるアクティブ型投信:
    ファンドマネージャーが独自の分析に基づき、割安な銘柄や成長性の高い銘柄、配当性向の高い銘柄等を選定して投資します。これらアクティブ投信は、インデックスを上回るリターンを目指しますが、相対的に運用コストが高くなる傾向にあります。

2. 運用方針による分類

  • バリュー株投信:
    企業の本来の価値に比べて株価が割安と判断される銘柄に投資します。
  • グロース株投信:
    今後高い成長が期待される銘柄に投資します。
  • 高配当株投信:
    安定的に高い配当を出す銘柄に投資します。

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日本株投信を選ぶためのポイント

数多くの日本株投信の中から、ご自身の投資目標に合ったものを見つけるためには、いくつかのポイントがあります。

1. 過去の運用実績はもちろん、ベンチマークとの比較も重要

まず、過去の運用実績を確認しましょう。なぜなら、その投信が商品性に沿って運用した結果であり、リターンやリスクの程度がどれくらいなのかを直接計れる物差しだからです。次に重要なのが、ベンチマークや参考指数に対して、どの程度のリターンを上げているかです。インデックス型投信であればベンチマークとの連動性を、アクティブ型投信であればベンチマークを上回るリターンを継続的に出せているかを確認しましょう。

2. 運用コスト(信託報酬)や購入時手数料をチェック

投資信託を保有している間、日々かかる費用が信託報酬です。信託報酬は運用成績に直接影響するため、同じ商品性であればできるだけ信託報酬の低いものを選ぶのがおすすめです。また、インデックス型投信は、アクティブ型投信に比べて信託報酬が低い傾向にあります。
また、購入時にも費用がかかることがあります。最近ではノーロードと言われる無手数料の投信も増えてきましたが、投信購入の際には購入時手数料がかかる場合があり、高いものでは投資額の5%超の費用負担が課されるものもありますので必ず確認しましょう。

3. 純資産総額と運用会社の信頼性

純資産総額は、その投資信託にどれくらいの資金が集まっているかを示す指標です。純資産総額が大きければ、それだけ支持されている証拠であり、繰上償還(運用が終了してしまうこと)のリスクも低いと考えられます。また、運用会社の信頼性や運用体制なども目を配りたい重要なポイントです。

4. 投資目標とリスク許容度とのバランス

「何のために投資するのか(老後資金、教育資金など)」という自身の投資目標から「どれくらいの損失なら受け入れられるか」というリスク許容度について予め想定しておきましょう。リスク許容度が高い人はテーマ型やアクティブ型も選択肢の一つになりますが、初心者の人やリスクを抑えたい人には値動きの大きい運用は不向きとなります。リスク許容度によって選択肢が異なるということを覚えておきましょう。

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新NISAを賢く活用して日本株投信で資産形成

2024年から始まった新NISAは、投資で得た利益が非課税になる有益な制度です。日本株投信を新NISAで運用することで、効率的に資産形成を進めることができます。

1. つみたて投資枠と成長投資枠の使い分け

新NISAには、年間120万円まで積立投資ができる「つみたて投資枠」と、年間240万円まで一括投資でも積立投資でも投資ができる「成長投資枠」があります。

  • つみたて投資枠では、金融庁が定めた要件を満たす長期・積立・分散投資に適した投資信託が対象となります。多くの日本株インデックス投信などが対象となっています。
  • 成長投資枠では、より幅広い投資信託や個別株、ETFなどが対象となり、アクティブ型の日本株投信などの多くはこちらに分類されます。

ご自身の投資スタイルに合わせて、これら2つの投資枠を有効活用しましょう。新NISAの詳しい活用法については、『新NISAのつみたて投資枠とは?旧つみたてNISAとの違いや成長投資枠との関係を解説』も合わせてご参照ください。

2. 非課税保有限度額1,800万円を最大限に活用

新NISAの非課税保有限度額は生涯で1,800万円です。この非課税枠を最大限に活用することで、将来受け取る利益にかかる税金をゼロにできます。日本株投信は、日本の経済成長の恩恵を受けながら、非課税で資産を増やせる可能性を秘めています

3. 新NISAのメリット活用法

新NISAのメリットを最大限に享受するためには、長期・積立・分散投資が基本です。分散投資では、毎月一定額を積み立てる時間分散効果で、価格変動リスクを抑えつつ、長期に投資することによって、時間を味方につけて運用できます。複数の日本株投信や、国内外の資産に分散投資する資産分散で、さらにリスクを低減することもできます。より詳細な分散投資の考え方については、『お金を貯める上手な方法は?社会人になったら身につけたいマネーリテラシーを解説』もご覧ください。

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日本株投信を始める際の運用のコツ

日本株投信で資産形成するためには、いくつかの運用のコツがあります。

1. ドルコスト平均法でリスクを軽減

ドルコスト平均法とは、毎月一定額を積み立てる投資手法です。価格が高い時には購入量が少なくなり、価格が低い時には購入量が多くなるため、平均購入単価を平準化し、高値掴みのリスクを軽減できます。特に投資初心者の人におすすめの戦略です。積立投資でいくら積立すればいいのかについて、『NISAは毎月いくら積み立てるべき?積立金額の決め方や運用シミュレーションを紹介』をご参照ください。

2. 定期的な日本株投信の確認

一度購入した日本株投信も、定期的に確認することが重要です。市場や投資環境が大きく変わっていないか、ご自身の投資目標やリスク許容度に引き続き合致しているかなどを確認しましょう。

3. 最新の経済動向や市場ニュースへの関心

日本株投信は、日本の経済状況や企業の業績に大きく影響されます。日頃から、ニュースや経済指標に目を向け、日本の経済動向や市場のトレンドに関心を持つようにしましょう。これにより、資産形成に向けた適切なタイミングの判断に役立てることができます。

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よくある質問(FAQ)

Q1: 日本株投信と個別株への投資、どちらが良いですか?

A1: 個別株は、特定の企業の株価が大きく上昇すれば大きなリターンを期待できますが、その分リスクも高くなります。一方、日本株投信は、複数の企業に分散投資されるため、個別企業の倒産リスクなどを低減できます。日本株に投資はしたいけれど、個別企業に集中投資するのは避けたい・怖いといった人には、日本株投信は解決策の一つとなります。

Q2: 日本株投信の利益には税金がかかりますか?

A2: はい、通常は利益に対して20.315%の税金(所得税・住民税・復興特別所得税)がかかります。しかし、NISA口座で運用すれば、非課税保有限度額内であれば得られた利益が非課税になります。効率的な資産形成を目指すなら、NISAの活用がおすすめです。

Q3: 日本株投信は元本保証ですか?

A3: いいえ、元本保証ではありません。日本株投信は、組み入れている株式の価格変動によって基準価額が変動するため、元本を割り込むリスクがあります。投資にはリスクが伴うことを理解した上で、ご自身のリスク許容度に合わせて投資を行ってください。

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まとめ

日本株投信は、個別株への投資よりも少額から始められ、リスクを抑えながら日本企業の成長に投資できる魅力的な金融商品です。NISAを賢く活用し、種類や選び方のポイント、そして運用のコツを理解することで、着実に資産形成を進めることができるでしょう。まずは少額からでも始めてみて、ご自身のペースで投資の経験を積んでいくのはいかがでしょうか。
投資は自己責任ですが、正しい知識と戦略をもって臨めば、将来の資産を大きく育む可能性があります。この機会に、ぜひ日本株投信での資産形成を始めてみませんか?

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