若い頃こそ、お金は「自己投資に使うべきだ」という人は少なくありません。「自己投資」と言うと各種学校で学ぶことや、資格をとることを想像するかもしれませんが、実際には、それだけに止まりません。
古今東西の著名人が重要視してきた「自己投資」が「旅」だというのは、コンサルタント企業でマネージャーを務める百慕大翼さんです。
書籍「人生を変える海外旅行術・週末2日間・費用5万円で行ける海外旅行は最強の自己投資だ!」で、自己投資としての旅の大事さに触れています。彼自身、毎年30カ国以上を巡っているそうです。
筆者はかつて海外でアジアを中心に富裕層向けのサービスに携わっていて、「富裕層と言われる人たちは、ほぼ例外なく旅が好きです」と気づいたのだそうです。
ある成功したビジネスパーソンは、3年ごとに年間の旅行予定を先に入れるそうです。つまり、成功してお金があるから旅をしているのではない、旅しているから成功しているというわけです。*1
「成功者は例外なく旅が好き」ということに気づき、そこに何かかの成功の理由があるのではないかと考えるに至るのです。そのためこの書籍には、著名人の「旅」に対する言葉が紹介されています。
なぜ「旅」が人を成長させるのか
一方、旅に出る、と聞いただけで「面倒臭い」と感じる方もいるでしょう。
ある意味、この「面倒くささ」が旅の本質かもしれません。
筆者は旅の最も大きなポイントは「コンフォートゾーンから出る」と言うことだと指摘します。
旅に出るためには、休みを調整し、計画し、下調べをして、必要な荷物を選ばなければなりません。海外旅行となればなおさらで、現地の宗教や人種、現地の最新ニュースなども一応見ておかなければなりません。
休みをとって入念に準備しても、実際に海外に行くと思い通りに進まないこともあります。突発的な出来事に遭遇したり、思わぬトラブルに見舞われたりします。持ち物を取られたり、しつこい客引きに付き纏われたり、必要なものが用意されてなかったりは日常茶飯事。日本と違って以心伝心ができるわけでもないし、空気を読んでくれる相手もいないので、コミュニケーションも容易ではありません。
そういう場面で自分が一体どういう感情を持つのか、どのように切り抜けるのか、自分の新たな一面を発見することもできるというわけです。
さらに人との出会いもありますし、中には一生の友達ができることもあります。語学を使って交渉しなくてはならない場面も出てくるでしょう。旅は語学への入り口ともなるのです。
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自己投資の旅となる条件三つとは
筆者は同じ旅でも「自己投資となる旅」「ならない旅」があると指摘しています。同じ「旅」であっても、趣味と自己投資のための旅は違うというわけです。自己投資のためにはコンフォートゾーンに埋まりっぱなしではいけないわけです。
ここでの「自己投資の旅」のための条件は三つあります。
1つ目の条件として「必ず海外に行くこと」を上げています。次に、「すべて自分で手配する「自己手配の旅」であることを上げています。要するにパックの旅行ではないということです。最後の条件はちょっと厳しいですが、一人旅が望ましいとしています。*1
そしてこれらの旅によってつく能力はかなり多岐に渡ります。決断力や行動力、マネジメント能力、情報収集・情報整理力、問題解決力、危機対応力などが身に付くのです。*1
実際に、これだけの力を試されるシーンが海外の一人旅には多くなるはずです。
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インターネットで知るだけではなぜダメなのか
しかしなぜ、インターネットで世界のことがわかる時代にわざわざ「旅」に出るのか、と思われる人もいるかもしれません。今や世界中にライブカメラがあり、世界中の情報がネットを見ればわかるではないか、と。
しかし、むしろ、インターネットで情報が簡単に得られる時代だからこそ、現実を見る価値が高まっているとも言えるわけです。
実際に、ネットで知った情報と実体験の間には、大きな乖離があります。そしてそれこそがネット時代の価値なのではないでしょうか。自分で見聞きすることで、「自分の目で見て、耳で聞く」癖がつくのです。
例えば、彼は「アジア諸国などの新興国は日本よりやや遅れていると言う認識があったと思います」*1と指摘しています。実際に旅に出てみると、アジアに日本の未来が見えるというのです。
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時間もお金もそんなにかからない海外旅行もある
そんなことを言っても、時間もないし、お金もない、という人もいるかもしれません。しかし、筆者は「仕事をしながら、例え短期間の滞在であっても、様々な国を訪れて人生を楽しんでいる」人がいると指摘しています。*1
お金に関しても、格安航空の発達で、非常に安く行けるようになりました。筆者は5万円程度で、アジアへの週末旅行が可能になったことを紹介しています。
確かに、最近ではエアアジアを使えばかなり安くアジアの国々に行くことが可能になりました。
しかも別に有名観光地を「観光」する必要はありません。
筆者がお勧めするのは最低限の英語を覚えて、暮らすように旅すること。できれば現地のイベントに参加したり、事前に現地にいる人と会う約束をしたり、散髪に行ったりしてみることです。それだけで、たくさんの学びが得られるし、ビジネスのヒントともなる。「暮らすように、旅してみる」ことでいろいろなことが見えてくる。
日本と違った価値観を学べ、語学の入り口にもなる旅は、最高の自己啓発の一つとなるかもしれません。
*1
出所)「人生を変える海外旅行術・週末2日間・費用5万円で行ける海外旅行は最強の自己投資だ!」(百慕大翼 著)
(Photo:三菱UFJ国際投信-stock.adobe.com)
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