マンションやアパートのような現物不動産への投資は、毎月家賃収入を得られるのがメリットです。入居者募集や賃貸借契約、修繕などの賃貸管理は管理会社に任せられるので、会社員として働きながら副業として取り組むことも可能です。
しかし、現物不動産は物件価格が高額で、ローンを活用して物件を購入することが多いため、初心者の方にはハードルが高いのではないでしょうか。不動産に投資したいなら、現物不動産投資のほかに、少額から投資できる方法もあります。そこで今回は、初心者の方でも気軽に始められる不動産投資の方法を4つ紹介します。
J-REIT(不動産投資信託)
J-REITとは、多くの投資家から集めた資金で複数の不動産に投資し、その不動産から得られる賃貸収入や売買益を投資家に分配する商品です。証券取引所に上場しており、証券口座を保有していれば、株式と同じように売買できます。J-REITのメリットは以下の通りです。
- 定期的に分配金を受け取れる
- 売却益を得ることも可能
- 少額から複数の不動産に分散投資できる
J-REITに投資すると、年1回~2回の頻度で分配金を受け取れます。2019年8月時点で、J-REITの平均予想分配金利回りは3.64%となっており、東証1部株式配当利回り(2.54%)よりも利回りが高くなっています。*1
J-REITは株式と同じように価格が常に変動しているため、購入時より価格が上昇すれば、売却益を得ることも可能です。また、商業施設やオフィスビル、居住用マンション、物流施設など複数の不動産に投資しているので、個人で投資するのは難しい不動産にも、少額から分散投資できます。
J-REITを購入するときは、証券会社ごとに定められている売買手数料が必要です。価格が下落すると、損失が発生して元本割れするリスクもあります。また、J-REITは不動産投資法人によって運営されていますが、経営が破綻すると投資資金をすべて失う可能性も0ではありません。J-REITは数万円程度から投資できるので、複数の銘柄に分散投資してリスクを軽減することが大切です。
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ETF(上場投資信託)
ETFとは、証券取引所に上場している投資信託で、日経平均株価のような特定の指数に連動する成果を目指して運用されます。証券口座を保有していれば、株式と同じように売買可能です。東証REIT指数に連動するETFを購入すると、少額から不動産に投資できます。ETFのメリットは以下の通りです。
- 定期的に分配金を受け取れる
- 売却益を得ることも可能
- J-REITよりも分散投資がしやすい
ETFは数万円程度から投資可能で、年1回~2回の頻度で分配金を受け取れます。ETFの分配金利回りは3%程度で、J-REITの個別銘柄に比べるとやや低いものの、金融商品の中では比較的高くなっています。*2
株式と同じように価格が常に変動するため、購入時より価格が上昇すれば売却益を得ることも可能です。また、J-REITの個別銘柄に投資するより分散効果が高く、リスク軽減が期待できます。
ETFを購入するときは、証券会社ごとに定められている売買手数料がかかります。保有期間中は信託報酬がかかり、日々運用資産から差し引かれるため、信託報酬が低い銘柄を選ぶことが大切です。また、購入時より価格が下がると、損失が発生して元本割れするリスクがあります。
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投資信託
投資信託とは、多くの投資家から集めた資金で株式や債券などの金融商品に投資し、投資から得られる利益を投資家に分配する商品です。REITを投資対象としているファンドを購入することで、少額から不動産に投資できます。投資信託のメリットは以下の通りです。
- より少額から不動産に分散投資が可能
- 積立投資がしやすい
- 購入時手数料がかからないものもある
投資信託はJ-REITやETFより最低投資金額が小さく、金融機関によっては100円から購入できます。そのため、少額での積立投資がしやすいという特徴があります。また、ノーロード(購入時手数料0円)の銘柄を選べば、購入時の手数料を節約することも可能です。
ただし、投資信託は信託報酬がかかり、保有期間中は運用資産から日々差し引かれます。購入時より価格が下落すると、損失が発生して元本割れする可能性もあります。また、分配金を出さずに再投資して元本に組み入れる銘柄もあるので、購入時に確認しましょう。
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不動産投資クラウドファンディング
不動産投資クラウドファンディングとは、インターネットを通じて複数の投資家から集めた資金で不動産に投資し、賃貸収入や売却益を投資家に分配する仕組みです。居住用マンションやホテル、保育所など、さまざまな種類の不動産に投資を行います。不動産投資クラウドファンディングのメリットは以下の通りです。
- 定期的に分配金を受け取れる
- 1万円程度の少額から投資可能
- 分配金利回りが比較的高い
- 価格が変動しない
不動産クラウドファンディングに投資すると、定期的に分配金を受け取れます。分配金利回りは4%前後と比較的高い傾向にあり、1万円程度の少額から投資可能です。株式のように価格は変動しないため、相場を気にする必要がなく、分配金の入金を確認するだけで済むので手間がかからないのもメリットです。
しかし、運用期間中は解約できないため、急に現金が必要になっても投資資金を現金化できません。また、提示されている運用期間や利回りはあくまでも予定であり、ファンドの運用状況によって変更される可能性があります。また、サービス運用会社が破綻すると、投資資金が返還されないリスクもあるので注意が必要です。
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現物不動産投資との違い
ここまで4つの投資方法を紹介してきましたが、現物不動産投資との違いは以下2つです。
- 最低投資金額が小さい
- 不動産投資ローンが活用できない
4つの投資方法はいずれも最低投資金額が数万円程度と小さく、初心者の方でも比較的始めやすいのが特徴です。しかし、現物不動産投資は物件価格が高額で、現金購入なら1,000万円以上、不動産投資ローンを利用する場合でも数百万円は用意する必要があります。まとまった資金を用意できないと、不動産投資を始めることはできません。
また、4つの投資方法では不動産投資ローンを活用できませんが、投資した金額を超えて損をすることはありません。一方で、現物不動産投資は不動産投資ローンを活用し、家賃収入からローン返済できます。自己資金より大きな金額の取引ができるので、短期間で資産を大きく増やせるかもしれません。ただし、空室が発生して家賃収入が得られないと自己資金の持ち出しが発生し、投資金額を超えて損失が発生するリスクがあります。
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まとめ
マンションやアパートのような現物不動産への投資は、毎月家賃収入を得られますが、空室が発生すると自己資金でローン返済しなくてはならないデメリットもあります。投資金額が大きいため、失敗したときの損失も大きく、比較的リスクが高い投資方法です。今回紹介した投資信託などを活用すれば、少額から不動産に投資できます。不動産投資に興味があるなら、まずは少額からできる投資方法を試してみてはいかがでしょうか。
*1
出所)J-REIT分配金利回り(10年間)|一般社団法人 不動産証券化協会
*2
出所)日本取引所グループ ETF銘柄一覧 不動産(REIT)
・投資信託のリスクと費用については、こちらをご確認ください。
・当ページは当社が作成した情報提供資料であり、金融商品取引法に基づく開示資料ではありません。投資信託をご購入の場合は、最新の投資信託説明書(交付目論見書)および目論見書補完書面の内容を必ずご確認のうえ、ご自身でご判断ください。
三菱UFJ国際投信株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第404号/一般社団法人投資信託協会会員/一般社団法人日本投資顧問業協会会員
(Photo:三菱UFJ国際投信-stock.adobe.com)
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