なぜ「老後の趣味」は重要?今のうちからシミュレーションしてみよう!

なぜ「老後の趣味」は重要?今のうちからシミュレーションしてみよう!

たとえ今楽しんでいる趣味があったとしても、60代、70代を迎えたときに若い頃と同じように楽しめるかどうかはわかりません。また、老後は趣味に求める要素も少しずつ変わっていきます。定年後は時間に余裕も出てきますから、心から楽しめる趣味があるかどうかは生活の満足度にも影響することでしょう。もし、現在これといった趣味が無いとすれば、今から少しずつでもよいので自分の興味を探ることをおすすめします。

とはいえ、さまざまな分野から自分にとってぴったりの趣味をすぐに見つけるのは簡単ではありません。そこで、今のうちから考えておきたい老後の趣味の探し方や、趣味を楽しく続けるコツなどをご紹介します!

老後から趣味を持つきっかけとメリットとは?

そもそも、なぜ「老後からの趣味」は重要視されるのでしょうか?60代以上の方が老後に趣味を持つようになったきっかけについて、ランキングデータを見てみましょう。

<シニアが趣味を始めたきっかけランキング>

出所)株式会社ネオマーケティング「シニアの趣味に関する調査」(2016年5月)

1位/健康維持のため
年齢とともに気になるのは、やはり身体の健康のようです。調査によると、60~64歳は33.8%、65~69歳の場合は44.5%、70歳以上は52.9%と、年代が上がるにつれて、「健康維持のため」という回答の割合は高くなる傾向でした。年齢が上がるほど、健康を気にして趣味を始めていることがわかります。
2位/ストレス発散のため
健康維持とほとんど同じ割合だったのがストレス発散という理由です。現在は定年を迎えても継続して働く方も珍しくないため、仕事によるストレスを感じている方も少なからずいるのかもしれません。その証拠に、働かなくなる人が増えるであろう、高齢になるほど割合は低くなっていく傾向です。
3位/時間に余裕ができたため
定年退職を迎えれば、当然時間に余裕ができます。これまでは1日8時間以上の時間を労働に費やしていたわけですが、それがなくなれば自分が楽しめる趣味をして過ごそう、というきっかけです。
4位/自分磨きのため
何歳になっても、新しい知識やスキルを身につけられるのはうれしいものです。趣味そのものを楽しむことはもちろん、趣味を通して「どんな自分になりたいか」という理想像や目標を持って取り組む方も多いようです。
5位/以前からあこがれていたから
子供の頃はできなかった、社会人の頃は忙しくてできなかった、そんな「あこがれ」を時間やお金に余裕のできた老後に叶えるというパターンです。

1位から5位までを詳しく見てきましたが、6位には認知症予防が入っています。実際に余暇に趣味をして過ごしていると認知機能低下のリスクを下げてくれる、という研究結果もあり、趣味が老後生活において良い影響を与えてくれることがわかります。

出所)国立長寿医療研究センター・老化に関する長期縦断疫学研究(NILS-LSA)「すこやかな高齢期をめざして」

その他にも、生きがいになる、趣味を通じて友人ができる、社会との接点ができるなど、仕事一辺倒でない生活を迎えたとき、老後の趣味が人生に与えるメリットはさまざま考えられます。

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現在老後を迎えた人の趣味ランキング!自分が趣味を選ぶなら?

では、実際に現在老後を迎えた人は、一体どんなことを趣味にしているのでしょうか。こちらもランキングで見てみます。

<シニアの趣味ランキング>

出所)株式会社ネオマーケティング「シニアの趣味に関する調査」(2016年5月)

なんと1位はパソコン・インターネット!
シニアの趣味の古典的なイメージである盆栽や将棋・囲碁、ゲートボールなどはランキング上位には見られませんでした。内容そのものには「シニアだから」という特色はあまり無いようです。
シニア向けといわれるような物事が目の前にあったとしても、そもそも自分が楽しいと思えなければ続けることはできませんよね。シニアになっても楽しくできる趣味を見つけるなら、以下の3つのポイントを参考にしてみてください。

子供の頃に好きだったことを振り返ってみる

小学校、中学校、高等学校など子供の頃に好きだったことは、あなたが無意識に「楽しい」と感じられることのはず。学校の部活や課外活動、休み時間にしていたこと、友人とどんなことで遊んでいたか、昔ほしかったおもちゃやゲーム、思い出に残っている本や映画、場所...そんなことを思い出してみると、自分の「好き」を改めて見つめ直せるかもしれません。

現在の趣味を老後まで継続するのももちろんOK!とことん極める道を探ってみよう

今楽しく感じられることは、すでに自分が興味を持っていることです。より長くその趣味を続けるために、どんな楽しみ方をしていきたいか考えてみましょう。
例えば、パソコンなら使えるソフトを増やせるように勉強してみたり、映画なら年間の目標鑑賞本数を設定してみたり、旅行なら行きたい場所や時期、年齢をリストアップしてみたり...。クリエイティブな趣味なら、仲間を見つけて交流をしたり、大会やコンテストを目指してみたりするのもいいかもしれません。

常日頃から趣味情報に対してアンテナを張ろう

インターネットはもちろん、テレビや雑誌、友人との会話の中に、自分が興味を持てる「ピン」とくる情報が無いかどうか、常にアンテナを張っておきましょう。意外なところに一生付き合えるような新しい趣味との出会いがあるかもしれません。

<目的別!老後におすすめの趣味10選>

上記の方法でもなかなかピンとくるものがなかった場合は、目的別に趣味探しをするのもおすすめです。

健康維持...ウォーキング、水泳、ヨガ

マイペースなウォーキングや散歩は健康維持の定番。水泳は身体に負荷をかけすぎずに全身運動を行えるのでシニアにも人気のスポーツです。ヨガは「女性の趣味」というイメージかもしれませんが、現在は男性限定のクラスなどもあり、激しい運動が苦手な方でも取り組みやすい趣味です。

ストレス解消...スポーツ観戦、温泉巡り

日頃のストレスを発散するなら、「非日常」に触れるのがおすすめ。白熱するスポーツの試合を生で観戦したり、普段の生活から離れ四季折々の自然などに触れられる温泉巡りなどは、身も心もスッキリするはずです。

自分磨き...語学、読書

60歳から始めた趣味でも、10年続ければ立派に身につくといわれます。英語などを勉強して、海外旅行を目指すのも良いでしょう。もちろん新しい知識が身につく読書も、自分磨きには最適です。

認知症予防...ピアノ、ボランティア、読み書き

指先を細かく動かしたり、人とのコミュニケーションを積極的に取ることが認知症予防につながると言われています。日記を書いて自分の考えを言葉にするのも、脳の活性化には効果的です。

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定年後も楽しく趣味を続けるコツとは

老後から趣味を始めるのは良いことと言っても、定年後から始めた趣味はあまり続かないとも言われます。その理由は、「上手くいかなくてつまらなくなってしまう」、「金銭的に圧迫されてしまう」、「意外と時間を潰せない、のめりこめない」など。
つまり、趣味を続けるコツはこの逆を考えてみるとわかります。

助走期間を設けよう

選んだ趣味によっては、始めてすぐに上達するとは限りません。例えば、ゴルフのようにやってみたらボールを打つことすら難しい、ということもあるでしょう。少しやってみて「できない」と思ったとしても、多少の期間は根気強く続けてみることが大切です。
上達するのに時間がかかることがわかっているものは、あらかじめ「○ヵ月はがんばってみよう」など期間を設けてもいいかもしれません。

趣味のためのお金はしっかり把握しよう

老後は、収入源がなくなれば年金と貯金などを切り崩す生活になります。趣味を楽しむためとはいえ、お金がかかりすぎると生活を圧迫してしまいますし、当然続けられません。
例えば、月5万円を趣味にかけたとしたら、60歳から80歳までの間に1,200万円もの負担になります。
あらかじめどの程度お金のかかる趣味なのか、あるいはお金をかけるとしたらどのくらいまでかけられるのかを決めておきましょう。

あくまで趣味は生活の一部であることを認識する

60歳以上の男女が1ヶ月の間に趣味に費やす時間は、平均すると60.3時間と言われています。1日で換算すると約2時間です。意外と少ないと感じるかもしれませんが、現在働いている方であれば、趣味は仕事の合間や休日など、日常のご褒美として短時間集中して行っている方がほとんどではないでしょうか。
つまり、老後は時間がたっぷりあるからと趣味を始めてみたのに、逆に「趣味ばかりの生活も疲れて嫌になってきた」という状況に陥ることも考えられます。自分が「楽しい」と感じられる範囲を見極め、メリハリをつけて取り組むのも、実は大切なのです。

出所)株式会社ネオマーケティング「シニアの趣味に関する調査」

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今から趣味を充実させ、しっかり貯蓄をしておくことが老後の豊かさにもつながる!

いかがでしたか?
考えてみると意外と奥深い「老後の趣味」。働かなくなったときに自分がどんな暮らしを送りたいのか、想像してみるのも良いものです。
一つポイントとして覚えておきたいのは、上記にご紹介したコツ中で「どれくらい趣味にお金をかけるのか」という問題は、老後に経済的な備えがあれば解決する、ということです。趣味に費やすお金を厳しく制限をする必要もありませんし、複数の趣味を同時に楽しむこともできるでしょう。「趣味は多いがお金は無い」というのはなんだかもったいないことです。
老後のための貯蓄は医療費や生活費のためだけでなく、趣味を楽しむための費用もしっかり確保しておきましょう。

(Photo:三菱UFJ国際投信-stock.adobe.com)

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