eMAXIS Slimの合計純資産総額が30兆円を突破

eMAXIS Slimの合計純資産総額が30兆円を突破

三菱UFJアセットマネジメントは、eMAXIS Slimの合計純資産総額が、2026年6月16日時点で30兆408億円となり、30兆円を突破したと発表しました。これはシリーズを構成する16ファンドの純資産総額を合計した数値であり、単一ファンドの純資産総額を示すものではありません。*1
同シリーズの合計純資産総額は、2025年10月6日に20兆円を突破してから、約8カ月で30兆円を超える水準となりました。この期間の純流入額は4.9兆円、株式・債券・リートの価格変動や為替変動等による増加額は5.0兆円とされています。合計純資産総額の増加には、ファンドへの資金流入だけでなく、投資対象資産の価格や為替の変動等も影響しています。*1
純資産総額はファンドの規模を示す指標の一つですが、過去の実績であり、将来の運用状況を示唆・保証するものではありません。そのため、将来の運用成果や商品性を判断することはできません。

本記事では、投資信託の基本的な仕組みや純資産総額の見方に加え、NISAとの関係、費用、リスクなど、投資信託を検討する際に確認したい事項を解説します。

投資信託の基礎知識

投資信託の仕組みと基準価額

投資信託は、多くの投資家から集めた資金を一つにまとめ、運用会社が国内外の株式や債券などに投資する金融商品です。値動きのある資産に投資するため、日々の相場変動を反映して、1口あたりの値段である基準価額が毎営業日算出されます。一般的に新聞等に掲載している基準価額は、1万口単位にしたものです。購入や解約は、この基準価額をもとに行われます。*2
個人が少額でも幅広い資産に分散投資できる点が特徴といえます。基準価額が変動する以上、購入時よりも基準価額が下落する場面があることも理解しておくことが重要です。

純資産総額が示す意味

純資産総額は、そのファンドが運用している資産の規模を示す数字です。
一般社団法人資産運用業協会は、日本の法律に基づいて設定・運用される国内投資信託を対象に、会員である投資信託委託会社から基礎データを収集し、投資信託に関する各種統計を公表しています。*3
個別ファンドの純資産総額は、基準価額と受益権口数の掛け算で決まり、値上がりや資金流入等によって増え、値下がりや資金流出、分配金の支払い等によって減ります。
純資産総額はファンドの規模を表す指標です。一般的には規模が大きいファンドほど運用継続性の観点で安定感があると考えられますが、純資産総額の大きさだけで将来の運用成果が決まるわけではありません。投資対象や費用、リスク、運用方針などもあわせて確認することが重要です。

NISAとの関係

投資信託とNISAは、混同されやすいものの役割が異なります。
投資信託は投資家から集めた資金を専門家が運用する金融商品であり、NISAは毎年一定額までの投資で得られた利益が非課税となる少額投資非課税制度です。つまり、投資信託は投資する対象そのものである金融商品、NISAはその利益にかかる税金が非課税になる制度です。*2
このため、NISA口座で投資信託を購入した場合、一定の条件のもとで、値上がり益や分配金にかかる税金が非課税になります。投資信託の商品性とNISAの制度面を分けて確認すると、検討すべき点を整理しやすくなります。

資金流入を支えた新NISA

ファンドへの資金流入に影響した要因の一つとして、新しいNISAの普及が挙げられます。
金融庁の利用状況調査によると、2025年12月末時点でのNISA口座数は約2,820万口座で、18歳以上人口に対しておおむね4人に1人程度の水準です。買付額は累計で約71.3兆円となっています。2022年11月に決定された内閣官房『資産所得倍増プラン』では、5年間でNISA総口座数を1,700万口座から3,400万口座へ、NISA買付額を28兆円から56兆円へ倍増させる目標が掲げられています。*6
この目標と比較すると、買付額の累計は目標を上回る一方、口座数は目標値3,400万口座の8割強の水準です。*5
NISA口座で積立投資を行う投資家が増える場合、対象となる投資信託への継続的な資金流入につながる可能性があります。制度の広がりは、特定のインデックスファンドの大型化に影響している要因の一つと考えられます。制度と商品を切り分けて理解すると、資金流入の背景を整理しやすくなります。

インデックスファンドの存在感

500億円以上のファンドが増加した背景の一つとして、指数に連動するインデックスファンドへの資金流入が挙げられます。
金融庁によると、主な対象指数に連動する国内籍インデックスファンドの純資産総額と流入額として、S&P500に連動するファンドが27本で純資産総額約10.6兆円、流入額約4.5兆円、MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスに連動するファンドが22本で純資産総額約6.9兆円、流入額約3.6兆円、MSCIコクサイ インデックスに連動するファンドが92本で純資産総額約9.4兆円、流入額約2.2兆円と示されています。*7
米国株や全世界株を対象とする指数連動型に、相対的に大きな純資産総額や資金流入が確認できます。指数の内容を知ることは、ファンドの投資対象を理解するうえで役立ちます。

目次へ戻る

eMAXIS Slimについて

低コスト追求のコンセプト

eMAXIS Slimは、低コストのインデックス運用を掲げる投資信託シリーズの一つです。
eMAXIS Slimは、低コストのインデックス運用を掲げるノーロード・インデックスファンド・シリーズとして、2017年2月に誕生しました。当初は4ファンドでスタートし、現在は16ファンドまでラインナップが拡大しています。業界最低水準の運用コストを将来にわたってめざし続けるというコンセプトを掲げています。*8
購入時手数料がかからないノーロードであることや、他社類似ファンドの運用管理費用(信託報酬)を踏まえて見直しを行う方針が示されていることは、長期の積立投資を検討する際の判断材料のひとつと考えられます。

*eMAXIS Slimは業界最低水準の運用コストを目指しますが、その達成を保証等するものではありません。また、運用コストは将来変更になる可能性があります。

信託報酬と費用の構造

投資信託のコストは、購入時、保有中、解約時の3段階で発生します。
eMAXIS Slimの運用管理費用(信託報酬)の総額は、ファンドにより定められた一定率を、日々の純資産総額に掛けた額で計算されます。購入時手数料はありません。信託財産留保額もありません。なお、一部ファンドでは、保有有価証券の貸付(レンディング)を行う場合があります。レンディングにより得られる品貸し料はファンドの収益となりますが、当該品貸し料の一部は委託会社および受託会社に支払われるため、交付目論見書等では費用として記載される場合があります。*9
信託報酬は保有期間中に日々差し引かれる代表的な費用であり、同じ対象指数に連動するファンドを比較する際の重要な確認項目です。購入時手数料や信託財産留保額が設定されていないファンドでは、保有中の費用水準が比較の軸になります。低コストの商品は、積立や長期保有を検討する際に確認したい商品の一つです。ただし、実質的な費用は信託報酬以外のコストも含めて確認する必要があります。

つみたて投資枠の対象要件

NISAのつみたて投資枠には、金融庁による対象商品の要件があります。
つみたて投資枠では、長期・積立・分散投資に適した公募株式投資信託と上場投資信託(ETF)が対象商品として限定されており、金融庁が定めた要件を満たす必要があります。指定インデックス投資信託については、信託報酬が国内資産を対象とするものは年率0.5%以下、海外資産を対象とするものは年率0.75%以下とされており、いずれも税抜です。また購入時の手数料が無料(ノーロード)であることが必須となっています。*7
さらに、つみたて投資枠の対象となる指数について、新たに2指数を追加し、一定の指定株式指数について他の指定指数との組み合わせを必要とする要件を撤廃する改正が行われ、改正後の告示は令和8年4月1日から適用されています。*10
低コストのインデックスファンドは、つみたて投資枠の要件と整合しやすく、投資家が候補として検討しやすい商品群といえます。

※つみたて投資枠の対象商品は変更される場合があります。個別ファンドがつみたて投資枠の対象であるかは、金融庁の最新の対象商品一覧および各ファンドの公式情報をご確認ください。

目次へ戻る

投資信託選びの判断基準

対象指数と分散のチェック

投資信託選びの出発点は、何に投資しているかを確認することです。
金融庁は、投資初心者を含む幅広い層が長期投資で売買タイミングの判断が困難となることを踏まえ、特定テーマや経済環境に大きく依存する商品には留意が必要との考え方を示しています。この観点から、指数の構成銘柄がセクター間で十分に分散されていることが、商品設計における重要な要件と考えられます。*7
対象指数の構成銘柄が、国・地域・業種などでどの程度分散されているかを確認することは、特定テーマへの偏りを把握するうえで役立ちます。目論見書で指数名と構成の概要を確認すると、ファンドの特徴を理解しやすくなります。

コスト水準の比較

同じ指数に連動する投資信託でも、コストの水準は商品ごとに異なります。
投資信託の取引でかかる主な手数料は、運用・管理のための運用管理費用(信託報酬)、購入する際にかかる購入時手数料、解約する際にかかる信託財産留保額の3種類です。つみたて投資枠では、購入時手数料がかからないノーロードの投資信託が選ばれており、信託報酬は資産毎に上限が定められているため、対象商品は一定の要件を満たしていますが、コスト水準は商品ごとに異なります。*2
同じ対象指数に連動するファンドについて信託報酬を比較すると、コスト差を把握しやすくなります。長期で保有するほど、コスト差の影響が積み重なりやすい点には留意が必要です。

分配方針と長期運用

分配方針は、長期運用の効率に影響する場合があります。
毎月分配型など定期的に一定額の分配金を支払う投資信託は、投資者のファンドの購入価額によっては、分配金の一部または全部が、実質的には元本の一部払戻しに相当する場合があります。ファンド購入後の運用状況により、分配金額より基準価額の値上がりが小さかった場合も同様です。このため、NISAのつみたて投資枠では毎月分配型の投資信託は除外されており、複利効果を重視する運用では、分配金を出さずにファンドの中で再投資する設計(分配抑制型)が効率的とされる場合があります。*11
分配金を受け取りたいのか、再投資で複利効果を重視したいのかによって、検討するファンドの性格は変わります。投資目的や資金を使う時期を整理したうえで、分配方針やリスク特性が合うかを確認すると、判断しやすくなります。

目次へ戻る

投資信託購入時の注意点

価格変動リスクの理解

投資信託の基準価額は、組み入れている有価証券の価格変動(例えば株式・リートは株式市場の相場変動など、債券であれば金利変動など、国外の資産であればさらに為替相場の変動など)により上下します。したがって、投資者の投資元本が保証されているものではなく、基準価額の下落により損失を被り、投資元本を割り込むことがあります。主な変動要因は、価格変動リスク、為替変動リスク、信用リスク、流動性リスク、カントリー・リスクですが、これらは主なリスクであり、これらに限定されるものではありませんので、くわしくは各ファンドの投資信託説明書(交付目論見書)をご覧ください。*9

損益通算不可などNISAの制約

NISAには、税制上の制約もあります。
特定口座や一般口座で上場株式等を購入した場合、売却して損失が出たときは、その年に得られたほかの上場株式等の売却益や配当金と損益通算ができます。しかし、NISA口座で取得した上場株式等を売却して生じた損失は、税務上ないものとみなされます。そのため、特定口座や一般口座で生じた配当等・譲渡益との損益通算や、繰越控除はできません。一方で、NISAでは一定の条件のもと、利益が非課税となるメリットがあります。*2
非課税となるメリットと損益通算ができない制約は、あわせて理解しておくことが重要です。NISAで購入するファンドについては、長期保有を前提にした場合の投資対象、費用、リスクをあらかじめ確認しておくことが重要です。

目次へ戻る

おわりに

eMAXIS Slimの合計純資産総額は、2026年6月16日時点で30兆408億円となりました。この増加には、ファンドへの資金流入だけでなく、株式や債券、リートの価格変動、為替変動等も影響しています。*1
純資産総額は、ファンドの規模を知るための指標の一つです。ただし、純資産総額が大きいことや増加していることが、将来の運用成果を示すものではありません。
投資信託を検討する際は、純資産総額だけで判断せず、投資対象、運用方針、費用、リスク、分配方針などを確認することが大切です。具体的な商品内容については、最新の交付目論見書やその他の開示資料を確認し、自身の投資目的、投資期間、リスク許容度などを踏まえて検討する必要があります。

eMAXIS Slimの購入にあたってはリスク(投資元本を割り込むおそれ)があり、手数料等その他の費用がかかります。
eMAXIS Slimのリスクと費用はこちらをご確認ください。

●当ページで使用した指数について

米国株式:S&P500指数®
S&P500指数®とは、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスLLCが公表している株価指数で、米国の代表的な株価指数の1つです。市場規模、流動性、業種等を勘案して選ばれたニューヨーク証券取引所等に上場および登録されている500銘柄を時価総額で加重平均し指数化したものです。

全世界株式:MSCⅠオール・カントリー・ワールド・インデックス 
MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックスとは、MSCI Inc.が開発した株価指数で、世界の先進国・新興国の株式で構成されています。

先進国株式:MSCⅠコクサイ インデックス
MSCI コクサイとは、MSCI Inc.が開発した株価指数で、日本を除く世界の先進国で構成されています。
当ページ中の指数等の知的所有権、その他一切の権利はその発行者および許諾者に帰属します。また、発行者および許諾者が指数等の正確性、完全性を保証するものではありません。

<留意事項>
■当ページは、三菱UFJアセットマネジメントが作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示ではありません。投資信託をご購入の場合は、販売会社よりお渡しする最新の投資信託説明書(交付目論見書)の内容を必ずご確認のうえ、ご自身でご判断ください。販売会社は三菱UFJアセットマネジメントのHP(https://www.am.mufg.jp/)よりご確認いただけます。
■当ページの内容は作成時点のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
■当ページは信頼できると判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性等を保証するものではありません。
■当ページのグラフ・数値等は、過去の実績・状況であり、将来の市場環境等や運用成果等を示唆・保証するものではありません。また税金・手数料等を考慮しておりませんので、実質的な投資成果を示すものではありません。
■投資信託は、預金等や保険契約とは異なり、預金保険機構、保険契約者保護機構の保護の対象ではありません。銀行等の登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の補償の対象ではありません。
■投資信託は、販売会社がお申込みの取扱いを行い委託会社が運用を行います。
■当ページに掲載の内容は、お客さまの投資目的、リスク許容度に必ずしも合致するものとは限りません。投資に関する最終決定はお客さまご自身でご判断ください。

関連記事

人気ランキング