投資信託にはさまざまな種類があります。
運用の方法による違いだけでなく、投資対象となる金融商品(債券や株式、不動産など)や、投資する地域(国内・海外、先進国・新興国など)によっても特徴が大きく異なります。
また、複数の資産に分散して投資するバランス型ファンドなど、リスクを抑えることを目的とした商品もあります。
それぞれの投資信託は、期待できるリターンや値動きの大きさ(リスク)などが異なるため、投資目的や運用期間、リスクの許容度に合った商品を選ぶことが重要です。
本記事では、運用方法や投資対象ごとの違いを整理しながら、それぞれの特徴やリスクの違いをわかりやすく解説し、ファンド選びのポイントについてご紹介します。
投資信託の特徴
投資信託は、販売する会社、運用を考える会社、お金を保管・管理する信託銀行のそれぞれが、役割を分担することで成り立っている金融商品です。*1
投資信託は、株式や債券、不動産などを組み合わせて作っているパッケージ商品で、安全性を重視したものや収益性を重視したものなど、さまざまな種類があります。*2
投資信託のメリットとして、専門家が運用すること、少額で投資が可能なこと、分散投資でリスクを軽減できるなどが挙げられます。
ただし、投資信託に組み入れられている債券や株式は値上がりする場合も値下がりする場合もありますし、それらの債券や株式を発行している企業・組織が将来存続しているとは限りません。
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インデックス運用とアクティブ運用
ここからは、投資信託のさまざまな種類についてみていきましょう。
まず、投資信託の運用方法による分類です。
2つの運用方法
投資信託の運用方法には、大きく分けて「インデックス運用」と「アクティブ運用」の2種類があります。*3
インデックス運用を行うファンドを「インデックス(パッシブ)ファンド」、アクティブ運用を行うファンドを総称して「アクティブファンド」といいます。
インデックスとは、市場全体の動きや、一定のルールで選ばれた複数の銘柄の値動きをまとめ、決められた計算方法を使ってひとつの数字で表した指標のことです。*4
そのため、その指標をみれば、「市場が今どう動いているか」がわかります。
代表的なインデックスには、日経平均株価(日経225)やTOPIX(東証株価指数)、S&P500などがあります。
インデックス運用はインデックスに連動することを目指すのに対して、アクティブ運用はインデックスを上回ることを目指します(図1)。
図1 インデックス運用とアクティブ運用
出所)金融庁「NISAを利用する皆さまへ」(令和6年6月(令和7年9月改訂))p.13
インデックス運用の特徴
インデックス運用は、目標値であるインデックスが上昇すれば、インデックスファンドの基準価額も同程度の割合で上昇するため、値動きが把握しやすく、投資初心者にもわかりやすいファンドといえます。*3
また、運用にあたって複雑な分析が必要ないため、運用に関わる人件費が一部不要となるなど、運用管理費用(信託報酬)が相対的に低いことも大きな特徴です。
対象インデックスに連動した運用成果を目指すため、運用会社の分析力に左右されないともいわれています。
ただし、なかには値動きの大きいインデックスもあり、必ずしも安定的に運用できるとは限りませんので、注意が必要です。
アクティブ運用の特徴
一方、アクティブ運用は、インデックス運用とは異なり、インデックスと連動しないため、値動きの理由が複雑で、値動きが把握しにくいという特徴があります。
また、運用するためには情報収集や分析が必要なため、コストが相対的に高く、運用成果も運用会社の力量に左右される可能性があります。
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商品による種類
次に、商品・地域による種類とその特徴をみていきましょう。
さまざまな金融商品
投資信託の投資対象資産にはさまざまな種類があります。*5
また、それぞれ国内の資産と海外の資産があります(図2)。
図2 投資信託の商品類型
出所)日本証券業協会 投資の時間「今さら聞けない!投資Q&A>投資信託の選び方のポイントは?」
なお、図2の「コモディティ」とは、原油や金、穀物など、国や地域をまたいで取引される商品の総称です。*6
国内債券型ファンド
「債券」とは、国や地方公共団体、 会社などが発行している借用証書のようなもので、定期的に「利子」を受け取ることができ、発行体が破綻することなく満期日を迎えれば「額面金額」を受け取れるという特徴があります。*7
債券のうち、日本の国債・社債などの債券に投資するファンドを国内債券型ファンドといいます。
国内債券型ファンドは国内債券を主な投資対象とするので、相対的に安定した運用が期待される一方で、一般的には株式型ファンドと比べて大きなリターンは期待しにくい傾向があります。
債券価格は市場金利の動きによって大きく変動します。一般的に、市場金利が上昇すると債券価格は下落し、反対に金利が低下すると債券価格は上昇します。
また、債券価格は景気の動向や株価とも深い関係があります。
景気が良くなると、通常、金利が上がるため債券価格は下落します。景気が悪くなると金利が下がるため債券価格は上昇します。
一般的に、株価が上がると、債券の魅力が低下し価格は下落します。一方、株価が下がると、債券価格は上昇するという傾向にあります。
海外債券型ファンド
海外債券とは、発行市場・発行体(発行する国や会社)・通貨のいずれかが海外に関係している債券のことをいいます。
たとえば、海外の国や企業が発行する債券や、ドルやユーロなどの外国の通貨で発行される債券などがこれに当たります。海外債券型ファンドは、このような海外債券を主な投資対象とする投資信託です。
海外債券型ファンドの特徴の1つは、日本より金利が高い国が多いことです。その結果、日本の債券より多くの利子を得られる可能性があります。
ただし、債券の利率は発行体の信用力を示す格付けや満期までの期間など、さまざまな条件を考慮して決められるため、個別に確認することが大切です。
また、外貨建債券は為替相場の変動の影響を受けます。
外貨で運用されているため、円に換算するときに為替レートが変わると資産価値も変動します。
海外債券型ファンドは、ドルやユーロなど複数の通貨に分けて投資することで、1つの通貨の為替変動による影響を低減することが期待できます。
為替の影響を低減するために、「為替ヘッジ」を行うファンドもあります。
為替ヘッジは、円金利がヘッジ対象通貨の金利より低い場合、金利差相当分のコストがかかります。また、市況動向により金利差以上のコストが生じることに注意が必要です。
海外債券には、先進国ソブリン債、新興国ソブリン債などの地域によるものがあります。
ソブリン債とは、国債、政府機関債など、中央政府によって発行・保証された債券です。
他にも投資適格社債や低格付け社債など、海外債券型ファンドの投資対象にはさまざまな種類があり、発行する国や企業などの違いによってリスクやリターンも大きく異なります。
そのため、どのような債券に投資しているのかをよく確認することが重要です。
国内株式型ファンド
国内株式型ファンドとは、主に国内株式を中心に運用されるファンドのことです。
株式への投資は、価格変動のリスクは大きいものの、収益性が期待できるという特徴があります。*8
株式の割合が多いファンドほど、一般的にリスクも大きくなりますが、その分大きなリターンが期待できることもあります。
国内株式型ファンドにはさまざまな種類があります。
例えば、大企業の株式(大型株)に投資するファンドや、中小企業の株式(中小型株)に投資するファンドがあります。
また、将来の成長が期待される企業に投資するものや、実力に比べて株価が割安と考えられる企業に投資するものなど、運用方針によって値動きの特徴が異なる多くのファンドがあります。
海外株式型ファンド
主に海外の企業が発行する株式に投資して運用するファンドを、海外株式型ファンドといいます。
世界中のさまざまな国や地域に幅広く分散投資するものや、特定の国・地域に重点的に投資するものなど、多くの種類があります(表1)。
図3 先進国株式ファンドと新興国株式ファンド
出所)三菱UFJ銀行「ファンド選びの考え方」
海外株式型ファンドは、一般的に、債券型ファンドや国内株式型ファンドと比べて、価格の変動が大きくなる傾向があります。
また、海外債券型ファンド同様、円に換算して評価されるため、為替相場の変動によって資産価値が変わります。
REIT型ファンド
REIT(リート)とは、投資家から集めた資金を不動産に投資し、その不動産から得られる賃貸収入や売却益を投資家に分配する仕組みの不動産投資信託です。*9
投資対象となる不動産には、オフィスビル、商業施設、マンションなどさまざまな種類があります。
複数のREITに分散投資するのが、REITファンド(REIT投資信託)です。
このタイプのファンドは、主に賃貸収入などから得られる利益の多くを投資家に分配する仕組みのREITが主要投資対象になっています。
また、他の投資信託と同様、少額から投資が可能なため、複数の不動産に分散投資しやすいという特徴があります。
ファンドによっては海外の不動産にも投資しており、国や地域ごとに景気や不動産価格の動きが異なるため、収益性にも違いが生じます。
海外リートの場合は為替相場の変動の影響を受ける点にも注意が必要です。
REITは、リスクの特性が債券や株式と異なるため、債券・株式型ファンドにREIT投資信託を組み合わせた分散投資をするのも、1つの方法です。
バランス型ファンド
主に国内外の株式や債券など、複数の資産に分散して投資する投資信託をバランス型ファンドといいます。値動きの異なる資産に分散投資することで、リスクを抑える効果が期待できます。
希望する資産配分に合ったバランス型ファンドを選べば、そのファンドに投資するだけで分散投資を行うことができます。
資産ごとの値動きによって当初の資産配分が変化した場合、元の配分に戻すことを「リバランス」といいます。
バランス型ファンドの中には、このリバランスを自動で行い、目標とする資産配分を維持する仕組みを持つものがあります。
また、景気動向などに応じて資産配分を見直す「リアロケーション」機能を備えたファンドも増えています。
バランス型ファンドには、投資する地域や株式の組入比率などの違いによって多くの種類があります。
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おわりに
これまでみてきたように、投資信託には運用方法や投資対象によってさまざまな種類があり、それぞれリスクや期待できるリターンが異なります。
大切なのは、商品の特徴を理解したうえで、自身の投資目的や運用期間、リスク許容度に合ったファンドを選ぶことです。
債券・株式・REITなどの資産や投資地域を分散させることで、リスクを抑えながら資産形成を目指すことも可能です。
投資信託は元本保証の商品ではないことに留意する必要する必要がありますが、
少額から手軽に始められる金融商品です。まずは仕組みや特徴を理解し、自分に合った商品を選びながら、無理のない範囲で長期的な資産形成を考えていくことが大切です。
*1 出所)資産運用業協会「投資信託の仕組み」
*2 出所)日本証券業協会 投資の時間「L.4 金融商品の特徴>投資信託」
*3 出所)三菱UFJ銀行「ファンド選びの考え方」
*4 出所)金融庁「NISAを利用する皆さまへ」(令和6年6月(令和7年9月改訂))p.13, 14
*5 出所)日本証券業協会 投資の時間「今さら聞けない!投資Q&A>投資信託の選び方のポイントは?」
*6 出所)三菱UFJモルガン・スタンレー証券「用語解説 コモディティ」
*7 出所)日本証券業協会 投資の時間「L.4 金融商品の特徴>債券」
*8 出所)日本証券業協会 投資の時間「L.4 金融商品の特徴>株式」
*9 出所)三菱UFJ銀行「REIT(リート)とREIT投資信託の違いとは?商品性や種類、選び方」










