投資信託にかかる手数料はどれくらい?抑える方法はあるの?

投資信託にかかる手数料はどれくらい?抑える方法はあるの?

投資信託を選ぶ際、気になるのが「手数料」です。
できるだけ抑える方法はないのか、気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

投資信託は少額から分散投資ができる金融商品ですが、購入時・保有中、売却時など各段階でさまざまなコストがかかります。
市場平均の成果を目指すインデックスファンドと、それを上回るリターンを目指すアクティブファンドでは、購入時の手数料も運用管理費用(信託報酬)も異なります。
ただし、そうしたコストは単に「安いからいい」「高いから悪い」とは言い切れません。

本コラムでは、投資目的に応じたファンド選びを前提に、インデックスファンドとアクティブファンドの手数料の違いをわかりやすく解説します。

投資信託(ファンド)のしくみ

まず、投資信託のしくみを見ていきます。

投資信託の商品は、「投資信託運用会社」が作成します。その投資信託は、証券会社や銀行、郵便局などの「販売会社」を通じて販売され、多くの投資家からのお金が集められます。*1

集められたお金は1つにまとめられ、資産を安全に管理する専門機関の「信託銀行」に預けられます。
運用会社は、そのお金をどのような資産に投資するかを考え、信託銀行に対して「どのように投資をするか」指示を出します。これを「運用指図」といい、この指示を出す権限は運用会社が持っています。

信託銀行は、運用会社の指示に従って、株式や債券などの売買を実際に行います(図1)。

図1 投資信託の仕組み
出所)投資信託協会「投資信託の仕組み

このように、投資信託は、販売・運用・資産の保管といった役割をそれぞれの専門機関が分担して成り立っている金融商品です。

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投資信託にかかるコスト

投資信託にはさまざまなコストがかかります。
ここでは、投資家が直接支払う費用と、間接的に支払う費用に分けて見ていきます。

直接支払う費用

直接支払う費用には以下のようなものがあります。

  1. 購入時手数料
    「購入時手数料」とは、購入するときに販売会社に支払う費用です。*2
    申込価額の数%をその費用として支払いますが、ファンドや販売会社によっては購入時に手数料がかからない「ノーロード」の場合があります 。

    購入時手数料の上限は各投資信託の目論見書に定められていますが、上限の範囲内であれば販売会社が商品ごとに定めることができます。*3
    そのため、同じ投資信託でも販売会社で販売手数料が異なることがありますので、この点には留意が必要です。
  2. 信託財産留保額
    「信託財産留保額」とは、投資信託を解約する際、換金の費用として信託財産に留保するお金です。*4
    ただし、投資信託によって差し引かれるものと差し引かれないものがあります。*2

間接的に支払う費用

間接的に支払う費用には、以下のようなものがあります。

  1. 運用管理費用(信託報酬)
    投資信託を保有している間、投資信託の保有額に応じて日々支払う費用です。
    年率でいくら支払うのかは、目論見書などに記載されています。
  2. 監査報酬
    投資信託は原則決算ごとに、監査法人などから監査を受ける必要があり、「監査報酬」とはその監査に要する費用のことです。
    監査報酬は、投資信託を保有中に投資信託の信託財産から間接的に支払われます。
  3. 売買委託手数料
    投資信託が投資する株式などを売買する際に発生する費用で、発生の都度、間接的に徴収されます。
    運用の結果発生する費用なので、事前にいくらかかるのかわかりません。

「売買委託手数料」は、資金の大きさや組み入れ資産の入れ替えの頻度によって、投資信託ごとに大きく異なります。*5
頻繁に組み入れ資産の入れ替えを行う投資信託なら株や債券の売買高も大きくなるため、その結果、売買委託手数料も嵩むことになります。

以上の他にも、それぞれの投資信託において発生する費用がありますので、詳しくは目論見書などで確認することが大切です。

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インデックスファンドとアクティブファンドにかかるコスト

投資信託にかかるコストは運用方針によって違います。

購入時手数料(販売手数料)率

以下の図2は、投資信託の販売手数料率(購入時手数料率)の推移を表しています。*6

図2 販売手数料率(購入時手数料率)の推移
出所)投資信託協会「投資信託の費用・収益構造の一考察 ― 顧客と目的を一にする費用体系― 」(2024年7月10日)p.3 *以下のウェブサイトのレポートNo.17

グラフのオレンジのバーは「追加型投資信託」の購入時手数料で、
ブルーのバーは「インデックスファンド」、その右のグリーンのバーは「アクティブファンド」の購入時手数料を表しています。

図2をみると、購入時手数料率は低下傾向にあり、概ねアクティブファンドの手数料が相対的に高く、インデックスファンドが低い傾向にあります。

では、「運用管理費用(信託報酬)」率はどうでしょうか(図3)。

図3 運用管理費用率(信託報酬率)の推移
出所)投資信託協会「投資信託の費用・収益構造の一考察―顧客と目的を一にする費用体系―」(2024年7月10日)p.3 *以下のウェブサイトのレポートNo.17

図3をみると、運用管理費用率(信託報酬率)も購買時手数料率と同じように、アクティブファンドが相対的に高く、インデックスファンドは低水準にある傾向がみられます。
それはなぜでしょうか。

インデックスファンドとアクティブファンド

投資信託の運用は、おもに「インデックス運用」と「アクティブ運用」に分けられます(図4)。

日経平均株価やTOPIX(トピックス)、NYダウなど、市場の動きを示す特定の指数を「インデックス」と呼びます。*7
「インデックスファンド」は、インデックスに連動するよう設計された投資信託です。
一方、「アクティブファンド」は、特定の指数を上回る運用成績を目指す投資信託です。
※特定の指数等の指標を設けていないアクティブファンドもあります。

図4 インデックス運用とアクティブ運用
出所)金融庁「NISAを利用する皆さまへ」(令和6年6月(令和7年9月改訂))p.13

インデックスファンドは、特定の指数と似た値動きをするため、市場並みの運用成績が期待できるかわりに、基本的に市場平均を大きく超えるリターンは得られません。*7

一方、アクティブファンドは、ファンドマネージャーと呼ばれる運用のプロが、市場や企業を独自の観点で徹底的に調査・分析したうえで、組み入れ銘柄を選定します。
たとえば、今後成長が見込まれる銘柄や、企業の本質的な価値と比べて割安な銘柄などが組み込まれるケースがあるでしょう。

そのため、アクティブファンドは、ファンドマネージャーのスキル次第では、市場平均を大きく超えるリターンが期待できるケースもありますが、結果的に、アクティブ運用の運用成果が
インデックス運用の成果を下回る場合もあります。*4

コストの点からみると、アクティブファンドは調査・分析などに人的コストがかかるため、指標に連動するよう銘柄を組み入れて運用するインデックスファンドよりも、コストが高くなる傾向があるのです。*7

投資信託のコストを抑える方法

投資信託のコストを抑えるポイントは以下の3つです。

  1. ノーロード商品を選ぶ
    購入時手数料がかからない「ノーロード型商品」は、ネット証券を中心に広く取り扱われています。
    また、NISAの「つみたて投資枠」の対象商品のうち公募株式投資信託は、すべてノーロードです。*4
    ただし、同じ投資信託でも販売会社によって手数料が違うこともあるため、注意が必要です。*7
  2. 信託財産留保額のない商品を選ぶ
    投資信託によっては、解約時に信託財産留保額(換金にかかる費用を解約者が負担するもの)が発生する場合があります。
    目論見書等であらかじめ信託財産留保額の有無を確認するとよいでしょう。
  3. インデックス型を選ぶ
    上記の通り、インデックスファンドの方がアクティブファンドよりコストが低い傾向があります。

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おわりに

投資信託のコストは、一つひとつを見ると小さく感じられるかもしれませんが、長期的には運用成果に大きな影響を与えるため、投資信託を選ぶ際にはコストの低さが重要な判断材料の一つとなります。

ただし、コストだけで良し悪しを決めることはできません。運用方針や投資対象、リスクの大きさなどが自分の投資目的に合っているかどうかを総合的に考えることが大切です。

特に長期的な資産形成では、コストと中身のバランスを見極める必要があります。目論見書などで費用の内容を確認し、納得したうえで投資判断を行いましょう。

*1 出所)投資信託協会「投資信託の仕組み

*2 出所)投資信託協会「投資信託のコスト

*3 出所)投資信託協会「用語集>購入時手数料

*4 出所)金融庁「NISAを利用する皆さまへ」(令和6年6月(令和7年9月改訂))p.12, 13, 16

*5 出所)投資信託協会「用語集>売買委託手数料

*6 出所)投資信託協会「投資信託の費用・収益構造の一考察 — 顧客と目的を一にする費用体系 —」(2024年7月10日)p.3 *以下のウェブサイトのレポートNo.17「本文」をクリック

*7 出所)三菱UFJ銀行「インデックスファンドとアクティブファンドの違いは?初心者はどちらが始めやすい?

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