運用会社社員が解説!インデックスファンドは、「低コスト」であることに加え、ベンチマークとの「連動性」の高さについても注目すべき。という話。

運用会社社員が解説!インデックスファンドは、「低コスト」であることに加え、ベンチマークとの「連動性」の高さについても注目すべき。という話。

こんにちは。mattoco life 編集部の磯崎です。
突然ですが、“良いインデックスファンドって何だと思いますか?もちろん、皆さんの価値基準次第で大きく変わると思います。自分の資産が増えるインデックスファンドに価値を感じる方も多いと思いますし、保有しているインデックスファンドを通したコミュニティーで多くの人と繋がるという体験に価値を感じる方もいると思います。

一方で、インデックスファンドの商品性として、何がいいか?価値があるのか?と聞かれた場合、多くの方は「信託報酬が低いこと」と答える方が多いのではないでしょうか?もちろん、それもインデックスファンドの価値だと思います。しかしそれだけではなく、インデックスファンドには重要な着目すべきポイントがあります。そこで本日は、足元NISA等の非課税制度を利用して投資を始める方が増える中で、これから投資信託を活用して資産形成をしたいと思っている方、既に始めているが保有し続けるべきか迷っているという方に向けて、インデックスファンドの商品性として「低コスト」である以外に着目すべきポイントとは何か?というテーマで書いてみたいと思います。最後までお読みいただけますと幸いです。

初めに、この記事の全体のポイントをまとめておきます。

ポイント
  1. インデックスファンドを購入する際に見るべき箇所は、「信託報酬」だけではなく「パフォーマンス」も
  2. なぜ「パフォーマンス」を確認するのかというと、ベンチマークとの「連動性」が確認できるため
  3. 連動性が高いかどうかを確認する方法は、「開示資料」もしくは「過去の基準価額データ」

また、弊社の公式YouTubeチャネルである「投信オンエア」でも、「投資信託の運用会社がインデックスファンドを解説!全世界株式に投資「MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス」で語る!投資初心者に知ってほしい本当のインデックスファンド」と題した動画もアップされているのでそちらもご覧ください。

インデックスファンドを購入する上で、信託報酬以外で気にしたいポイントとは?

まず投資信託を購入する際に、何を購入すればいいのか迷っている方多いのではないでしょうか?例えば、商品の一部に聞き慣れないS&P500とか、NASDAQ100等が付いており、そこで理解が追い付かなくなる方が多いと思います。こうした中で、何を購入すればいいのか悩む方が多いと思います。私は、三菱UFJ国際投信で働いていますので、弊社商品の内容や他社インデックスファンドとの違いも把握していますが、運用会社で働いていなければ、その違いはわからなかったと思います。

最近では、Twitter・YouTubeなどのSNSのような便利なツールがあり、インデックスファンドとは何かということが語られています。こうしたツールから、簡単に情報を得られるわけですから、それを参考に商品を選んでいる方も多いと思います。運用会社の社員としては日々こうしたツールで発信された情報をチェックしているなかで、気になっていることがあります。インデックスファンドを評価する論調として、“低コストであること”という情報が散見されることです。そしていつからか、 “隠れコスト”というワードがネット上で拡散されるようになっているように思います。これは、より低コストのインデックスファンドを見つけたいという熱心な投資家によって、運用報告書でコスト構造を確認すべきとの見方が広がり、信託報酬以外のコストの推計を試みた結果つけられた名前だと思われます。

しかし、実はいくら隠れたコストを運用報告書の中から見出そうとしても、開示情報だけで精緻にコスト全体を把握できるわけではないので、参考の域は出ません。運用会社としては「隠している」ものはないのですが、投資信託は日々設定/解約があり受益権口売数が変化するため、運用に罹る費用を信託報酬のように率で表すことができないのです。もちろん、低コスト(信託報酬率が低い)であることは、資産形成に有利に働くためとても重要です。そのため、三菱UFJ国際投信も信託報酬率の低い商品の投入に取り組んできましたが、すでにインデックスファンドの信託報酬の水準は十分に低い状態になっています。

そこでこれから、信託報酬でもなく、隠れコストでもなく、同じ指数に連動をめざすインデックスファンドを比較する際には、どこを見ればいいのかと疑問に思う方は多いと思います。それは、信託報酬等を含むすべてのコストを加味した「パフォーマンス」という運用成果であることを知っておいていただきたいと思います。商品選びをする際には、これが非常に効果的かつ本質的なのです。

ここからは、2021年7月28日に開催した「ブロガーMTG」の内容を一部活用しながら、なぜ「信託報酬」だけではなく、「パフォーマンス」をみることが重要なのかご説明していきます。

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インデックスファンドは、「インデックス」への連動性が高いことが重要

インデックスファンドのインデックスとは、指数のことです。その名の通り、特定の指数をベンチマークとして運用する手法のことです。インデックスファンドの究極的な目標は、ベンチマークと完全に同じ値動きをすることです。しかし、そのベンチマークにはコスト(取引コスト、タイミングコスト、税金、信託報酬等)が考慮されていないため、仮にベンチマークと同じポートフォリオを構築することができたとしても完全には同じ値動きはしません。そこで、運用会社としてインデックスファンドを運用する際には、ベンチマークとの乖離をどれだけ抑えられるのか、ベンチマークと比較した際の乖離をどう抑えるのかという「連動性」を高める観点で日々運用しています。

例えば、S&P500が1年間で+10%のリターンの時に、同様に+10%のインデックスファンドは連動性の良いパフォーマンスですが、+5%のファンドは乖離が大きく連動性が高いとはいえない水準のファンドです。一方+15%のファンドは一見良好な成果に見えますが、インデックスに連動しておらずファンドの目的を達成しているとは言えません。
では、どのように連動性を高めるよう工夫しているのか?一見インデックスファンドは簡単にベンチマークに連動出来そうですが、意外にもパフォーマンスを左右する要因は運用の巧拙やコストなど様々で簡単には達成できません。インデックスを再現するポートフォリオ構築の巧拙やトレードの巧拙でも差が生じます。また、コストについては信託報酬のほか、ファンドで株式や債券を売買するトレーディングコストや外国証券の保管コスト等のコストがかかります

これらのように、インデックスファンドは、何もしておらず放置しているからコストが安いと思われがちですが、連動性を維持するためのメンテナンスを実施し続けないと、高品質なインデックスファンドは提供できません。したがって、正しい知識をもったインデックスファンドマネジャーや経験を積んだトレーダーが必要なのです。
そこで「どう連動性を高めるのか?」ということを、コストという観点(ベンチマークからの主な乖離要因)から解説していきます。 
そもそも、インデックスファンドって何?インデックスとは何?と思った方は、下記の記事をご覧ください。

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連動性を高める際に、コストは重要。しかし、信託報酬だけではありません。

インデックスファンドを選ぶ際には、信託報酬は連動性にとってマイナスの乖離要因ですから、コストの抑制は重要なポイントなので、信託報酬の水準をチェック・比較して低コストのファンドを選ぶことは大切です。ただし、隠れコストと言われているような運用報告書に開示されている売買手数料等の経費からコストを算出して、その多寡でファンド比較することはお薦めできません。上記のように、計算期間中の受益権口数の変動や取引コストの計算方法の違いにより、ファンドにおけるコストの全体値が正確に把握できないためです。また、ファンドのスキーム(ファミリーファンド方式なのか?ファンドオブファンズ方式なのか?) によっても、コストは変わります。

そこで、上記のタイミングコスト・ファンドスキームによってもコストが変わるという部分に関して補足します。
まずは、タイミングコストについてです。

タイミングコストとは、ファンドへの資金流出入(ファンドの設定解約)とファンドでの取引(有価証券の売買)タイミングが異なることに起因するコストのことです。投資家がファンドを購入・売却することを決定し、資金の流出入額が確定してからファンドで取引を行う量が判明するためタイムラグが存在します。取引コストは小さく、かつ乖離も小さくなるようインデックスファンドマネジャーは努めています。

次に、ファンドスキームによってもコストが変わります。ファンドスキームには、大きく分けて2つあります。マザーファンドを通じて直接株式等に投資する形式(ファミリーファンド方式)、ETFなどファンドに投資する形式(ファンドオブファンズ方式)というものです。そのスキームの差分としては上図のように、一般的にETFなどに投資する形式の場合は、直接株式等に投資する形式の場合よりもコストがかかります。それは、取引コストや信託報酬が二重に発生する場合、あるいは投資先のETFの純資産総額から算出される理論価格と市場価格の値動きが異なる場合などがあるためで、注意が必要です

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“これから”のインデックスファンド選びとは、連動性が高いかどうかにも着目。その選び方とは?

では、これらの全てのコストを含めて、どのように比較すればよいのでしょうか?それは、基準価額にはファンドに関するすべてのコストが反映されていますので、それを利用して算出されたパフォーマンスをチェックすることです。
近年、インデックスファンドの信託報酬水準が低下して0.1%~0.2%程度のファンドが多くなってきていますが、一方でファンドにおけるベンチマークとの連動性にはバラつきが見られ、ベンチマークから1%程度ファンドのパフォーマンスが乖離するファンドもあります。ファンド間の信託報酬の差は縮小していますが、パフォーマンスにはバラつきが見られるので、インデックスファンドを選ぶ際には、信託報酬をチェックして低コストか確認するとともに、パフォーマンスもチェックしていただければと思います。では、どうやって連動性が高いファンドか調べるのでしょうか?これには、2つ方法があります。

  • ①HP等で開示されている月報や運用報告書から、ファンドとベンチマークのリターンを比較する方法
  • ②ファンドとベンチマークのパフォーマンスにおけるヒストリカルデータを比較する方法

①に関して、開示資料には期間中のトータルリターンが記載されています。同時に、ベンチマークのリターンも記載ありますので、その乖離を確認してみてください。同じベンチマークを採用しているファンドの開示資料にも目を通してみると、ファンドの横比較が可能となります。また、細かな点ですが、ベンチマークよりファンドのリターンが上回っているケースがありますが、これはベンチマークであるインデックスに、配当込み(株式のインデックスの場合)が用いられていないことによる場合もあります。ファンドのリターンには配当分が加味されていることから、配当分が加味されていないインデックスと比較して、例えば米国株の場合は2~3%程度の上振れ要因になることがあります。

②に関して、特定の期間におけるパフォーマンスのヒストリカルデータをベンチマークと比較することです。データを作成する際に、エクセルでグラフ化してみるとよいです。そうすることで、ベンチマークからの乖離が可視化できます。加えて、そのグラフに同じベンチマークを採用しているファンドについてのヒストリカルデータも追加することで、ファンドの横比較が可能となります。

①・②について、ご自分で調べることも出来ますし、既にインデックス投資ブロガーの方々がパフォーマンス比較をされているので、ご参考にされるのも一案かと思います。

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最後に

いかがでしたでしょうか?インデックスファンドを比較する際には、低い信託報酬であるという点に加えて、ベンチマークとの連動性の高さにも着目しましょう。今後の資産形成の一つの手段としてインデックスファンドを検討する際には、思い出していただければ幸いです。

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・当ページは当社が作成した情報提供資料であり、金融商品取引法に基づく開示資料ではありません。投資信託をご購入の場合は、最新の投資信託説明書(交付目論見書)および目論見書補完書面の内容を必ずご確認のうえ、ご自身でご判断ください。

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