ポイント
人生にはさまざまなライフイベントがあり、中にはまとまったお金がかかるものもあります。ライフイベントに必要なお金は、預貯金のほかに投資信託で準備するのも選択肢です。
どんな投資信託が向いているかは、ライフイベントによって異なります。いくら必要か見積もったうえで、自分にあった投資信託を検討すると良いでしょう。
今回は、ライフイベントに必要なお金の目安と相性のよい投資信託を紹介します。
ライフイベントに必要なお金の目安
人生にはさまざまなライフイベントがありますが、特にまとまったお金がかかるのが「結婚」「住宅購入」「教育資金」「老後資金」の4つです。ここでは、それぞれで必要となる金額の目安を確認していきましょう。
結婚費用
結婚費用は、おおまかに「結納・婚約」「挙式・披露宴」「新婚旅行」「新生活の準備」の4つに分けられます。結納から新婚旅行までの費用総額は平均469.2万円です。*1
さらに、「賃貸物件の敷金・礼金」「家具・電気製品の購入」といった新生活準備の費用もかかります。
「身内だけで挙式する」「結婚後はどちらかの実家に住む」など、やり方によっては費用を抑えることも可能でしょう。
一方で、挙式・披露宴の規模や新婚旅行先によっては、平均より費用がかかる場合もあります。
住宅購入
マイホームの購入は「人生で一番高い買い物」といわれます。住宅の平均購入価格は以下の通りです。*2
- 注文住宅(土地を購入):約4,606万円
- 分譲戸建住宅:約3,826万円
- 分譲マンション:約4,639万円
- 中古戸建住宅:約2,894万円
- 中古マンション:約2,263万円
あくまでも平均であり、実際の価格は地域や築年数、間取りなどによって差があります。住宅ローンを利用するのが一般的ですが、頭金や諸費用として購入価格の2〜3割程度の自己資金が必要です。
教育資金
教育資金は、公立と私立で総額が大きく変わってきます。
幼稚園〜高校の学習費総額の平均は、すべて公立の場合は約543万円、すべて私立の場合は約1,833万円です。
大学は、自宅から通うかアパートを借りるかによっても変わってきます。1年間の学費と生活費の合計は、自宅から通う場合は公立が約113万円、私立が約181万円です。アパートを借りる場合は公立が約168万円、私立が約250万円となっています。*3
教育資金は特に大学でまとまったお金がかかるため、大学進学にあわせて資金を準備することが大切です。
老後資金
老後の生活費の平均額(月額)は、2人以上世帯で約24万円、単身世帯で約14万円です。*4
旅行や趣味を楽しむなど、豊かなセカンドライフを送りたい場合はより多くのお金がかかります。
年金だけでは足りない場合、預貯金などを取り崩して生活費に充てなくてはなりません。仮に月5万円(年60万円)の取り崩しが必要なら、20年間で1,200万円、30年間で1,800万円が必要です。
また、年齢を重ねるほど医療費や介護費用がかかる傾向にあります。老後を安心して過ごすには、まとまった老後資金を準備する必要があるでしょう。
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ライフイベントでかかるお金を準備する方法
ライフイベントでかかるお金は、いくら必要かを見積もったうえで計画的に準備することが大切です。
たとえば、結婚や住宅購入など、準備期間が短いお金は一般的に預貯金が向いていると考えられます。一方で、教育資金や老後資金のように、将来に向けて使用するであろうお金の一部を投資信託で準備するのも選択肢です。
投資信託は値上がり益や利益の分配により、預貯金よりも資産を増やせる可能性があります。元本割れリスクもありますが、運用方法を工夫することでリスクの軽減が可能です。
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投資信託の投資対象資産とリスク・リターンの関係
投資信託は、投資対象資産によってリスクとリターンが異なります。
一般的にリスクは「危険」という意味で使われますが、資産運用では「価格の変動幅」を意味します。期待リターンが大きい資産ほどリスクも高い傾向にあります。投資信託の主な投資対象資産は以下の通りです。
- 国内株式
- 外国株式
- 国内債券
- 外国債券
- 国内REIT
- 外国REIT
株式やREIT(不動産投資信託)は、債券に比べるとリスク・リターンが大きい傾向にあります。*5
外国資産には為替リスクがある点にも注意が必要です。上記の資産をうまく組み合わせることでリスク軽減が期待できます。
また、1本で国内外の株式・債券・REITに投資できる「バランス型」と呼ばれる投資信託もあります。
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教育資金の準備と相性がよい投資信託
子どもが小さいうちに資産運用を始める場合、大学進学までは10〜15年程度の期間があります。
大学進学費用のように時間をかけて準備できるお金は、国内株式や外国株式の投資信託が向いていると考えられます。また、積立投資によって購入タイミングを分散させることで、リスク軽減につながります。
よりリスクを抑えて安定的な運用を目指す場合は、債券やREITにも分散投資ができるバランス型投資信託を検討しましょう。
少額投資非課税制度のつみたてNISAを利用すれば、運用益が課税されないので有利に運用できます。つみたてNISAには払出制限がないため、資金が必要なときにいつでも解約できるのも魅力です。
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老後資金の準備と相性がよい投資信託
教育資金と同じく、老後資金も国内株式・外国株式の投資信託が向いていると考えられます。
投資には、運用で得られた収益を再び投資することで、利息が利息を生んでいく「複利効果」があります。投資期間が長くなるほど、複利効果は大きくなる傾向にあります。老後資金は時間をかけて準備できるため、複利効果による資産の増加が期待できます。
老後資金の準備では、つみたてNISAのほかにiDeCo(個人型確定拠出年金)も検討するといいでしょう。iDeCoは原則60歳まで掛金を引き出せませんが、「運用益が非課税」「掛金が所得控除」などの税制メリットがあります。
通常は、退職時期が近くなるほど許容できるリスクは小さくなります。20〜30代なら投資で損失が生じても勤労収入でカバーできるかもしれませんが、50代以降は働ける期間が短いからです。
リスクを軽減するには、年齢とともに「預貯金を多めに保有する」「比較的リスクが低い国内債券投資信託の割合を増やす」といった工夫が必要です。リスクを抑えて安定したリターンを目指す場合は、バランス型投資信託も選択肢といえるでしょう。
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退職金・老後の資産運用と相性がよい投資信託
まとまった退職金を受け取ると、資産運用を検討するのではないでしょうか。老後も資産運用を続けることで、資産寿命(資産がゼロになるまでの期間)を延ばす効果が期待できます。
たとえば、2,000万円を毎月10万円取り崩す場合、まったく運用しないと16年8ヵ月で資産は底をつきます。一方、年2%で運用すると19年4ヵ月、年5%で運用する場合は27年6ヵ月まで資産寿命を延ばせます。*6
ただし、退職金や老後の資産運用は、一般的に高いリスクをとることに向いていません。退職後に資産運用で損失が生じると、老後の生活に大きな影響が出ます。
老後も運用を続ける場合は、株式や不動産よりもリスクが低い国内債券や外国債券の投資信託が向いているといえます。リスクをとって運用したい場合は、まとまった預貯金を確保したうえでバランス型投資信託を検討しましょう。
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まとめ
投資信託を活用すれば、ライフイベントでかかるお金を無理なく準備できる可能性があります。ただし、ライフイベントによって相性がよいと考えられる投資信託は異なります。資産ごとのリスク・リターンの関係を理解したうえで、自分にあった投資信託を選びましょう。
*1 出所)三菱UFJ信託銀行「結婚・出産にかかるお金はどれくらい?」
*2 出所)三菱UFJ信託銀行「マイホーム購入・リフォームにかかるお金はどれくらい?」
*3 出所)三菱UFJ信託銀行「教育資金はどれくらい?」
*4 出所)三菱UFJ信託銀行「老後の生活費はいくら必要?一人暮らしや夫婦の内訳と老後資金の準備方法を紹介!」
*5 出所)三菱UFJ銀行「年代別ライフプラン」
*6 出所)三菱UFJ国際投信「資産運用“知ってる度”アップ講座(第1回)」
・投資信託のリスクと費用については、こちらをご確認ください。
・当ページは当社が作成した情報提供資料であり、金融商品取引法に基づく開示資料ではありません。投資信託をご購入の場合は、最新の投資信託説明書(交付目論見書)および目論見書補完書面の内容を必ずご確認のうえ、ご自身でご判断ください。
三菱UFJ国際投信株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第404号/一般社団法人投資信託協会会員/一般社団法人日本投資顧問業協会会員