銀行口座を複数使い分けるとお金が貯まりやすい?メリットとデメリットを事例で解説

銀行口座を複数使い分けるとお金が貯まりやすい?メリットとデメリットを事例で解説

最近は、普段使いの実店舗銀行口座に加え、ネット専業銀行の口座も利用するなど、複数の銀行口座を持つ人が増えてきています。
しかしせっかく複数の銀行口座を持っていても、漫然と使っていては十分に活用できていると言えないかも知れません。
銀行口座をうまく使い分けることで、着々と預貯金を増やしたり、出費を抑えたりするなど、お金を上手に管理しやすくなります。
そこで本記事では、お金の流れをうまくコントロールするための銀行口座の使い分け方のアイデアを紹介します。

銀行口座を使い分けると、お金を貯めやすい

近年、日本では少子高齢化が進み、今の勤労世代が老後に年金だけで生活していくのは難しいという認識が広まってきました。
その影響で、若い世代を中心に、投資や節約などによって自分の財産を少しでも増やしていこうと考える人が増えてきています。

一つの口座でお金を貯めようとしても難しい

投資や節約をしていくために重要な第一歩は、比較的簡単に実行できる銀行口座の使い分けです。
なぜ銀行口座の使い分けが重要なのでしょうか。
それは、銀行口座を一つしか持っていないと、日常使いのお金を引き出す口座でお金を貯めようとするため、節約などで残高が増えても、つい出費に回してしまいがちだからです。
「がんばってお金を増やしたから、少しくらい使ってもいいか」と一度自分に出費を許すと、その後は色々と理由をつけて出費しやすくなります。

毎月、決まった金額を先に貯蓄用の口座へ

このように、一つの銀行口座だけで貯めようとしても難しいものですが、もう一つの銀行口座を持つと、状況が変わってきます
たとえば月3万円を貯蓄することを目標に決めた場合、お給料をもらった時点で、毎月すぐにもう一つの銀行口座に3万円を移すことにしてみましょう。そして、その3万円には一切、手を付けないことにします。
そうすると、給与振込用の口座ではお金の余裕がなくなり、毎月うまくやり繰りする必要がでてきます。その間、もう一つの口座のお金に手を付けずに乗り切ることができれば、毎月必ずお金が増えていくでしょう。
このように、常に「一定の枠内」を意識し日々のやり繰りを続ければ、お金を貯めやすくなるかと思います。まずは継続できることが重要なので、自分の状況に合った無理のない金額で始めてみましょう。

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複数の口座を持つなら、各口座の役割を明確にして使い分けを

ここまで、銀行口座を2つ使い分けるメリットについて簡単に説明しました。
そして場合によっては、メインで使う口座に加え、サブの口座を2つ以上持つとよい場合もあります。
以下で、口座を複数持つ場合の使い分け方の例を説明しますで、参考にしてください。

メイン口座:給与振込口座

まずは、会社員の方であれば、給与振込口座をメインの口座として使います。日常の支出は、このメイン口座から行います。
フリーランスの方であれば、毎月の生活に必要なお金を、事業用口座からメイン口座に振り替えるとよいでしょう。
どの口座をメイン口座にするかについては、勤務先が給与振込口座の銀行を指定している場合はそれに従います。
自分で選択できる場合は、利便性や各種の手数料が重要になります。家や勤務先の近くにATMがある手数料と自分の生活習慣の相性が良い、などの条件を考慮すると良いでしょう。

サブ口座①:貯蓄用の口座

サブ口座で一番重要なことは、貯蓄用の口座として適しているかどうかです。そのため原則として、貯蓄用の口座に入れたお金には手を付けないように、定期預金口座を利用するなど、一定期間引き出しができないような口座の利用を検討してみるのもよいでしょう。

また多くの銀行では、普通預金口座から毎月一定額を自動振替えできる「自動積立定期預金口座」を用意しています。振替手数料が無料であることも多く、検討する価値があるでしょう。

サブ口座②:投資資金をプールする口座

投資にお金を回したい人は、投資用の資金を入金する銀行口座も持つと、管理しやすくなります。投資対象には株式や投資信託など色々あり、投資すべきタイミングも、市況によって変わってきます。
しかしだからと言って、メイン口座から思うままに投資をしてしまうと、お金の管理自体ができなくなってしまいます。
それに対し、投資用の資金をプールする口座を持ち、毎月一定額を貯めて、それを原資に投資を行うようにすればどうでしょうか。自分のお金を管理しながら、無理なく投資を続けやすくなります
思い立ったときだけ投資にお金を回すのではなく、毎月一定額を投資資金に回せると、投資の原資が着実に増えていきます。
その他にも、証券口座を開設する必要がありますが、証券口座であれば少額から購入可能な投資信託を決まったタイミングで決まった額を自動買い付けするサービスもあるので、直接積立投資に回してしまうのも、一つのアイデアでしょう。

サブ口座③:フリーランスや副業のための事業用口座

フリーランスや副業など、個人で事業をするなら、事業の収支を別管理するための事業用口座を持つと楽になります。
もしメイン口座から事業用の支出をすると、確定申告に向けて帳簿を作るにあたり、事業用の出費をひとつひとつ抜き出すことになり大変です。
それに対して、事業用の支出は事業用の銀行口座から行うと決めていれば、その口座の明細をそのまま帳簿作成に使うことができます。事業からの収入も、事業用口座に入るようにするとよいでしょう。
なおクレジットカードをよく使う方は、事業用のクレジットカードも持つと、同様に便利になります。

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銀行口座の主な種類

ここまで銀行口座の使い分け方について解説してきましたが、銀行口座そのものにも色々な種類があります。
それぞれの特徴に応じ、目的や用途によって使い分けると良いでしょう。

普通預金口座

普通預金口座は、自由に預け入れや払い戻しができる銀行口座です。
一般に給与振込口座や生活費の決済口座として使われていますが、サブの口座を持つ場合も、普通預金口座で構いません。
なお、各銀行は現在、犯罪や不正防止の観点から、1人が開設できる普通預金口座は原則として1つまでとしています。*1
そのため、普通預金口座を複数持つなら、メインの口座とは別の銀行を利用するのが原則となります。

定期預金口座

定期預金口座は、預入期間を指定して預け入れ、満期までお金を引き出すことができない銀行口座のことです。どうしてもお金が必要な場合は、定期預金を中途解約する必要があります。
一般に、定期預金の利息は普通預金よりも高いため、その点も定期預金のメリットのひとつです。ただし、現在は低金利のため、定期預金口座を利用することで大きな金利差を期待することは難しいでしょう。
お金を引き出せないことにより確実に貯金を増やしたい人が利用すべき口座と言えます。

総合口座

総合口座は、普通預金、定期預金に加え、自動借り入れもセットされた、大変便利な口座です。*2
定期預金があるとそれを担保に一時的な借り入れができますが、一般に、借り入れの利率は定期預金の利率より高いので、注意する必要があるでしょう。
もし借入が続くようであれば、それは無理をして定期預金をしている状態といえます。
そのため普通預金口座一本に絞り、定期預金で貯めたお金の取り崩しを検討したほうがいいかもしれません。

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口座を複数持つデメリットも知っておこう

以上、銀行口座を複数持つメリットを説明しましたが、最後にデメリットについても押さえておきましょう。

口座間でお金を振り分けるときの振込手数料

基本的に、別銀行の口座に振込みをすると振込手数料が発生します。少額とは言え、繰り返せば大きな金額になります。
振込みはメインの口座からサブの口座に行うことが多くなるので、メインの銀行口座の振込手数料が重要になります。
メイン口座をこれから決める人は、振込手数料について十分に調べ把握し、選択する必要があるでしょう。

口座が多すぎると管理の手間やコストが生じる

必要以上に多くの銀行口座を持つと、管理の手間が発生します。最低限必要な数の銀行口座を持てば十分です。
また最近は、一定期間残高の動きがない銀行口座に「未利用口座管理手数料」を課す銀行が増えてきました。不要な手数料を払うことにならないように、注意しましょう。

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まとめ

これまで銀行口座を複数持つメリットと、使い分けの考え方を中心に説明してきました。
口座の使い分けを意識せずに何となくお金を使っていた人ほど、使い分けによる効果が期待できます。
お金と賢く付き合うためにも、自分に合った銀行口座の使い分けを試してみましょう。

*1 出所)一般社団法人全国銀行協会「教えて!くらしと銀行


*2 出所)三菱UFJ銀行「総合口座

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三菱UFJ国際投信株式会社

金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第404号/一般社団法人投資信託協会会員/一般社団法人日本投資顧問業協会会員

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