老後の保険はどれくらい必要?医療費や介護費用などを確認し必要な金額を備えよう

老後の保険はどれくらい必要?医療費や介護費用などを確認し必要な金額を備えよう

保険には生命保険や医療保険、介護保険などさまざまな種類があり、年代によって必要な保障の内容も変わるものです。
一般的には、子どもが生まれたり、小学校や中学校に入る頃など、ライフステージの変わり目が保険の見直しをするタイミングと言えるでしょう。
自分のリタイアが近づく頃も、見直しの良いタイミングです。

そこで本記事では、リタイアが近い世代が老後に向けて備えておくべき保険や見直しの方法について、説明します。

老後のための保険は「介護」をメインに

リタイアが近づく年代では、子どもがいる家庭でも、子育てのヤマは越えていることが多いかと思われます。親に万が一のことがあった時の子どもへの経済的な出費も、比較的軽いものとなっているでしょう。
そのため、親自身の健康や、介護状態になったときに備えて保険を考えましょう。セカンドライフを迎える自分のために必要な備えを準備する必要があります

老後に必要な保険を考える場合、以下のような内容を検討する必要があります。

介護保険

介護が必要な状態になると、公的介護保険では、その人の所得に応じて利用料の1割~3割の自己負担で介護サービスを受けることができます
また、基本的には認定された要介護(要支援)の度合いによって受けられるサービスの限度額が決められています。家族への介護負担を抑えたい等の理由で限度額を超えてサービスを受けることもできますが、その分は全額自己負担になります。

そこで、自己負担となる分を民間の介護保険で備えておくと安心でしょう。

医療保険

一般的に、年齢を重ねるごとに身体の不調を感じて受診する回数が増えたり、病気やケガのリスクが高まります。
実際、厚生労働省のデータでも50歳を越える頃から1人当たりの医療費平均額が加速度的に上昇しています

たとえば、50~54歳では1人当たりの平均医療費は年間23万円、60~64歳で年間36.8万円、70~74歳で年間60.4万円*1_p94と上がっています。
もっとも、公的医療保険が適用された後の実際の平均的な自己負担額は、100歳までの間でも年間9万円までに収まっています*1_p94

もちろん軽い負担ではありませんが、思っているよりも大きな負担ではないと感じる方も多いのではないでしょうか。それでも、病気の種類や進行度合いなどによっては必要になる金額にはやはり差があります。入院や治療が長引く場合や、高額な治療費が必要になる場合などに備えて、医療保険に加入しておくのもいいでしょう

死亡保険

リタイアが見えてきた世代では、大きな死亡保障は必要ないと考えるかもしれません。

しかし配偶者よりも自分が先立った場合の葬儀費用などは準備しておきたいと考える人が多いようです。
そのほか、お墓の購入費用やマイホームの相続税等を準備するという意味で、生命保険への加入を検討する人もいます。

それぞれの必要性に合わせて検討しましょう。

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自分が加入している保険内容を棚卸し

日本では、30代~60代の人の8~9割近くが保険に加入しているというデータがあります*2_p184

若い頃に入ったまま見直しをしていないという場合には、すでに不要になっている保険もあるかも知れません。リタイアが近づき老後の準備を具体的に考えるようになったら、保険の棚卸しをしてみましょう

必要な保障が不足していたり、不要になった保障を継続している可能性もあります。
保険証券に記載されている内容から次のようなポイントをピックアップして、一覧にしてみましょう。保障の内容の確認がしやすくなります。

保険会社名

複数の保険会社で契約している場合、見直しが必要となったときにどの会社に連絡すればよいかわかりやすくなります。

保険種類

商品名ではなく、死亡保険や医療保険(入院、手術、通院給付金など)、がん保険、介護保険など具体的な保険内容を記載しましょう。

保険期間

「○年間」となっている場合には「△歳の何月何日まで」と具体的に記載してみましょう。いつまで保障が受けられるかイメージしやすくなります。

保険金額

契約の途中で保険金額が変わる場合には、期間ごとの保険金額を記載しておきましょう。

保障内容

給付金の日額だけでなく、何日入院すれば給付金が支払われるか、最長・通算で何日分まで支払われるかなどについても記載しておきましょう。

保険料

契約ごとの保険料を記載しておきましょう。

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プレ・リタイア世代の保険の入り方・保障の備え方

加入している保険の棚卸しをすることで、要らなくなった保障、これから備えが必要な保障を整理できれば、できるだけ早い段階で見直しを検討しましょう。
保険の見直しは必要に応じた保障のメンテナンスをするだけでなく、不要な保険料を削り、家計を改善する良い機会でもあります。

一般的に保険料は、年齢が上がるほど高くなります。

また健康上の不安が出てきて「引受基準緩和型」への加入が必要になるなど、メンテナンスを後延ばしにすると返って保険料が高くなるのでは、本末転倒です。
できるだけ保険料を抑えるためにも、有効活用できる部分はそのまま残し、足りないものを必要な分だけ加えていくことを検討しましょう。

例えば葬儀費用、お墓の購入費用、配偶者の生活費など必要と思われる金額を確保したうえで、不要になった保険契約を減額または解約し、終身保険部分を残すという方法です。

現在加入している保険に付加されている医療保険特約が何歳までなのか、何歳まで更新できるのかを確認することも大切です。

たとえば、現在加入している医療保険の特約が最長80歳までなら、その特約を外して、別途、終身医療保険へ加入するのも一つの選択肢でしょう。人生100年時代とも言われる現在では、80歳以降も保障が得られる医療保険があると安心できそうです。
この場合は、生涯保険料を払い続けることになりますが、1回当たりの保険料が少なくなる可能性もあり、個別の契約の内容に応じて適宜見直していくことが大切です。

介護保険については、今から加入を検討するという場合、どういう状態になれば給付金が支給されるのかをきちんと確認しておきましょう。

民間の介護保険の給付基準は、一般的に公的介護保険の認定基準に基づいていますが、保険会社によって基準が異なる場合があります。

また、要介護状態になったときに、一時金または年金、またはその両方で給付金が支給されるなど商品により保障の内容は様々です。


生命保険文化センターの調査によると、介護に必要な金額は、一時的に必要となった平均的な費用で69万円*3_p164、月々の介護費用で平均7万8,000円*3_p165となっています。
介護期間は平均54.5カ月*3_p162となっており、合計すると約500万円かかる計算になります。

このように考えると老後資金を準備するときには、一時金と年金の両方で給付金が受け取れる保険に加入しておくと安心でしょう

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保険の備えと同時にお金の備えも検討しよう

医療や介護に備えて保険に加入しておくことは老後の安心につながります。

しかし、老後には経済的な心配をしないで生活していけるための準備も大切です。

保険を見直しする際は、できるだけ保険料負担が軽くなることを目指し、その分、老後の生活資金の準備に回すよう心がけてみましょう。
老後に向けた資産形成では、「リタイアまでにいくらを目標」と言われることがあります。
保険の見直しとともに、まずは現在所有している資産のポートフォリオと運用を見直してみるのも、良いかもしれません。

*1 出所)厚生労働省「医療保険に関する基礎資料(平成30年度)

*2 出所)公益社団法人 生命保険文化センター「令和元年度・生活保障に関する調査

*3 出所)公益社団法人 生命保険文化センター「平成30年度・生命保険に関する全国実態調査

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