結婚は、人生の一大イベントです。たいへんおめでたく幸せな出来事ではありますが、一方で結婚にはまとまった出費が複数回発生することとなり、新郎新婦にとっては重い負担となることもあります。特に若い世代では、資金不足を理由に、結婚を先延ばしにする例も少なくありません。
お金が足りないために結婚できない、思い描いた通りの門出を実現できない、というようなことにならないよう、将来の結婚に向けて計画的に資金を貯蓄しておくのが良いでしょう。
では、結婚をするとなった場合、どのような費用がどのくらいかかるのでしょうか。結婚にかかる費用の全体像をつかむため、以下でそれぞれ具体的に見ていきましょう。
両家顔合わせ・結納
結婚が決まって最初に発生する大きな出費は、両家顔合わせ・結納の場面です。
両家顔合わせについては、新郎・新婦及びそれぞれの親が参加する食事会がセットされるのが通常です。会場となるお店の価格帯にもよりますが、会場費と食事代で総額数万円から20万円程度の出費が見込まれます。また、親以外の親族も参加する場合には、より多額の出費が必要となります。
さらに、結納を行う場合には、上記の会場費・食事代の他、結納金・結納品・結納返し等の準備にかかる費用が発生し、両家それぞれ数十万円から百数十万円程度まで費用負担が膨らみます。
但し、近年は結納を行わないことを選択する夫婦も多く、その場合、費用負担は大きく軽減されます。結納を行うかどうかは両家の方針によるところが大きく、事前にそれぞれの親との間で、費用負担の観点も含めて相談をしておくのが良いでしょう。
また、両家顔合わせ・結納にかかる費用は親と新郎・新婦との間で分担がなされることも多いので、新郎・新婦の側で経済的に余裕がない場合には、費用について親に相談してみましょう。
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婚約指輪・結婚指輪
夫婦結婚の証として、婚約指輪や結婚指輪を購入する場合には、大きな費用負担が発生します。
婚約指輪は新婦のみが着用し、一般には大きな宝石が使用されている等、高価なものが選ばれる傾向にあります。価格は、数十万円程度のものから100万円を超えるものまで様々です。但し、近年では費用面その他の理由から、婚約指輪を購入しない選択をする夫婦も増えています。
一方、結婚指輪はそれぞれが日常的に着用するものとして購入する夫婦が多く、価格帯も比較的低くなる傾向にあります。リーズナブルなものであれば、数万円から十数万円程度で購入できる場合もあります。
婚約指輪や結婚指輪の購入にかかる費用は、夫婦の選択・方針によるところが大きいので、夫婦間で費用の観点も含めてよく話し合って決めるのが良いでしょう。
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結婚式
結婚に伴うイベントの中で、通常最も大きな費用が発生するのが結婚式です。
結婚式費用の総額の目安は、50人規模で200万円から400万円程度、100人規模で400万円から600万円程度となります。
金額の大小は主に会場選択と参列者の人数規模によって決まりますが、衣装、演出、小道具等の細部にこだわる場合には、より費用が膨らむことになるので注意が必要です。また、遠方在住の招待客が多い場合には、車代を渡すことが慣例となっています。
なお、参列者から受け取るご祝儀によって、費用総額の一部(おおよそ半分から3分の2程度)の資金を最終的には回収できますが、費用の支払いは結婚式当日よりも前に行うものとされている式場が多いため、その場合は事前に費用総額の全額を支払える状態にしておく必要があります。
このように、重い費用負担が見込まれる結婚式ですが、もちろん必ず開催しなければならないというものではなく、また、開催するとしても、親族のみのごく少人数で、カジュアルな食事会の形式で行う等の選択肢もあります。親族式の場合、総額で数十万円から100万円程度の費用負担に抑えられる場合もあります。
また、結婚式費用については、親と新郎・新婦との間で分担がなされることもありますので、新郎・新婦の側で経済的に余裕がない場合には、費用について親に相談してみましょう。
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同居を始めるための費用
夫婦が新たに同居を始めるに当たっては、生活に必要となる環境を整えるために多額の出費が発生します。
特に大きな出費となるのが、住居となる物件を借りるためにかかる費用です。通常、物件を借りる際には、契約時に1.初月の賃料、2.敷金、3.礼金、4.仲介手数料、5.その他費用を一括で払う必要があります。
どのくらいの金額になるかは立地や間取りにもよりますが、数十万円規模の出費になることも少なくありません。但し、上記の費用のうち、敷金・礼金についてはゼロ又は低額に設定されている物件もあり、また、仲介手数料についても業者や物件ごとに異なりますので、これらの費用が低く設定されている物件を選択することにより、初期費用を一定程度抑えることも可能です。
また、生活に必要な家具・家電をそろえるための費用も発生します。冷蔵庫・洗濯機・テレビ・エアコン等の家電は一台あたり数万円から二十数万円程度の購入費用がかかりますし、テーブル・椅子・ソファ・棚等の家具を準備するにもさらに費用がかかります。
但し、実家や友人から中古品を譲り受ける等の方法により費用負担を軽減することができる場合もあります。
加えて、引っ越しを業者に依頼する場合には引っ越し費用がかかります。金額は業者や荷物の量によって異なりますので、複数の業者から見積もりを取り寄せて、より安価な業者を選択することによって出費を抑えることが可能です。
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まとめ:計画的な貯蓄を
以上に見てきたように、結婚にはあらゆる場面で多額の費用がかかることになります。
そこで、自分の思い描く結婚像をイメージしつつ、それぞれの場面でかかることが見込まれる費用をおおまかにでも良いので計算してみて、必要となる費用の総額を支払えるよう計画的な貯蓄を始めてみてはいかがでしょうか。
貯蓄をするに当たっては、1.自分が結婚をしたいと思う時期と、2.必要となる費用の総額を設定して、「1か月当たりの貯蓄をすべき金額」を計算してみるのが良いでしょう。
もちろん、貯蓄をすることによって日々の生活に無理をきたしてしまってはいけませんので、その金額を貯蓄することが現実的に無理なく可能か、という観点を持つことも重要です。
計画通りに貯蓄をすることが難しそうであれば、結婚に関するプランを見直す必要があります。各項目で述べたように、それぞれの費用がどのくらいの金額になるかは夫婦によってまちまちですので、自分たちにとって必要なものとそうでないものを見極め、できるだけ理想を損なわずに、費用総額を抑える工夫も必要でしょう。
既にパートナーがいる場合には、パートナーとの間で結婚に関する費用について話し合い、二人で一緒に貯蓄を始めてみるというのも良いのではないでしょうか。