ポイント
私たちが普段何気なく行っているお金の使い方は、将来の生活や人生設計に大きく影響します。
特に、無理のない範囲で貯蓄を始めたり、家計簿アプリを活用したりしながら、使えるお金の枠組みを意識する習慣作りは重要です。
一方で、知らず知らずのうちに繰り返している行動が、将来的な資産形成を妨げてしまうケースも少なくありません。そこで、この記事では、やってはいけないお金の習慣として代表的な7つの事例を取り上げ、その背景や対策について解説します。
やってはいけないお金の習慣7選
1. セールや限定品に飛びつく
ールや限定品と聞くと、得をした気持ちになり思わず購入してしまう方は多いのではないでしょうか。割引や「限定数」といった表現を見ると、「今だけお得」と感じて、つい不要な買い物をしてしまいがちです。
しかし、日々の支出が収入の範囲内に収まることが家計管理の基本です。こうした衝動買いは、手元の予算や今後の生活まで考えが及ばないことが多く、買い過ぎてしまい支払いに苦労するようでは、生活全体のバランスが崩れるリスクがあります。*1
特にセールでは、流行品や在庫処分品が多く並び、「安いから買う」という心理が働きやすく、これが積み重なると、出費がかさみ家計を圧迫する要因となります。
本当に必要かどうかを冷静に見極め、欲しいもの(ウォンツ)と必要なもの(ニーズ)を区別することが大切です。買い物前にリストや予算を設定し、その範囲内で購入することで無駄を減らせます。また、固定費の見直しと並行して、衝動買いにも基準を設けるとよいでしょう。こうした地道な意識が、将来的に大きな差につながる可能性があります。
2. 自分への頻繁な「ご褒美」の購入
仕事や学業を頑張った自分への「ご褒美」を買うことは、気持ちを高めモチベーション維持に役立つ面もあります。しかし、頻繁に高価なものを買い続けると、いつの間にか習慣化し、収入以上の支出につながる恐れがあります。
特に収入が限られがちな20代のうちから、ご褒美出費が常態化すると、貯蓄の余裕がなくなり将来に影響します。若い頃から貯蓄習慣を作ることで、後々の生活設計の自由度が大きく変わります。*2
また、ご褒美という形で頻繁に買い物をすると、それが心理的な報酬となり、必要性を十分に考えずにお金を使う傾向が強まる可能性があります。家計を健全に保つには、まず生活費や固定費などを確保したうえで、娯楽や贅沢品の予算を決め、その中からご褒美を選ぶ方法が効果的です。政府広報オンラインが紹介する家計管理の考え方のひとつに、支出の優先順位を区分し、ウォンツは本当に必要かどうかを見極める姿勢が家計管理のポイントとされています。
短期的な満足に流されず、長期的な視点でお金の使い方を見直しましょう。*1
3. コンビニATMの頻繁な利用
コンビニATMを頻繁に利用する方は、手数料の積み重ねを見逃しがちです。1回数百円の手数料でも、月単位・年単位で見ると無視できない額になります。預金口座からの引き出し回数が多いほど出費が増え、計画性を欠くと家計を圧迫します。
特に「急に現金が必要になった」ときに安易に利用すると、手数料がかさむリスクがあります。
家計を健全に保つには、むやみに現金を引き出すのではなく、1か月分や1週間分などの予算をまとめて引き出す、またはネットバンキングやキャッシュレス決済を活用する方法があります。手取り収入と支出を見える化し、計画的にお金を動かすことが効果的です。
また、手数料無料の条件を満たす口座や利用時間帯を意識すると、小さな出費を着実に削減できます。こうした細かなところに意識をもつことが、最終的に大きな貯蓄や余裕につながります。
4. クレジットカードのリボ払い利用
クレジットカードは現金を持たずに支払いができる便利なツールですが、利便性の裏には金利や手数料のリスクもあります。その代表例がリボルビング払い(リボ払い)です。リボ払いは月々の支払いを一定額に抑えられる一方、元金がなかなか減らず高い利息負担を背負う可能性があります。
意図せずリボ払い専用カードを契約したり、知らないうちに支払方法がリボ払いになっていたりするケースもあるため、利用前の契約内容確認は欠かせません。*3
また、「後払い」で買い物をすることは、一定期間「借金」をしているのと同じです。最近ではBNPL(Buy Now Pay Later)の普及が進み、海外の金融当局や民間調査機関の報告では、BNPL 大手業者の貸付残高が急拡大していると報告され、特に若年層を中心に過剰債務の増加が懸念されています。
クレジットカードやBNPLを含む「後払い」の仕組みは、支払い計画の管理が甘くなると家計トラブルにつながる恐れがあります。万一延滞してしまうと、個人信用情報機関に遅延情報が登録され、将来的に新たなカード発行やローンが通りにくくなるリスクもあります。
利便性とリスクを十分理解し、支払方法を計画的に選びましょう。
5. 必要以上に高額な生命保険への加入
保険は将来の不測の事態に備えるための仕組みですが、高額な生命保険や特約を複数付けすぎると、毎月の保険料が家計の大きな負担になります。保険には公的保険制度でカバーされる部分と、民間の生命保険・損害保険で補う部分があります。
自分や家族のライフプランを考慮し、本当に必要な補償内容を見極めることが大切です。
見直しの際は、新しいサービスやダイレクト型の保険商品も含め、定期的に比較検討することが推奨されます。保障内容が大きいほど安心に思えますが、実際の生活リスクと照らし合わせて優先度を吟味しなければ、不要な保険料を払い続けることになりかねません。家族構成や住居環境が変わったときなど、ライフスタイルに応じて保険内容を更新する必要があります。
公的保険と民間保険のバランスを意識し、無理のない家計を維持しましょう。
6. タンス預金の実施
銀行に預けるよりも自宅で現金を保管する方が安全だと考える方もいますが、タンス預金ではお金が増えることはなく、現状ではインフレーションが進めば実質的な価値が目減りするリスクもあります。将来的な資産形成を考えるなら、定期預金や積立、投資などの仕組みも考慮することが重要です。*4
また、自宅に現金を置くことで災害や盗難などのリスクも高まります。手元にあるとつい使ってしまう場合、心理的な面でも、タンス預金は計画的な貯蓄には向きません。家計簿や自動積立の仕組みを活用し、余剰資金を目的に合わせて分散管理するのが望ましいでしょう。
人生のさまざまな場面で必要となるお金を考えたとき、タンス預金では資金を十分に活かせません。貯蓄と投資を上手に組み合わせることで、安心感と将来の可能性を広げることができます。
7. 見栄を張るための無駄遣い
他人の目を意識して無理をする出費も注意が必要です。ブランド品や高級車など、本来の生活水準を超えた買い物は、自分に合った金銭計画を狂わせる原因となります。必要ない高級品を手に入れるためにローンを組んだり、高額な外食を繰り返したりすると、将来的に貯蓄に回せるはずのお金が減るだけでなく、最悪の場合は返済能力の限界を超えてしまう危険もあります。
見栄を張る出費は、周囲の評価を気にしているうちは満足感を得られるかもしれませんが、長期的に見れば家計を圧迫し続けます。
必要性の薄い支出を繰り返す前に、本当にその負担を背負う価値があるかを冷静に考えましょう。
繰り返しになりますが、政府広報オンラインでは、家計の支出を「ニーズ(必要)とウォンツ(欲しい)」に分けて管理することが重要としています。*1
見栄を張るための過大な買い物は多くがウォンツにあたり、こうした無駄遣いを削減できれば、無理せず貯蓄を増やすことが可能です。生活の満足度を維持しながら出費を見直すことで、将来の選択肢を広げることができます。
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おわりに
お金の使い方は、日々の心がけから磨き上げていくものです。セールや限定品への衝動買い、頻繁なご褒美、リボ払いなど、一見魅力的であったり便利に感じたりする行動にも思わぬ落とし穴があります。短期的には満足や利便性を得られても、長期的に見ると家計に大きな影響を及ぼすことが少なくありません。
本記事で紹介した7つの「やってはいけないお金の習慣」を意識して避けつつ、日常の支出全体を把握することが資産形成への第一歩です。
毎日の習慣を少しずつ見直していくことで、将来の不安を和らげ、より多くの選択肢を持てるようになります。
*1 出所)政府広報オンライン「 お金の勉強をしませんか?社会人として知っておきたいお金の話」
*2 出所)三菱UFJ銀行「家計簿アプリや貯蓄アプリを使って、節約・貯蓄の一歩を踏み出そう!」
*3 出所)消費者庁「消費者教育ポータルサイト 【若者向け注意喚起シリーズ<No.7>】18歳から大人に!クレジットカードの使い方を考えよう!|啓発チラシ・啓発動画を探す|」
*4 出所)政府広報オンライン「「金融リテラシー」って何? 最低限身に付けておきたいお金の知識と判断力 | 」










