投資を始めると、よく目にするものの1つに、インデックスファンドとアクティブファンドがあります。
どちらも投資信託の一種ですが、運用方針や投資対象、目指す成果に違いがあります。
本記事では、インデックスファンドとアクティブファンドの違いを整理し、目的や投資スタイルに応じた使い分けのポイントを分かりやすく解説します。
投資信託(ファンド)とは
投資信託とは、複数の投資家から集めたお金を、資産運用の専門家がまとめて投資・運用し、その運用の成果として生まれた利益を投資家に還元する商品です。*1
株式や債券、不動産など複数の資産を組み合わせて作っているパッケージ商品で、安全性を重視したものから収益性を重視したものまで、さまざまな種類があります。
投資信託の特徴は、「専門家が運用」「少額から投資可能」「分散投資でリスク軽減」の3点です。*2
図1 投資信託の仕組み
出所)金融経済教育推進機構(J-FLEC)「10回お金をふやす②~分散投資の意義と投資信託の仕組みと特徴」p.24
投資信託は、さまざまな金融商品を組み合わせるため、組み合わせる商品によってリスクとリターンの程度が変わります。
金融商品のリターンとは「資産運用を行うことで得られる成果」のことです。また、リスクとは、「リターンが不確実である(予測できない)こと」です。*3
リスクを低く抑えようとするとリターンは低下し、逆に高いリターンを得ようとするとリスクも高まります。
図2 リスクとリターンの関係
出所)日本証券業協会「LESSON3 投資って安全なの? リスクとリターン」
投資信託は、図2からもわかるように、商品によってリスク・リターンがさまざまです。
また、投資信託の運用成績は市場の状況によって変わります。投資信託の購入後に投資信託の運用がうまくいって利益が得られることもあれば、運用がうまくいかず投資した額を下回って、損をすることもあります。*4
投資信託の運用によって生じた損益は、投資家の自己責任です。つまり、投資信託は元本が保証されている金融商品ではありませんので、留意が必要です。*2
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インデックスファンドの特徴
インデックスファンドとアクティブファンドとはどのようなものでしょうか。また、違いはどこにあるのでしょうか。
インデックスとは
インデックスとは、市場の動きを示す特定の指数のことです。
代表的なものには、以下のようなものがあります。*5, *6
- 国内:日経平均株価(日経225)、TOPIX(東証株価指数)、JPX日経インデックス
- 国内外:MSCI ACWI(オール・カントリー・ワールド指数)
- 海外:NYダウ、S&P500(米国)、MSCI KOKUSAI(先進国)、MSCI Emerging Markets(新興国)
このうち、国内の代表的なインデックスである日経平均株価とTOPIXの特徴を押さえておきましょう。*7
日経平均株価とは、東証プライム市場に上場している4,000以上の銘柄のうち、市場を代表する225銘柄を対象とした株価指数です。
また、株価の単純平均をベースに算出しているため、株価の高い銘柄の影響を大きく受ける傾向があります。
図3 日経平均株価の特徴
三菱UFJ eスマート証券 カブヨム「日経平均株価とTOPIX>日経平均とTOPIXとは?それぞれの違いと特徴を分かりやすく解説」(2020年9月23日、最終更新日2024年10月29日)
次にTOPIXとは、「Tokyo Stock Price Index」の略で、東証株価指数とも呼ばれます。
TOPIXはかつて「東証第一部に上場しているすべての銘柄」が対象でしたが、2022年4月に、東証が市場区分を「プライム市場」「スタンダード市場」「グロース市場」の3つに分類したことで、TOPIXの構成条件は次のように変更となりました(2024年10月現在)。
- プライム市場に上場している銘柄
- 2022年4月の新市場区分再編成当時のTOPIX構成銘柄のうち、スタンダード市場・グロース市場を選択した銘柄
ただし、TOPIXは、将来的には全市場区分(プライム市場、スタンダード市場、グロース市
場)を対象とし、より機能性を高めるための見直しを段階的に実施する方針です。
TOPIXは株価の平均ではなく、時価総額合計を計算対象にしているため、時価総額の大きい銘柄の影響が大きくなります。
そのため、日経平均と比較すると、相場全体の動きを反映しやすいという特徴があります。
図4 TOPIXの特徴
出所)三菱UFJ eスマート証券 カブヨム「日経平均株価とTOPIX>日経平均とTOPIXとは?それぞれの違いと特徴を分かりやすく解説」(2020年9月23日、最終更新日2024年10月29日)
インデックスファンドのメリットとデメリット
インデックスファンドとは、このようなインデックスに連動するように設計された投資信託です。*6
特定の指数と似た値動きをするため、市場並みの運用成績が期待できますが、基本的に市場平均を大きく超えるリターンは得られません。
インデックスファンドは、市場全体の動きにほぼ連動して値動きするため、仕組みがシンプルでわかりやすいのが大きなメリットです。たとえば、日経平均株価やTOPIXは、ニュースや新聞で簡単に動きを確認できます。*8
運用は特定の指標に連動するよう機械的に行われるため、ファンドマネージャーの腕前による差が出にくく、その分、運用にかかる費用(信託報酬)も比較的低く抑えられています。
ただし、市場が下落すると、それにあわせてインデックスファンドの価格も下がってしまう点には注意が必要です。
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アクティブファンドの特徴とインデックスファンドとの違い
次に、アクティブファンドとはどのようなものでしょうか。
また、インデックスファンドとの違いはどんなところにあるのでしょうか。
「アクティブファンド」とは
アクティブファンドとは、市場平均(指数)を上回る成績を目指して運用される投資信託です。*6
運用は、ファンドマネージャーと呼ばれる投資の専門家が担当し、市場の動きや企業の状況を独自に調べたうえで、投資する銘柄を選びます。
たとえば、将来の成長が期待できる企業や、本来の価値より安く評価されている企業に注目して投資することがあります。
ファンドマネージャーの判断がうまくいけば、市場全体より高いリターンが得られる可能性もあります。
一方で、詳しい調査や分析に人手と時間がかかるため、インデックスファンドに比べて手数料が高い傾向がある点には注意が必要です。
インデックスファンドとアクティブファンドの運用方針
以下の表1は、インデックスファンドとアクティブファンドの運用の違いをまとめたものです。
表1 インデックス運用とアクティブ運用
出所)金融庁「 NISAを利用する皆さまへ」(2024年6月, 2025年9月改訂)p.13
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投資スタイルに合わせた使い分けを
これまでみてきたように、インデックスファンドとアクティブファンドには、それぞれにメリットとデメリットがあり、どちらがいいかは一概にはいえません。*6
どこまでリスクを許容できるか、どのような成果を目指すかをしっかり考えた上で、自分の投資の考え方や目的に合った運用方法を選ぶことが大切です。
たとえば、「リスクやコストをなるべく抑え、長くコツコツ運用したい」という人には、インデックスファンドが向いているでしょう。
それとは反対に、「ある程度の資金で高いリターンを狙いたい」「特定の分野や企業に魅力を感じている」という人は、アクティブファンドを検討してもよさそうです。
しかし、どちらか一方に決める必要もないかもしれません。インデックスファンドとアクティブファンドの両方に分けて投資し、さらにリスクの分散を試みる方法もあります。
ご自分の投資スタイルに合わせて検討してみてはいかがでしょうか。
*1 出所)日本証券業協会「LESSON4 商品ごとのリスクとリターンを知ろう 金融商品の特徴>投資信託」
*2 出所)金融経済教育推進機構「10回お金をふやす②~分散投資の意義と投資信託の仕組みと特徴」p.24, 25
*3 出所)日本証券業協会「LESSON3 投資って安全なの? リスクとリターン」
*4 出所)投資信託協会「そもそも投資信託とは?」
*5 出所)金融庁「NISAを利用する皆さまへ」(2024年6月, 2025年9月改訂)p.13, 14
*6 出所)三菱UFJ銀行「インデックスファンドとアクティブファンドの違いは?初心者はどちらが始めやすい?」
*7 出所)三菱UFJ eスマート証券 カブヨム「日経平均株価とTOPIX>日経平均とTOPIXとは?それぞれの違いと特徴を分かりやすく解説」(2020年9月23日、最終更新日2024年10月29日)
*8 出所)日本証券業協会「アクティブ運用とパッシブ運用どちらがいいの?」










