ノーロードとは 投資コストを抑えて上手に資産を形成しよう

ノーロードとは 投資コストを抑えて上手に資産を形成しよう

投資信託への投資を検討していると、「ノーロード」という言葉を目にすることがあります。
「ノーロード」とは購入時にかかる手数料が「無料」の投資信託を指します。

しかし、その仕組みや注意点を正しく理解しておかないと、思わぬ誤解が生じるおそれもあります。

この記事では、ノーロードの意味やメリット、注意点をわかりやすく解説します。

投資信託とは

ノーロードについて理解するためには、まず投資信託の仕組みを把握することが必要です。
そもそも投資信託とはどのようなものでしょうか。

投資信託の仕組み

投資信託は、販売を行う「販売会社」、運用を行う「運用会社」、そして資産の分別・保管業務を行う「信託銀行」というそれぞれ専門の機関が役割を果たすことで成り立っている金融商品です(図1)。*1

図1 投資信託の仕組み
出所)投資信託協会「投資信託の仕組み

「運用会社」で作られた投資信託は、主に証券会社、銀行、郵便局などの「販売会社」を通じて販売され、多くの投資家からお金を集めます。
投資家から集めたお金はひとつにまとめられ、資産管理を専門とする「信託銀行」に保管され
ます。

運用会社は集めたお金をどこにどのように投資するのかを考え、お金を管理している信託銀行にその投資の実行を指図します。
このことを運用指図といい、運用会社がその権限を持っています。
そして、運用指図を受けた信託銀行は、その指示に従って株や債券などの売買や金銭の管理を行います。

インデックスファンドとアクティブファンド

投資信託の運用方法には、大きく分けて「インデックス運用」と「アクティブ運用」の2種類があります。*2

インデックス運用とは、市場の値動きを一定の計算方法によって数値化したインデックス(指数)に連動する運用を指します。日本の代表的な指数には、日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)があります。
こうしたインデックス運用を行うファンドが「インデックスファンド」です。

一方、アクティブファンドとは、日経平均株価やTOPIXなどの株価指数を上回る運用成果を目指すファンドを指します(図2)。

(*1)ベンチマークとは、運用の目標値となる指数です。代表的な例として、日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)などが挙げられます。

図2 インデックス運用とアクティブ運用
出所)三菱UFJ銀行「ファンド選びの考え方

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「ノーロード」とは

投資信託にはどのような費用がかかるのでしょうか。
また、ノーロードとはどのようなものでしょうか。

投資信託の主な費用

投資信託の主な費用には、下の図3のように、買うときにかかる「購入時手数料」、持っている間にかかる「信託報酬」、売るときにかかる「信託財産留保額」があります。*3

図3 投資信託の主な費用
出所)金融庁「NISAを利用する皆さまへ」(令和7年9月改訂)p.12より抜粋

上記の費用について、もう少し詳しく内容をみていきましょう。*4

購入時手数料とノーロード

「購入時手数料」とは、購入時に販売会社に支払う費用で、申込価額の数%にあたります。
「ノーロード」とは、購買時の手数料が無料の投資信託を指します。

信託報酬(運用管理費用)

運用期間中は「信託財産」から間接的に「信託報酬(運用管理費用)」が差し引かれます。
「信託財産」とは、投資信託の仕組みの中で、投資家から資金を集め、その資金を信託銀行に信託してまとめた財産を指します。*5

信託報酬とは、運用管理にかかる費用などをまかなうために、投資信託を保有している間、投資信託の保有額に応じて日々支払われ、販売会社、運用会社、信託銀行の3者で配分されます。年率でいくら支払うのかは、目論見書などで確認することができます。*4

信託財産保留額

「信託財産保留額」は信託期間の途中に投資信託を換金した場合に徴収する金額のことで、ある受益者が換金する際に必要な事務手数料を賄うという意味合いがあります。信託財産留保金を徴収しなければ、これらの手数料は残存する受益者が負担することになるので不公平が生じることから、これを回避するために徴収されます。*4
信託財産保留額は、販売会社が受け取るのではなく、信託財産に留保されます。

その他の費用

この他に、投資信託の信託財産から間接的に払われる費用に、「監査報酬」と「売買委託手数料」があります。
「監査報酬」とは、投資信託が原則決算ごとに監査法人などから受ける監査のために必要な費用です。
「売買委託手数料」とは、投資信託が投資する株式などを売買する際に発生する費用で、発生の都度、間接的に徴収されます。この手数料がいくらになるのかは運用の結果によるため、事前にいくらかかるのか把握することはできません。

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ノーロードのメリット

ここではノーロードのメリットについてみていきます。

ノーロードの最大のメリットは、購入時に手数料がかからないことです。
下の図4は投資信託の販売手数料(購入時手数料)の推移を表しています。*6

図4 販売手数料率(購入時手数料率)の推移
出所)投資信託協会「投資信託の費用・収益構造の一考察 — 顧客と目的を一にする費用体系 —」(2024年7月10日)p.3 *以下のウェブサイトのレポートNo.17「本文」をクリック

グラフのイエローのバー「追加型投資信託」は、原則的に投資信託が運用されている期間中いつでも購入できるものです。*7
ブルーのバーは「インデックスファンド」、その右のグリーンのバーは「アクティブファンド」の購入時手数料を表しています。*6

図4をみると、購買時手数料率は低下傾向にあることがわかりますが、投資金額に応じてこうした手数料がかかる場合と比べると、投資元金から購入時手数料を差し引かれないノーロードには大きなメリットがあることがわかります。

特に、積立型投資の場合には、購入のたびに手数料がかかると負担が積み重なりますが、ノーロード型ならその心配がなく、投資を続けやすくなるでしょう。

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ノーロードのファンドを選ぶ際の留意点

ただし、ノーロードファンドには留意点もあります。*8

購入手数料以外の費用がかかる

ノーロードファンドは購入時手数料は発生しませんが、上述の信託報酬や監査報酬、売買委託手数料、信託財産留保額などの費用は発生します。

そのため、ノーロードファンドの購入では、購入時手数料以外の費用の負担も認識し、投資のメリットを総合的に考えて判断することが大切です。

たとえば、NISAのつみたて投資枠対象商品は、購入時手数料が不要というだけでなく、信託報酬も一定水準以下に抑えられていますので負担する費用も低く抑えられる可能性があります。*3

商品をみつけにくい可能性もある

ノーロードファンドはインデックスファンドに多い傾向があります*8
そのため、リターンの大きいアクティブファンドなどの中から商品を選びたい場合、投資したいファンドを見つけにくい傾向があります。

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おわりに

ノーロードファンドは 購入時の手数料がかかりません。また、積立投資との相性がいいため投資へのハードルが下がり、少額からでも無理なく投資を始めることができます。

しかし、購入時手数料が無料というだけで安心してしまうのは危険です。
投資する投資信託を選ぶ際には、運用中にかかるコストや、ファンドのリスク、運用方針を理解したうえで、総合的に判断することが重要です。

*1 出所)投資信託協会「投資信託の仕組み

*2 出所)三菱UFJ銀行「ファンド選びの考え方

*3 出所)金融庁「NISAを利用する皆さまへ」(令和6年6月(令和7年9月改訂))p.12

*4 出所)投資信託協会「投資信託のコスト

*5 出所)投資信託協会「用語集>信託財産

*6 出所)投資信託協会「投資信託の費用・収益構造の一考察 — 顧客と目的を一にする費用体系 —」(2024年7月10日)p.3 *以下のウェブサイトのレポートNo.17「本文」をクリック

*7 出所)投資信託協会「運用対象での分類

*8 出所)三菱UFJ銀行「ノーロードとは?投資信託の選び方やインデックスファンドも併せて解説

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