相次ぐ食料品の値上げ なぜ続く?品目や理由と合わせて解説

相次ぐ食料品の値上げ なぜ続く?品目や理由と合わせて解説

近年、食料品の価格上昇が続いています。スーパーなどで買い物をするたびに、「同じ品目が値上がりしている」「値段は変わらないが容量が少なくなった」と感じる人もいるでしょう。食料品の値上げが続く背景には、どのような要因があるのでしょうか。

この記事では、食料品の価格動向や値上げが続く理由、家庭でできる物価高対策について解説します。

食料品の値上げが相次いでいる

まずは、実際に食料品の値上げが継続的に起きている状況を押さえておきましょう。

価格改定動向調査(2025年10月)によると、主要な食品メーカー195社における家庭用を中心として飲食料品の値上げは3024品目、1回あたりの値上げ率平均は17%となった。また、2025年通年の値上げ品目数は12月までの公表分で2万381品目となり、前年(1万2,520品目)を62.8%上回っています。2023年(3万2,396品目)以来、2年ぶりに2万品目を超えました。値上げ率平均は15%で、こちらは前年(平均17%)をやや下回っています。*1

食品分野別では、2025年で最も多いのが調味料の6,148品目、次いで酒類・飲料4,871品目、加工食品4,740品目となっています。*1

このように、食料品の値上げは幅広い品目に広がっており、かつ長期化しているのが現状です。

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日本の食料品の価格動向

農林水産省によると、日本の食料価格の動向は以下のとおりです。

出所)農林水産省「食品価格の動向(消費者物価指数)P1PDF

総務省の「消費者物価指数」より作成されており、2020年を100としたときに、2025年10月の指数は食料が128.1、生鮮食品を除く食料は127.7となっています。上記のグラフから、食料品の価格は2022年ごろから上昇傾向に転じ、現在も価格が上がり続けていることが読み取れます

品目別の価格動向

2025年10月分の消費者物価指数において、前年同月比の高かった主な分類および品目は以下のとおりです。

出所)総務省「2020年基準 消費者物価指数 全国2025年(令和7年)10月分P2、PDF」をもとに三菱UFJアセットマネジメント作成

前年同月比では、お米やチョコレート、コーヒー豆の価格が大きく上昇していることがわかります。また、米価格高騰の影響でおにぎりの価格も上がっています。

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食料品の主な値上げ要因

食料品の値上げが続く背景には、複数の要因が絡み合っています。ここでは、主要なものを順にみていきましょう。

原材料高

最も大きな値上げ要因は、原材料価格の高騰です。主要な食品メーカーを対象とした調査によれば、原材料などモノ由来(「原材料高」)による値上げが全体の96.1%を占めています。*1

油脂類などの原材料の価格は、さまざまな要因に影響を受けます。近年では、新型コロナウイルス感染症の拡大、気候変動の影響による不作、ロシアによるウクライナ侵攻などが原材料価格の高騰につながっています。*2

原材料の多くを輸入に頼っている日本は、価格高騰の影響を受けやすい傾向にあります。*2

エネルギー

原油などのエネルギー価格の上昇も値上げ要因のひとつです。2022年2月に発生したウクライナ侵攻、2023年の中東情勢の悪化などを背景に、世界的にエネルギー分野のインフレが広がりました。*3

日本は資源が乏しく、エネルギーの多くを海外からの輸入に頼っていることから、ガソリンや電気、ガスなどの価格が上昇しています。*3

包装・資材

原材料やエネルギーの価格上昇により、包装・資材の価格も上昇しています。この包装・資材の価格上昇分が小売価格に上乗せされることから、食料品の値上げにつながっています。*1

物流費

物流費の上昇も、食料品の値上げに大きく影響しています。ドライバーの時間外労働の上限規制などが適用される、いわゆる「2024年問題」により物流コストが増加しました。*4

また、トラックの燃料として使われる軽油価格が上昇していることも、物流コストの増加要因となっています。全国の軽油価格(円/リットル)は、2021年の始めは110円台でしたが、2025年10月現在では150円台まで上昇しています。*5

食料品を輸送する際に物流費がかかるため、コスト増加分を小売価格に転嫁する動きがあります。

人件費

人手不足や賃上げ圧力も無視できない要因です。製造、流通、小売それぞれで働き手の確保が難しくなり、人件費が上昇傾向にあります。食品メーカーを対象とした調査でも、値上げ要因として人件費を挙げる企業は年々増加しています。*1

円安(為替相場の変動)

為替相場において円安が進行していることも影響しています。日本は原材料やエネルギーの多くを輸入に頼っているため、円安による輸入コストの増加が食料品価格の値上げにつながります。*6

米ドル円相場は、2021年頃から円安傾向が続き、2025年10月現在は1米ドル150円台で推移しています。*7

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家庭でできる物価高対策は?

食料品の値上げで家計への負担が増していますが、どのように備えればよいのでしょうか。ここでは、家庭でできる物価高対策を2つ紹介します。

家計の見直し

まずは家計を見直し、無駄な支出を抑えることが重要です。食料品の値上げで負担が増えても、他の費目を見直せば、家計全体の支出を抑えることができます。

家計の支出は「固定費」と「変動費」に分けられます。*8

  • 固定費:毎月決まった金額の支出があるもの(家賃、通信費、保険料など)
  • 変動費:月によって支出の有無や金額が大きく変わるもの(食費、被服費、娯楽費など)

家計の見直しをするなら、まずは固定費に目を向けましょう。固定費は金額が高いものが多く、コストカットの効果が出やすく、また、毎月必ずかかることから、見直すタイミングが早ければ早いほど得られるメリットは多くなります。*8

固定費を見直した後、無理のない範囲で変動費の節約にも着手するとより効果的です。

資産運用

物価高(インフレ)が進行すると、預貯金の実質的な価値は目減りします。お金の実質的な価値を維持するためには、物価上昇率以上の利回りで増やす必要があります。

たとえば、年2%のインフレが続いた場合、今の1,000万円は20年後には約672万円の価値しかなくなるという試算もあります。インフレ下で家計の資産価値を維持するには、資産運用によって、物価上昇率を上回る利回りでお金を増やすのが一つの方法です。

出所)Money Canvas「なぜ投資・資産運用が必要?インフレと資産の目減りとの関係をわかりやすく解説

一般的には、株式や不動産、REIT などはインフレに強い資産といわれています。個別銘柄の選定は難しく、自信が無ければ、株式やREITを主要投資対象とした投資信託も選択肢のひとつです。投資信託であれば専門家に運用を任せられ、積立投資なら1,000円程度の少額から購入できるものもあり、初心者の方でも始めやすいでしょう。

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まとめ

食料品の値上げは長期化しているうえに、幅広い品目に広がっています。背景には原材料高、エネルギー価格や物流費の高騰など、さまざまな要因があるため、先行きは不透明な状況です。

家計への負担を少しでも減らしたい場合は、無駄な支出の見直しや資産運用などの備えを検討してみてはいかがでしょうか

*1 出所)帝国データバンク「「食品主要195社」価格改定動向調査 ― 2025年10月

*2 出所)日本植物油協会「原料価格の高騰

*3 経済産業省 資源エネルギー庁「エネルギー白書2025(日本のエネルギー政策)

*4 出所)国土交通省「物流の「2024年問題」とは

*5 出所)経済産業省 資源エネルギー庁「石油製品価格調査 調査の結果(1990年(平成2年)8月27日~ 【週次ファイル】)

*6 出所)三菱UFJ銀行「円高・円安とは?どっちがいい?メリット・デメリットや覚え方をわかりやすく解説!

*7 出所)三菱UFJ銀行「外国為替相場チャート表(米ドル/円)

*8 出所)三菱UFJ銀行「狙うは収入アップよりもコストカット!年間50万円浮く方法とは?

*9 出所)三菱UFJ銀行「第1章:資産運用の必要性

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