平均年収の世界ランキングは?日本は何位?これまでの推移も紹介

平均年収の世界ランキングは?日本は何位?これまでの推移も紹介

経済のグローバル化が進む中、「自分の給料水準は、世界と比べてどの程度なのか」と考えている方もいらっしゃるでしょう。

近年、物価の上昇や円安の影響もあり、日本の賃金水準は改めて注目を集めています

この記事では、まず、世界の地域ごとの所得水準を比較しながら、世界の所得構造の全体像を把握します。
次に、平均年収の世界ランキングをご紹介します。

そのうえで、日本の平均年収がこの30年ほどでどのように推移してきたのかを確認し、最後に最近の実質賃金の動きをみていきます。

世界の地域別所得水準

まず、世界の地域ごとの所得水準を比較し、所得構造を総合的に見てみましょう。

地域別所得水準の推移

世界銀行グループは、世界の国を低所得国、低中所得国、高中所得国、高所得国の4つの所得グループに分類しています。*1

分類は前年の1人あたり国民総所得(GNI)に基づき、毎年7月1日に更新されます。
世界銀行の所得別分類は、その国の開発段階を反映することを目的としており、経済力の指標として広く利用されています。

各国の所得別分類は、1980年代後半以降、大きく変化してきました。
1987年には対象国の30%が低所得国、25%が高所得国に分類されていましたが、2023年に入ると、それぞれ12%と40%へと変化し、世界全体としては所得が上昇しています。*1

地域別概要をみると、以下のような変化が生じています。
以下の図1は、2023年の世界の地域別所得水準を表しています。

図1 世界の地域別所得分類(2023年)
出典)世界銀行「世界銀行グループ加盟国の所得水準別分類-2024年~2025年

  • 南アジア地域:1987年には域内諸国の100%が低所得国に分類されていたが、2023年には13%に低下しました。*1
  • ラテンアメリカ・カリブ海地域:高所得国の割合が1987年の9%から2023年には44%に上昇。1987年、低所得国に分類された国はなかったが、2023年は10%となっています。*1
  • ヨーロッパ・中央アジア地域:2023年には高所得国の割合が69%になり、1987年の71%からわずかに低下しました。*1

2025年度に移行する国々

所得状況は2023年度以降も変化しています。
下の図2は、2025年度に所得区分が移行する国々です。

図2 2025年度に所得区分が以降する国々
出典)世界銀行「世界銀行グループ加盟国の所得水準別分類-2024年~2025年

所得基準の調整

所得分類の基準値を実質的に一定に保つため、世界銀行は毎年インフレ調整を行っています。
1人あたりアトラスGNIの新しい基準値(単位:米ドル)は以下の表1の通りです。

表1 所得分類の基準値
出典)世界銀行「世界銀行グループ加盟国の所得水準別分類-2024年~2025年

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OECD加盟国の実質年収ランキング

次にOECD(経済協力開発機構)加盟国の2024年の平均実質年収をみてみましょう(表2)。
日本は35か国のうち26位で、OECD平均より11,701ドル(PPP換算)低く、1位のルクセンブルグの約半分(52%)という水準です。*2

この結果から、日本の平均実質年収は国際的にみると、決して高いとはいえないことがわかります。

表2 OECD加盟国の平均実質年収ランキング(2024年)
出典)OECD Data Explorer「Average annual wages」(実質賃金 購買力平価換算)の2024年のデータを基に作成

表2は実質年収を購買力平価換算したものです。
実質賃金とは、物価変動を考慮した購買力を示す指標で、実際の生活水準への影響を測るためにインフレーションなどを考慮に入れた賃金のことです。*3

購買力平価とは、国ごとに使われている通貨の価値を比べる考え方で、同じ商品やサービスを買うのに必要な金額が同じになるように決められた交換比率のことです。国際比較を行う際に、安定感のある換算レートとして使われます。*4

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主要国の平均実質年収の推移

次に、主要国の平均実質年収の推移をみていきましょう。*5

平均実質年収額の推移

平均実質年収額の推移をみると、米国は順調に上昇しています(図3)。
米国と比較すると、ドイツ、英国、フランスの上昇は緩やかです。
一方、日本はわずかな上昇にとどまっています。

図3 主要国の平均実質年収額の推移(1991年~2020年)
出典)経済産業省「経済産業政策新機軸部会第2次中間整理参考資料集」p.14

平均実質年収の上昇率の推移

次に、平均実質年収の上昇率をみてみましょう。
下の図4は、1991を100としたときの平均実質年収の上昇率を示しています。

図4 平均実質年収の上昇率
出典)経済産業省「経済産業政策新機軸部会第2次中間整理参考資料集」p.14

米国は152、英国は151、ドイツとフランスが134なのに対して、日本は105で、上昇率が非常に低いことがわかります。

日本の平均給与の推移

次に、国税庁の「令和6年分 民間給与実態統計調査」の調査結果から、ここ10年間の平均給与の推移をみてみましょう(図5)。*6

図5 平均年収の推移
出典)国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査 -調査結果報告-」p.15のデータを基に、筆者作成

平均年収の額は2015年から少しずつ増加していましたが、2020年のコロナ禍で一時的に減少しました。しかし、2021年以降は増加に転じていることがわかります。

ただし、この資料の「平均給与」とは、「給与支給総額を給与所得者数で除したもの」で、額面の給与額を示す名目賃金であることに注意が必要です。*7
名目賃金は、受け取る賃金の総額を示し、この金額は物価の変動には影響されないからです。*3

実質賃金の推移

一方、実質賃金とはインフレ―ションなど物価変動を考慮した購買力を示す指標であり、実際の生活水準への影響を測るために用いられます。
したがって、物価が上昇すれば、名目賃金が増加しても実質賃金は減少することがあります

では、最近の実質賃金はどうなっているのでしょうか。
下の図6は厚生労働省が発表した2025年7月分の「毎月勤労統計調査」の結果で、2024年3月~2025年7月の実質賃金の動きを表しています。*8

図6 実質賃金の動き(2024年3月~2025年7月)
出典)厚生労働省「毎月勤労統計調査 令和7年7月分結果確報」(2025年9月26日)p.5

図6をみると、名目賃金はプラスの推移を示していますが、実質賃金はマイナス傾向が続いていることがわかります。
名目賃金の上昇を上回る勢いで物価が上昇しているため、実質的な購買力が低下している状況にあります。

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おわりに

グローバルな視点で賃金水準を眺めることは、自国の経済状況を客観的に捉えるうえで有益です。

日本の名目賃金はここ数年、上昇傾向にありますが、実質賃金は長期的に伸び悩んでおり、物価上昇との兼ね合いから生活水準に影響が出ています。

今後、日本の実質賃金は上昇していくのでしょうか。その動向に注目しましょう。

*1 世界銀行「世界銀行グループ加盟国の所得水準別分類-2024年~2025年

*2 OECD Data Explorer「Average annual wages OverviewTable 」(実質賃金 購買力平価換算) 

*3 三菱UFJスマート証券「実質賃金とは?名目賃金との違いや推移を解説」(2025年8月27日)

*4 厚生労働省「購買力平価について」p.1

*5 経済産業省「経済産業政策新機軸部会第2次中間整理参考資料集」p.14

*6 国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査 -調査結果報告-」(2025年9月)p.15

*7 国税庁「民間給与実態統計調査>1 用語の解説

*8 厚生労働省「毎月勤労統計調査 令和7年7月分結果確報」(2025年9月26日)

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