投資信託に興味があるけれど、何から始めたらよいかわからないと悩む初心者の方は多いのではないでしょうか。ちょっとしたポイントを押さえておくことで、初めてでも無理なく投資信託を始めることが可能です。
この記事では、投資信託の基本的な仕組みや種類、リスク、初心者の方におすすめの始め方を紹介します。
投資信託の基本
投資信託は運用初心者の方でも始めやすいといわれますが、どのような特徴があるのでしょうか。まずは投資信託の基本的な仕組みについてみていきましょう。
投資信託とは
投資信託とは、投資家から預かったお金をひとつの大きな資金としてまとめ、運用の専門家が株式や債券などに投資・運用する商品です。その運用成果は、投資家それぞれの投資額に応じて分配される仕組みになっています。

出所)三菱UFJアセットマネジメント「投資信託の基本と仕組み」
集めた資金をどのような資産に投資するかは、投資信託ごとに定められた運用方針に基づいて専門家が決定します。投資信託の運用成果は市場環境などの影響を受けるため、運用がうまくいけば利益を得られますが、運用がうまくいかずに損失が生じる可能性もあります。
投資信託と預貯金との違い
預貯金は元本が保証されており、ふやすことより貯めることを重視します。安全性は高い一方で、金利水準は低いため、銀行や郵便局にただお金を預けているだけでは、なかなかふやすことができません。
それに対して、投資信託は貯めることよりふやすことを重視しています。元本割れリスクはありますが、預貯金よりもお金がふえる可能性があります。

出所)三菱UFJアセットマネジメント「投資信託の基本と仕組み」
日々の生活費や近いうちに使う予定があるお金は預貯金で保有する、しばらく使う予定がない余裕資金は将来に向けて投資信託で運用するなど、目的や家計状況に応じてうまく使い分けるとよいでしょう。
投資信託の特徴
投資信託には次のような特徴があります。- 少額から購入できる
- さまざまな資産に分散投資ができる
- 専門家に運用を任せられる
金融機関や商品によって異なりますが、一般的に投資信託は1万円程度から購入できます。投資を行う場合、複数の資産に投資先を分ける「分散投資」によってリスクの軽減が期待できます。しかし、個人の投資家が自分で分散投資しようとすると、多額の資金が必要です。投資信託は複数の投資家から集めた資金をひとつにまとめて運用するため、さまざまな資産に分散投資ができます。
また、投資信託では専門家が投資家に代わって運用します。投資銘柄の選定や売買などを任せられるため、初心者の方でも利用しやすい金融商品といえます。
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投資信託の種類
投資信託は、運用方法や投資対象などに応じてさまざまな種類があります。自身の運用目的やリスク許容度にあわせて適切な商品を選ぶことが重要です。
運用方法
「投資信託の運用方法は、大きく分けて「インデックス運用」と「アクティブ運用」の2種類があります。」「インデックス運用を行うファンドを「インデックス(パッシブ)ファンド」、アクティブ運用を行うファンドを総称して「アクティブファンド」といいます。」

*1 ベンチマークとは、運用の目標値となる指数(例:日経平均株価など)
出所)三菱UFJ銀行「ファンド選びの考え方」
例として、日経平均株価をベンチマークとするインデックスファンドは、日経平均株価が上昇すればファンドの基準価額も同程度の割合で上昇するように運用します。
このような仕組みのため、アクティブファンドに比べると、インデックスファンドの値動きは投資初心者の方にもわかりやすいでしょう。
投資対象資産・地域
投資信託は、投資対象資産や地域に応じて次のような種類があります。

出所)三菱UFJ銀行「ファンド選びの考え方」をもとに三菱UFJアセットマネジメント作成
ソブリン債は国債、政府機関債など、中央政府により発行・保証された債券です。ハイ・イールド債は信用格付けが低く、投機的とされる社債等を指します。
投資信託は投資対象資産・地域によってリスク・リターンの特性が異なり、一般的には以下のような傾向がみられます。

出所)三菱UFJ銀行「ファンド選びの考え方」
リスクとリターンの関係を踏まえ、運用目的に応じて自分に合ったファンドを選ぶことが大切です。
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投資信託の主なリスク
投資信託の基準価額に影響を及ぼす主なリスク要因は以下のとおりです。

出所)三菱UFJアセットマネジメント「投資信託のリスクとリターン」をもとに三菱UFJアセットマネジメント作成
このようなリスク要因により、投資信託の基準価額が変動する可能性があることを理解しておきましょう。
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投資信託初心者はつみたて投資から始めよう
初心者の方が投資信託で資産形成を目指すなら「つみたて投資」がおすすめです。ここでは、つみたて投資の魅力や効率的に運用するポイント、投資先の選び方を紹介します。
つみたて投資が初心者に向いている理由
つみたて投資とは、「毎月1万円」のように定期的に一定額を購入する投資方法です。つみたて投資が初心者に向いている理由として、次の2つがあります。- 「手間がかからない」
- 「時間分散効果が期待できる」
一度手続きをすれば毎月一定額を自動でつみたてるので、忙しい方でも購入する手間が省けます。
また、毎月一定の金額を購入することで、基準価額が高いときには少ない口数を、低いときには多い口数を購入します。つみたて投資を長く続けて購入時期を分散することで、「平均購入単価を平準化させる効果が」期待できるのもメリットです。
NISAをうまく活用しよう
NISAとは、投資信託や株式といった金融商品を対象とする個人のための税制優遇制度です。*
投資信託の取引で生じた利益には、通常20.315%の税金がかかります。たとえば、100万円の利益が出た場合、約20万円納税する必要があるため、利益のうち手元に残るのは約80万円です。一方、NISA口座なら利益はすべて非課税となるため、利益100万円がそのまま手元に残ります。

出所)三菱UFJ銀行「NISA(少額投資非課税制度)」
NISAは年120万円まで投資できる「つみたて投資枠」と、年240万円まで投資できる「成長投資枠」の2つがあり、併用が可能です。どちらも投資信託のつみたてに対応しているため、うまく活用するとよいでしょう。
なお、非課税保有限度額は合計1,800万円(うち成長投資枠の上限額は1,200万円)までです。
投資信託の選び方
投資信託にはさまざまな種類があるため、初心者の方はどんな商品を選べばよいかわからないかもしれません。その場合は、NISAのつみたて投資枠の対象商品から選ぶことを検討しましょう。
つみたて投資枠の対象商品は、「信託契約期間が無期限又は20年以上」、「毎月分配型でない」、「販売手数料は0%(ノーロード)」など、金融庁の基準を満たした投資信託に限定されています。そのため、初めてでも長期の資産形成に適した商品を選ぶことが可能です。
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まとめ
投資信託は運用を専門家に任せられ、少額から分散投資ができる金融商品です。特につみたて投資は手間がかからず、リスクの軽減効果も期待できるため、初心者の方でも始めやすいでしょう。運用益が非課税になるNISAも活用しながら、投資信託で資産形成を始めてみてはいかがでしょうか。