- 2023.11.20
- mattoco Life編集部
ETF(上場投資信託)はどんな種類がある?特徴やリスクを理解して資産形成に活かそう
ETF(上場投資信託)とは、株式と同じように証券取引所で売買される金融商品です。株式や一般的な投資信託とは異なる特徴があり、個人の資産形成で活用できる可能性があります。最近では、連動対象となる指標が存在しない「アクティブETF」も解禁されるなど、個人投資家の選択肢は広がっています。
今回は、ETFの投資対象の種類や特徴、リスクについて詳しく解説します。
ETFの特徴・メリット
ETFとは「Exchange Traded Fund」の略称で、投資信託の一種です。価格が日経平均株価などの特定の指数に連動するように運用されるパッシブ運用型と、連動する指標が存在しないアクティブ運用型のETFがあります。ETFは証券取引所に上場しており、取引所の取引時間であれば、いつでもリアルタイムで売買可能です。*1
ETFには、以下のようなメリットがあります。
少額から分散投資が可能
ETFはさまざまな資産に幅広く投資をしているため、リスク低減効果があります。例えば、日経平均に連動するETFを購入すると、日経平均に採用された225銘柄を保有するのと同じ値動きが期待できます。また、ETFは数千円~数万円程度で購入できるため、少額から分散投資が可能です。*2
信託報酬が低い
ETFや投資信託を保有している間は、信託報酬(管理・運用のための経費)が信託財産から毎日差し引かれます。
投資信託の場合、主に運用会社や販売会社に信託報酬を支払う必要があります。一方、ETFの取引には販売会社が介在しません。販売会社への信託報酬が発生しないため、概して信託報酬は低い傾向にあります。*3
リアルタイムで取引できる
ETFは、株式市場の取引時間中であれば、株式と同じようにリアルタイムで市場価格がわかります。値動きを確認しながら、好きなタイミングで取引が可能です。市場が閉じてからでないと基準価額がわからない投資信託に比べると、取引の自由度は高いといえます。
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ETFの種類
ETFは、投資対象となる指数や運用方針に応じてさまざまな種類があります。ここでは、ETFの種類とその特徴を見て行きましょう。
株式指数連動型
株式指数連動型は、国内や海外の株価指数に連動するETFです。*3
少額から国内外の株式に分散投資ができます。
株式の代表的な株価指数はTOPIX(東証株価指数)、日経平均株価(日経225)、S&P500指数、MSCI-KOKUSAIインデックス、MSCI-KOKUSAIエマージング・マーケット・インデックスなどがあります。
例えば、S&P500指数に連動するETFであれば、米国株式市場に上場している代表的な銘柄に投資するのと同じ効果があります。
債券指数連動型
債券指数連動型は、国や企業の発行する債券の指数に連動するETFです。一般的な債券とは異なり、債券指数連動型ETFには満期がないため、長期保有が可能です。株価指数連動型に比べると値動きが少なく、リスクを抑えた運用が期待できます。
代表的な指数はNOMURA-BPI総合、FTSE日本国債インデックス、FTSE世界国債インデックスなどがあります。
REIT(不動産投資信託)
REITは、投資家から集めた資金で複数の不動産を購入し、その不動産から得られる賃貸料収入や売却益を投資家に分配する金融商品です。不動産に投資するREIT ETFでは、複数のREIT銘柄を投資対象としており、国内外の不動産に分散投資ができます。
代表的な指数は東証REIT指数、S&P先進国REIT指数などがあります。
コモディティ(商品先物)
コモディティETFは、貴金属(金、プラチナなど)、エネルギー(ガソリン、原油など)、穀物(小麦、大豆など)が投資対象のETFです。商品先物価格との連動を目指して運用されます。
ETFを活用することで、現物資産であるコモディティへの分散投資が可能です。
レバレッジ型・インバース型
レバレッジ型・インバース型とは、原指数(株価指数などの計算の基となる指数)の日々の上昇率・下落率に一定の倍率を乗じた数値を対象指数とするETFです。倍率がプラス1倍を超えるものを「レバレッジ型」、マイナスのもの(マイナス1倍以内を含む)を「インバース型」といいます。*4
例えば、日経平均株価の2倍の値動きを目指すレバレッジETFは、日経平均が1%上昇した日には、2%の上昇を目指して運用されます。レバレッジ型・インバース型ETFは、対象指数の大幅な変動によって大きな損失が生じる恐れがある点に注意が必要です。*4
アクティブETF
アクティブETFは、特定の指数に連動しないETFです。東京証券取引所では、これまでアクティブETFの上場は認められていませんでしたが、2023年6月30日から解禁されました。アクティブETFは指数に縛られない柔軟な運用が可能であり、その種類は多種多様ですので、投資するに当たっては、自らの投資目的と合致するか否かをより確認することが必要となります。
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ETFと株式投資・投資信託は何が違う?
ETFと一般的な投資信託の比較表は以下の通りです。
表【一般的な投資信託とETFとの比較】
出所)投資信託協会「ETFってなんだろう?メリットとリスク」
ETFと投資信託は、売買価格(取引価格)に違いがあります。ETFはリアルタイムで変動し、好きなタイミングで購入(売却)できます。一方、投資信託は1日1回基準価額が算出され、約定日は翌営業日以降などとなるため、自分の好きな価格で購入(売却)できません。
ETFへの投資には、以下のようなリスクがあります。
価格変動リスク
ETFは、連動を目指す株価指数などの変動により、損失が生じる可能性があります。元本や分配金が保証されている商品ではありません。*5
信用リスク
ETFは、ETFや組み入れられた投資対象の発行者などの経営・財務状況の変化、外部状況の変化などにより、投資元本を割り込む可能性があります。*5
流動性リスク
ETFの取引量や注文量が少ない場合、株価指数などの実勢価格から見込まれる価格で売買できないことがあります。株価指数等の市場実勢から見込まれる価格と乖離した価格で取引きされることもあります。*5
市場価格の乖離リスク
パッシブ運用型のETFは、投資対象となる株価指数等とETFの基準価額の値動きが一致するように運用されます。しかし、配当落ちや分配金の希薄化・濃縮化、有価証券の組み入れコストなどにより、株価指数等とETFの基準価額の値動きが一致しない場合があります。*5
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まとめ
ETFは少額から分散投資ができるため、初心者の方でも資産運用に活用しやすい金融商品といえます。証券取引所に上場しており、値動きを確認しながら好きなタイミングで売買できるのもメリットです。一方で、ETF特有のリスクもあり、分配金が自動的に再投資されないといった仕組みの違いには注意が必要です。
ETFの特徴やメリット・リスクを理解して、資産形成での活用を検討しましょう。
*1 出所)三菱UFJモルガン・スタンレー証券「ETF」
*2 出所)日本取引所グループ「ETFの概要」
*3 出所)日本証券業協会「投資の時間 ETFと投資信託の違いを教えてください」
*4 出所)三菱UFJモルガン・スタンレー証券「レバレッジ型・インバース型ETF等の投資リスクについて」
*5 出所)三菱UFJモルガン・スタンレー証券「ETFのリスク」