東証でアクティブ運用型ETFが解禁!一般的な投資信託とは何が違う?

東証でアクティブ運用型ETFが解禁!一般的な投資信託とは何が違う?

2023年9月7日、日本初となるアクティブ運用型の上場投資信託(ETF)が、東京証券取引に上場しました。

これまで、株価指数などに連動しないアクティブ運用型ETFの上場は認められていませんでしたが、今後はさまざまな商品が登場する見込みです。アクティブ運用型ETFにはどんな魅力があり、一般的な投資信託とは何が違うのでしょうか。

今回は、アクティブ運用型ETFの概要や解禁された理由、一般的な投資信託の違いについて解説します。

アクティブ運用型ETFとは

アクティブ運用型ETFとは、株価指数など特定の指標に連動した投資成果を目指す従来のパッシブ型のETFとは異なり、連動対象となる指標が存在しないETFのことをいいます。*1

諸外国ではすでにアクティブ運用型ETFが導入されていましたが、日本では上場が認められていませんでした。近年の多様化した投資ニーズに応えるため、東京証券取引所はアクティブ運用型ETFを解禁し、2023年9月7日、第1弾として新たに6本のアクティブETFが上場されました。

これまで、国内ETFは日経平均株価やTOPIXといった特定の指標に連動するものに限られていましたが、今後は指数に縛られない柔軟な運用が可能となります。

たとえば、指数が少なくETFにするのが難しかった債券を組み入れた商品や複数のアセットクラスに分散投資する商品などを作りやすくなります。そのため、さまざまな商品が登場し、個人投資家の投資先としてETFの選択肢が広がることが期待されます。

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アクティブ運用型ETFが解禁された理由

東京証券取引所がアクティブ運用型ETFの解禁に動いたのは、海外のアクティブETFの運用残高は増加しており、日本でも投資家のニーズが高まっていることが背景にあります。

諸外国の主要取引所ではアクティブ運用型ETFが上場され、広く投資者に売買されています。*2
2022年12月末時点で、アクティブ運用型ETFの総資産額は4,880億ドルに及び、24か国32の取引所に1,878銘柄が上場しています。*3
特に米国ではアクティブ運用型ETFが活発に取引されており、純資産残高・銘柄数ともに年々増加しています。*4

インフレや金融引き締めなどで主要株式指数が不安定に推移する中で、状況に応じて柔軟に投資先を見直す必要性が高まってきています。手数料が低く、リアルタイムで取引できるメリットがあることなどから、アクティブ運用型ETFが注目されつつあります。

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アクティブ運用型ETFと一般的な投資信託との違い

アクティブ運用型ETFと一般的な投資信託との違いは以下の通りです。

出所)日本証券業協会「投資の時間 ETFと投資信託の違いを教えてください」をもとに三菱UFJアセットマネジメント作成

取引価格・注文方法

アクティブ運用型ETFは取引価格がリアルタイムで変動し、指値・成行注文が可能であるなど、株式と同様に取引できるのが特徴です。一般的な投資信託では、1日に1回算出される基準価額が決定する前に注文を出す必要があります。

アクティブ運用型ETFは、リアルタイムで市場で取引されている価格で注文することができる取引といえるでしょう。

運用コスト

ETFは販売会社(投資信託を販売する金融機関)がないため、一般的な投資信託に比べると購入時手数料や信託報酬は低い傾向にあります。*5
そのため、アクティブ運用型ETFは、アクティブ運用型の投資信託に比べると運用コストが比較的安くなっています。

投資信託やアクティブ運用型以外のETFには、購入時手数料がかからない「ノーロード」と呼ばれる商品もあり、販売会社が購入時手数料を割り引いているものもあります。(金融機関による)
また、信託報酬は銘柄によって異なるため、個別に比較したうえで投資判断を行うことが大切です。

ポートフォリオの開示

一般的な投資信託は、組入銘柄や資産配分といったポートフォリオの開示はおおむね決算期ごとに行われます。

一方で、東京証券取引所のアクティブ運用型ETFは日次で開示されます。投資家は常に最新のポートフォリオを把握できるため、現在の市場価格が妥当なのか判断する参考材料になります。

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アクティブ運用型ETFの注意点

アクティブ運用型ETFへの投資を検討する場合は、以下の点に注意が必要です。

アクティブ運用型ETFは、運用会社やファンドマネージャーがあらかじめ決められた運用方針に沿って組入銘柄や資産配分を決めていくのが特徴です。アクティブ運用であるため、値動きが大きくなることがあります。
また、運用が必ず成功するとは限りません。
運用方針を確認したうえで、投資銘柄を慎重に選ぶ必要があるでしょう。

自動買付機能がない金融機関がある

多くの金融機関では、投資信託の自動買付機能が提供されています。最初に買付金額やタイミングなどを設定すれば、その後は自動的に投資信託の積み立てが行われます。しかし、アクティブ運用型ETFを含めたETFは自動買付機能がないケースがあり、その場合は毎回自分で買い付けを行わなくてはなりません。

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まとめ

東京証券取引所のアクティブ運用型ETFの解禁によって、指数連動以外のETFが上場しました。従来の国内ETFに比べると、さまざまな運用方針のETFに投資できるようになります。資産形成に取り組む場合は、投資先の選択肢との一つとしてアクティブ運用型ETFを検討してみてはいかがでしょうか。

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