金利とは何?知っておきたい基礎知識や金融商品との関係をわかりやすく解説

金利とは何?知っておきたい基礎知識や金融商品との関係をわかりやすく解説

金利は、銀行にお金を預けるときや住宅ローンを借りるときなどによく目にする言葉です。しかし、あらためて「金利とは何か」と聞かれると、どう答えたらいいかわからないのではないでしょうか。

金利は、私たちの生活に身近なものです。景気や家計にも影響を与えるため、意味や仕組みを理解しておくことが大切です。今回は、金利の基礎知識や金融商品との関係をわかりやすく解説します。

金利とは

金利とは、預金や借入れ金に対する利子や利息の割合です。*1
「%」で表示され、一般には「年利=1年あたりの利率」で表します。たとえば、100万円を金利0.3%の定期預金に1年間預けた場合、その利息 (税引き前)は3,000円となります。*2
金利は、主にお金に対する需要と供給のバランスで決まります。お金の量が一定であれば、お金を借りたい人が多いとき(=需要が高いとき)には金利は上がり、少ないときには下がります。需要と供給が変化する要因には主として景気・物価・為替相場があげられます*3

金利と利回りの違い

金融商品では、「金利」ではなく「利回り」という表現を使用するものもあります。一見同じにも思えますが、金利と利回りは必ずしも同じものではありません。*2

利回りとは、通常は投資金額に対する1年あたりの収益率をパーセンテージ(%)で表し、一般的にはお金がどれだけ増えたかを測る基準となるものです。複数年にわたる運用でも1年あたりの収益率に換算し、投資信託や債券などの金融商品の値上がり分も含めて算出されます。*2

知っておきたい金利の基礎知識

金利にはいくつかの種類があり、金融商品によって利息のつき方も変わってきます。ここでは、知っておきたい金利の基礎知識を紹介します。

短期金利と長期金利

経済ニュースでは、「短期金利」や「長期金利」という言葉がよく出てきます。

短期金利とは、期間1年以内のお金の貸し借りに使われる金利のことです。短期金利の代表といえるのが、銀行間の貸し借りに適用される金利の1つである「無担保コール翌日物金利」です。この金利の動向は、満期が1年以下の預貯金金利など、市中の短期金利にも影響を与えています。*4

長期金利とは、期間1年以上のお金の貸し借りに使われる金利のことです。代表的なものとして長期国債の利回りなどがあります。 長期金利は景気の先行きや物価上昇の予測を反映して変動するため、「経済の体温計」と呼ばれています。*5

固定金利と変動金利

固定金利とは、債券などの金利が購入時から満期まで変わらないことをいいます。一方、変動金利とは、債券などの保有期間中でも市場金利の変化に連動して金利が変わることをいいます。*6

単利と複利

単利と複利は、どちらも利息の計算の仕方を表す言葉です。

単利は元本に対する利息を計算するものです。その後、運用で得た配当や利息は、計算上元本には加算しません。一方、複利は、「元本+利息」 を新たな元本として次の利息を計算していきますので、利息が元本に加算され、さらに利息が増えていくのが特徴です。*7

仮に元本100万円を利回り10%で10年運用した場合、10年後の税抜き後の資産は単利で計算すると200万円であるのに対し、複利では259万3,742円です。利回りは同じでも、10年後の資産に約60万円の差が生じます。

このように、単利と複利では資産の増え方が変わってきます。投資信託などで資産運用に取り組むにあたっては、単利と複利の違いを理解しておくことが大切です。

金利と金融商品の関係

ここでは、代表的な金融商品と金利の関係について見ていきましょう。

住宅ローン

銀行預金は利息を受け取りますが、住宅ローンは利息を支払わなくてはなりません。金融機関ごとに金利が設定されており、借入金額に利息を加えて返済します。住宅ローンは借入金額が大きいため、わずかな金利の違いで返済金額が大きく変わることもあります。

住宅ローンの金利タイプは、「変動金利」と「固定金利」に分けられます。
変動金利とは、借入期間中に適用される金利が変動するタイプの金利のことです。固定金利は金利が変わらないタイプの金利です。固定金利型には、借入時の金利が返済期間を通じてずっと変わらない全期間固定金利と、借入時から一定の期間だけ金利が固定されるタイプなどがあります。*8

債券

国債などの債券は、保有期間中は定期的に利子を受け取れ、満期(償還時)になると元本(額面金額)が戻ってくるのが基本的な仕組みです。利率や満期は発行時に決められています。*9

満期まで保有すれば、原則として元本が戻ってきますが、途中売却すると、元本割れになる可能性があります。*9

債券の多くは固定利付債で、購入後に世の中の金利が上がっても、利率は変わりません。しかし、新しく発行される債券の金利は上がっているので、購入した債券の魅力は相対的に薄れます。価格を下げないと取引相手が現れないので、価格が下がります。*9

まとめ

金利は、銀行の預金利息や金融商品の価格、住宅ローンの返済額などに影響を与えます。景気や物価とも関係があるため、金利の動向を注視しておくことが大切です。金利の意味や仕組みについて理解を深め、日常生活に活かしましょう。

*1 出所)日本証券業協会「金融・証券用語集 金利

*2 出所)全国銀行協会「知っておきたい、金利表示の見方と注意点

*3 出所)全国銀行協会「景気・物価・為替と金利の関係

*4 出所)三菱UFJモルガン・スタンレー証券「短期金利

*5 出所)三菱UFJモルガン・スタンレー証券「長期金利

*6 出所)日本証券業協会「固定金利と変動金利

*7 出所)三菱UFJ信託銀行「資産運用で差が出る!複利と単利の大きな違いを知ろう

*8 出所)三菱UFJ銀行「住宅ローンの金利は今後どうなる?今後の金利上昇リスクを踏まえた住宅ローンの選び方

*9 出所)三菱UFJモルガン・スタンレー証券「債券投資のはじめ方

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