- 2023.03.15
- mattoco Life編集部
「京大川北/JPX 日本株指数(京都指数)」とは?新たに算出・公表される株価指数の概要を解説
2023年1月30日から、新たに「京大川北/JPX 日本株指数(京都指数)」が算出・公表されています。京都大学と(東京証券取引所・JPX総研)の共同開発により設定された株価指数ですが、どのような特徴があるのでしょうか。
今回は、京大川北/JPX 日本株指数の算出方法や銘柄選定基準などについて解説します。
京大川北/JPX 日本株指数(京都指数)とは
京大川北/JPX 日本株指数(京都指数)とは、長期投資家向けのベンチマークとして、2023年1月30日から算出・公表されている株価指数です。
2018年7月から、京都大学と(東京証券取引所・JPX総研)が新指数開発に向けて共同研究を進めていました。本指数は、証券投資について長年研究を続けている京都大学の川北英隆名誉教授の考案に基づくものです。*1
日本株の長期投資に役立てるため、市場平均以上のパフォーマンスを獲得することを目標としています。
当初は「JPX京都アカデミア株価指数」という名称でしたが、最終的に「京大川北/JPX 日本株指数」となりました。*2
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京大川北/JPX 日本株指数の概要
京大川北/JPX 日本株指数の概要をまとめました。
出所)日本取引所グループ「「京大川北/JPX 日本株指数」の算出・公表について」<PDF>
京大川北/JPX 日本株指数は非時価総額加重方式の株価指数で、指数管理者である京都大学との契約に基づき、JPX総研が算出します。基準日(2023年1月27日)を10,000ポイントとして、2023年1月30日から算出が開始されます。*3
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構成銘柄の選定基準
京大川北/JPX 日本株指数の構成銘柄は、以下3つの基準をもとに選定されます。
- 母集団
- 時価総額
- 定量基準
母集団は、東証33業種における「銀行業」「証券、商品先物取引業」「保険業」「その他金融業」を除く全東証上場企業です。定期入替基準日において、整理銘柄や特設注意市場銘柄に指定されている銘柄は除外されます。
時価総額については、定期入替基準日における浮動株時価総額が「母集団の浮動株時価総額合計×0.015%」を下回る銘柄は除外されます。
浮動株とは、「実際に市場で売買される可能性の高い株式(上場株式から固定株を除いたもの)」のことです。固定株は、「大株主の保有株など市場で売買される可能性が低い株式」を意味します。*4
定量基準では、定期入替基準日における「売上高成長率」「売上高営業利益率(ROS)」「総資産営業利益率(ROA)」などの財務指標について、母集団の平均値もしくは傾向値をもとにスコア化し、原則としてスコアの上位200銘柄が構成銘柄として採用されます。
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京大川北/JPX 日本株指数の特徴と注意点
京大川北/JPX 日本株指数の特徴と注意点は以下の通りです。
アクティブな性質を持つ
京大川北/JPX 日本株指数は株価指数ですが、市場全体の値動きを表す指数とは異なるアクティブ運用としての性質も持っています。*2
京大川北/JPX 日本株指数は市場平均以上のパフォーマンス獲得を目標としており、時価総額や定量基準をもとに、東京証券取引所の上場企業から銘柄を選定します。
銘柄選定基準はルール化されており、指数として算出されていますが、市場全体に投資して平均的なリターンを目指すインデックス(パッシブ)運用とは投資戦略が異なるといえるでしょう。*5
連動する投資信託・ETFが設定される可能性がある
2023年1月現在、京大川北/JPX 日本株指数に連動する投資信託・ETFは設定されていません。しかし、新株価指数として新たに算出・公表されるため、今後は指数に連動した投資成果を目指す投資信託・ETFが設定される可能性があります。
指数連動の投資信託やETFが設定されれば、個人でも少額から構成銘柄への分散投資が可能になるでしょう。
構成銘柄と京都には関係がない
京大川北/JPX 日本株指数は京都大学が開発に関わっており、「京都指数」と呼ばれることもあります。
投資初心者が名称だけを見ると、京都に関する株価指数だと思うかもしれません。しかし、実際には東京証券取引所の上場企業から時価総額や財務指標などの基準に基づいて、長期投資に値する銘柄を選定します。
あくまでも京都大学と(東京証券取引所・JPX総研)が共同開発した指数であり、京都に関する株価指数ではないので注意しましょう。
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まとめ
京大川北/JPX 日本株指数は新しい株価指数であるため、個人投資家への影響は不透明な部分があります。
しかし、本指数をベンチマークとする投資信託やETFが設定されることがあれば、有望な投資先となる可能性があります。また、個別株投資で資産形成に取り組む場合は、投資銘柄を選定する材料として活用できるかもしれません。
日本株への長期投資に興味があるなら、京大川北/JPX 日本株指数の動向をチェックしておきましょう。
*1 出所)日本取引所グループ「「京大川北/JPX 日本株指数」の算出・公表について」<PDF>
*2 出所)日本FP学会「日本の株式インデックスについて」P8
*3 出所)日本取引所グループ「指数算出要領(京大川北/JPX 日本株指数編)」」<PDF>
*4 出所)東京証券取引所「浮動株指数について」P3
*5 出所)三菱UFJ信託銀行「パッシブ運用」