ご無沙汰しています。日比野つづるです。
最近、3年ぶり3人目の子どもが産まれ、忘れかけた記憶をたどって授乳やおむつ替えをしています。夜な夜な言葉の通じない乳飲み子を相手していると、会社での仕事は言葉が通じるだけマシなのかな、と思える今日この頃です。
さて、2022年の投資成果はいかがでしたか?昨年は、年始から一方通行の円安で外貨建資産が選好されましたが、最後の最後に日銀が金融政策を転換して揺り戻しが起きました。とはいえ、2022年初のドル円水準は115円近傍でしたから、本日(2023/1/31)時点でも円安効果だけで1割強は価格が押し上げられた計算になります。
そういえば、10月下旬ドル円が150円超えた時に、素人投資家の母から「今から何買えばいいかしら?」と電話があったので、そろそろ円安も頭打ちだなと思ったのを鮮明に覚えています。どんなマーケット指標よりも正確でしたね。(笑)
投資信託に目を移すと、海外株式のインデックスファンドを中心に資金流入が堅調で、資金の流入状況から積立投資の浸透を感じる(各月の特定日付に大きな設定額を記録)1年でした。
弊社もその恩恵にあずかり、米国株式のインデックスファンドが月間資金純増額で5月から首位となり、足元では1.5兆円超の残高となりました。みなさまのご愛顧誠にありがとうございます。
と、インデックスファンドだけを語れれば弊社は明るいわけですが、アクティブファンドに目を向けるとまだまだというのが実情です。(業界全体でもそうですが・・・)
そこで今日は、「アクティブファンドはなぜ嫌われる?」と題して、アクティブファンドの立ち位置と課題、どうやって選ぶべきかについてお話ししたいと思います。
アクティブファンドの立ち位置と課題
まず、「“アクティブファンド”というくくりがイケてない!!」と私は主張したいと思います。インデックスファンドは良いのです、一般的に指数への連動を目指す商品だから、名が体を表しています。
他方、“アクティブファンド”はどうでしょうか?何がイメージできますか?できませんよね?そうなんです、“アクティブファンド”というくくりは“インデックスファンド以外”程度の意味でしか用いられていません。
インデックスファンドがもてはやされる昨今、ネットをはじめとしたメディアでは、「アクティブファンドはインデックスにパフォーマンスで勝てないからダメだ!それなのに、高いコストまで取る!なんてやつだ!」というのが定型文で、アクティブファンドについては「ファンドマネージャーの裁量で取引するファンド」程度しか紹介されません。
たとえば、アクティブファンドについてポジティブに発信しようとすると、数多あるファンドから判断軸を用意して絞り込み、良いと判断したファンドについて特徴や特性を勉強し、情報の受け手の琴線にふれる説明を準備しなければなりません。
たられば話をすると、リーマンショック級のクラッシュが明日再来したとしましょう。当然市場全体(インデックスも)が沈むのですが、書き手が選りすぐった商品と信用して買った(概して経験値の浅い)顧客の怒りや不安は、その書き手に向けられるのは容易に想像がつくところです。
こうした情景を想像するだけでも、インデックスファンドに比べてアクティブファンドがいかに発信しにくいかおわかりいただけたのではないでしょうか。
こんな状況を鑑みるに、アクティブファンドはよく理解されないままに悪のレッテルを貼られ、「なんとなくダメ」という印象論で片づけられてしまっているのではないかと考えています。運用会社も法令やコンプライアンス、レピュテーションリスク等の制約を受けつつも、ファンドの“良さ”を表現・主張するわけですが、それらが投資家に浸透しているかという観点では道半ばと言わざるを得ず、その点においては運用会社社員としてただただ反省するばかりです。
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アクティブファンドはどう選ぶべきか?
では、“良い”アクティブファンドとはなんでしょうか?
先んじて言えば、答えは最低でもアクティブファンドの数だけあると言えます。なぜなら、ファンドを作るにあたっては、投資家をイメージして、マーケット動向はもちろん資産形成に資するか、パフォーマンスはしっかり出ているか等の複数の観点で精査をし、“良さ”が表現できることを前提に作るからです。
ただし、その後の市況変化や運用体制の変化等で、やむを得ず運用コンセプトの維持や投資妙味の減少が発生することは厳然たる事実です。
話を戻しますと、“良い”アクティブファンドとはなんでしょうか?
これは投資家のニーズに多様性があり答えを一つには絞れませんが、金融商品である以上、期待値に程度の差こそあれパフォーマンスがよい商品であることは必須条件かと思います。
※本記事内では説明上「パフォーマンスがよい=値上がりする」と単純化させてください。
そこで、今回はこのパフォーマンスを提供する側(=運用会社)として、“良い”アクティブファンドは何かを掘り下げていきたいと思います。
まず、良いパフォーマンスをあげるには、投資対象に対する徹底的な分析が欠かせません。たとえば株式ファンドの場合、セクター別、時価総額別等その切り口は多岐にわたり、投資対象(≒企業)の分析には時間とリソースを十分にかけることは必須です。しかしながら、より重要なのは選別した投資銘柄が、見出した成長ストーリーにのっとり成長することであり、ファンドとしてはその実現を見守る度量が必要となります。
よく投資にあたって”長期投資”が推奨されますが、その背景には「成長ストーリーを見守る時間を持つべき」という思いがあります。確かに、上場企業であれば業績の進捗は四半期ごとに公表されるわけですが、カレンダーに合わせて市場や社会が変化するわけではないので、「(投資方針として)投資成果の評価までに予め時間を確保できるファンド」というのが“良い”アクティブファンドの条件と言えるかもしれません。
ついで、アクティブファンドはファンドマネージャーによる裁量が働く商品であることから、”運用体制(変遷含む)や投資哲学”等のファンドのソフト面がいかにしっかりしているかを理解して投資したいもの。そういった意味では、”運用体制(変遷含む)や投資哲学” を積極的に開示し、日和らない軸の存在をアピールできる商品こそ”良い”アクティブファンドと言えるのではないでしょうか。
そして、最後はやはり過去のパフォーマンスです。どんなに素敵な運用哲学でも、どんなに有能な人材を配置したとしても、投資家へ報いるにはパフォーマンスという定量評価をお返しする必要があります。投資を検討するにあたって未来の成果は予見できませんが、過去のパフォーマンスにて、それが投資家の期待値に足るものか否かは判断可能であり、最も現実的な尺度になろうかと思います。
以上まとめますと、
② 運用体制や投資哲学を対外アピールするほどに確立している
③ ①・②を踏まえて過去パフォーマンスが良い
というのが商品提供側から考える“良い”アクティブファンドの条件としたい、と思います。
さぁ、これをもとにみなさんアクティブファンドを選んでみましょう!!と言ったところで難しいですよね。③はなんとなくWeb上でスクリーニングできても、①・②は商品説明書からは読み取れないのが実情なので・・・
そこで、直接販売という形態をもっている当社ならではの取組として、上記を実現すべく0からファンド立ち上げを検討してみたいと考えています。その進捗や課題等々について、続編としてmattoco Lifeにあげていきたいと思っていますので、もしよろしければSNSフォローやブックマーク等をお願いします。
“商品を提供する側が、自ら投資をする前提でおすすめしたい商品を具現化”ちょっと面白そうじゃありませんか?ぜひお付き合いいただけると幸いです。
では、次号をお楽しみに。
・投資は収益期待がある一方で、値下がり・元本割れの可能性もあり、その損益はすべてお客さまに帰属します。したがって、お客さまの状況等によっては、資金使途に照らして必ずしも投資が適した選択肢となるわけではない点にご留意ください。
・投資はお客さま自身の判断と責任で行っていただく必要があり、投資知識や投資対象商品への理解に不安がある場合は投資をお控えください。また、投資の判断の基礎となる投資方針については、一般的に、資金使途や投資期間、経済状況やリスク許容度等を総合的に勘案した上で、適宜見直しを行うことが望ましいとされています。
【当ページに関するご留意事項】・当ページは三菱UFJ国際投信が作成した情報提供資料であり、金融商品取引法に基づく開示資料ではありません。投資信託をご購入の場合は、販売会社よりお渡しする最新の投資信託説明書(交付目論見書)の内容を必ずご確認のうえ、ご自身でご判断ください。
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三菱UFJ国際投信株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第404号/一般社団法人投資信託協会会員/一般社団法人日本投資顧問業協会会員