投資に興味があっても、「操作が難しそう」「パソコンを持っていない」という理由で始められない人もいるのではないでしょうか。しかし、最近はスマホアプリだけで投資ができるサービスもあります。初心者が簡単に投資を始めたいのであれば、スマホアプリを活用するのも選択肢です。
今回は、スマホアプリで取引できる投資商品やメリット・デメリット、始め方を解説します。
投資ができるスマホアプリとは
投資を始める場合、従来は「証券会社の窓口に訪問する」「パソコンを使ってネット証券を利用する」といった方法が一般的でした。
現在はスマホに投資関連のアプリをダウンロードし、簡単な操作をするだけで、口座開設や投資商品の売買が可能です。
投資アプリを活用すれば、パソコンが手元になくてもスマホですぐに投資を始められます。空いた時間を使って、手軽に情報収集できるのも魅力です。
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スマホアプリで取引できる投資商品
スマホアプリを利用すると、どんな商品に投資ができるのでしょうか。ここでは、投資関連のスマホアプリで取引できる主な商品を紹介します。
投資信託
投資信託は、複数の投資家から集めた資金を1つにまとめ、専門家が株式や債券などで運用する金融商品です。
少額から購入でき、個人でも簡単に分散投資ができるのが特徴です。積立投資にも対応しているため、初心者でも始めやすいでしょう。金融機関によって、スマホアプリで取引できる銘柄や最低投資金額は異なります。
国内上場株式
投資関連のスマホアプリでは、国内上場株式が取引できるものもあります。個別銘柄だけでなく、ETF(上場投資信託)やREIT(不動産投資信託)にも対応しています。アプリ内で株価チャートの確認や売買注文が可能です。
国内上場株式は通常100株(単元株)単位で取引されますが、中にはスマホアプリで単元未満株取引(1株単位の取引)ができるサービスもあります。
外国株式
一部の証券会社では、スマホアプリで米国株などの外国株式の取引が可能です。外国株式の個別銘柄に投資したい場合も、スマホだけで取引を完結できます。ただし、取引できる国や銘柄は証券会社ごとに違うので確認が必要です。
ロボアドバイザー(投資一任型サービス)
ロボアドバイザー(投資一任型サービス)とは、AI(人工知能)を活用した資産運用サービスです。例えば、簡単な質問に答えることでリスク許容度を診断し、ポートフォリオを提案してくれるようなサービスです。
提案内容を受け入れると、投資商品の選定・売買、リバランスなど資産運用のほとんどを任せることも可能です。最初に設定をすると、あとは自動的に運用してくれるため、初心者でも投資を始めやすいでしょう。
ロボアドバイザーの中には、スマホアプリで口座開設や運用設定が完結するサービスもあります。
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スマホアプリで投資を始めるメリット
スマホアプリで投資を始めるメリットは以下の通りです。
スマホだけで簡単に投資を始められる
スマホアプリを利用すれば、パソコンがなくても投資を始めることが可能です。
スマホでもストレスなく投資ができるように、簡単な操作で取引が完結できる仕様になっています。パソコンを起動する手間がなく、空いた時間を有効活用できるのも魅力です。スマホの操作に慣れている人なら、初心者でもスムーズに投資を始められるでしょう。
少額投資ができる
投資関連のスマホアプリは、少額投資ができるのもメリットです。最低投資金額は各金融機関や商品によって異なりますが、投資信託なら100円から売買できるサービスもあります。
株式投資は、単元未満株を扱っているサービスであれば1株単位で取引可能です。
ツールが充実している
投資関連のスマホアプリはツールが充実しており、保有商品の評価額や株価チャート、マーケット情報などが簡単な操作で確認できます。金融機関(アプリ)によっては、投資に関するコラム記事などを読むことも可能です。
安心して取引できるように、指紋認証や顔認証でログインできるアプリもあります。
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スマホ投資のデメリット
一方で、投資関連のスマホアプリには以下のようなデメリットもあります。
取扱商品が比較的少ない
スマホアプリは、金融機関の通常サービスに比べて取扱商品が少ない場合があります。サービスによっては、投資したい商品に対応していない可能性もあるので、利用前に取扱商品を確認しておきましょう。
非課税制度(NISA)に対応していないサービスもある
非課税制度(NISA)は、投資信託や株式などの運用益に税金がかからない制度です。個人の資産形成では積極的に活用したい制度ですが、投資関連のスマホアプリはNISAなどの非課税制度に対応していないケースもあります。
投資で資産形成に取り組むなら、非課税制度に対応したスマホアプリを検討しましょう。
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スマホアプリを活用した投資の始め方
スマホアプリで投資を始める一般的な手順をまとめました。
- アプリをダウンロード
- 口座開設
- 入金
- 取引開始
利用する金融機関(アプリ)を決めたら、アプリをダウンロードし、口座開設手続きを行いましょう。口座開設完了後、資金を入金すると取引を始められます。
積立投資を行う場合は、1回あたりの積立金額や積立頻度などを設定すれば金融機関が自動的に購入してくれます。
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スマホ投資の注意点
スマホアプリで投資を始める場合は、以下の点に注意が必要です。
同じ金融機関が複数のアプリを提供している
1つのスマホアプリで、すべての商品・サービスが利用できるとは限りません。たとえば、同じ証券会社が「証券口座開設」と「株式投資」のアプリを別々に提供しているケースもあります。
また、各運営会社の展開するアプリも投資スタイルが様々であり、運営会社が提供するアプリの種類を確認し、うまく使い分けることが大切です。
状況に応じて確定申告を行う
投資信託や株式投資で損失が生じた場合は、その損失を3年間繰り越して各年分の利益から控除できます。「特定口座(源泉徴収あり)」であれば、原則として確定申告は不要ですが、損失を繰り越すには確定申告が必要になります。
現在は、スマホで確定申告を行うことも可能です。*1
損失を繰り越して税負担を軽減したい場合は、状況に応じて確定申告を行いましょう。
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まとめ
投資関連のスマホアプリを活用すれば、簡単な操作で投資信託や上場株式などの取引が行えます。口座開設もスマホで完結でき、情報収集をしやすいのもメリットです。簡単に投資を始めたいのであれば、スマホアプリの活用を検討してみてはいかがでしょうか。
*1 出所)国税庁「国税庁からのお知らせ(スマホ申告の対象範囲が増えます)」