老後の生活には本当のところいくらかかる?今の貯金で足りるの?

老後の生活には本当のところいくらかかる?今の貯金で足りるの?

平均寿命が延びたことで、老後の生活期間が長くなっています。人生の時間が長くなるのは喜ばしい一方で、老後の生活費に不安を感じる人もいるのではないでしょうか。

セカンドライフを充実したものにするには、退職後の資金計画(ファイナンシャルプランニング)が重要です。支出の見直しはもちろん、資産運用を続けて計画的に取り崩すことも有効な対策となります。

そこで今回は、老後の資金計画の必要性や高齢者の資産運用・取り崩しの効果について解説します。

老後の資金計画を練る上で考慮すべき点

まずは老後の資金計画を練る上で考慮すべき点を確認していきましょう。

老後の生活期間が長くなっている

厚生労働省の簡易生命表によると、日本人の平均寿命は男性81.64歳、女性87.74歳です。*1
100歳以上の高齢者は約7万人(2018年)で、1975年に比べて約127倍にも増えています。*2

平均寿命が今ほど長くなかったころは、まとまった退職金があれば老後の生活費をまかなうことも可能でした。しかし、老後の生活期間が長くなったことで、自助努力で資金を準備して計画的に使う必要性が高まっています

公的年金制度(国民年金、厚生年金)はあるものの、年金だけでは生活費が不足する場合は預貯金を取り崩さなくてはなりません。

ゆとりある老後を過ごすには年金だけでは足りない

老後に夫婦2人で受け取れる年金額は、厚生年金がある場合は月約22万円、国民年金のみの場合は月約13万円です。それに対して、夫婦でゆとりある老後を過ごすために必要な生活費は月約36万円といわれています。厚生年金がある場合で月約14万円、国民年金のみでは月約23万円不足することになります。*3

標準的な年金額などを参考に算出したものであり、すべての人に当てはまるわけではありませんが、それでも多くの人は、年金額のみでは生活費に対する不安が生じると考えられます

医療費や介護費用の負担が高齢になるにつれ増加する

年齢を重ねるほど、医療費や介護費用の負担は増加する傾向にあります

厚生労働省の資料によると、生涯にかかる医療費は2,800万円です。高齢になるほど医療費は増加し、生涯医療費の50%は70歳以上でかかっています。*4

実際は公的医療保険によって自己負担額は1〜3割に抑えられ、状況によっては高額療養費制度も利用できます。それでも、年金収入のみの高齢者にとっては少なくない負担といえます。

また、生命保険文化センターの調査によると、介護に要した一時費用(住宅改造や介護用ベッドの購入など)の平均は74万円です。月々にかかる費用の平均は8.3万円となっています。*5

医療費や介護費用は個人差がありますが、一般的には高齢になるほど費用負担が増えるため、早めに準備する必要があります。

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老後も資産運用を続けて資産寿命を延ばす

老後資金を準備する手段として、まずは預貯金を検討するのではないでしょうか。確かに支出を見直して、収入の一部を定期的に貯蓄に回すことは大切です。しかし、預貯金は金利が低いため預貯金だけでお金を増やすのは難しい状況です。

保有資産の一部を運用に回せば、資産寿命(資産が尽きるまでの期間)を延ばせる可能性があります

たとえば、65歳から貯蓄2,100万円を毎月14万円ずつ取り崩す場合、まったく運用しないと約77歳(約12年)で資産は底をつきます。一方、年3%で運用した場合は約79歳、年5%で運用した場合は約82歳まで資産寿命を延ばせます。*6

この通りに運用できるとは限りませんが、老後も資産運用を続けることで預貯金のみよりも資産寿命を延ばせる可能性があります。

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老後の資産運用の考え方

資産運用は資産寿命を延ばすうえで有効な手段ですが、元本保証ではなく、損失が生じるリスクがあります

資産運用で損失が出ても、若いうちなら勤労収入でカバーすることも可能でしょう。しかし、年金収入のみの高齢者の場合、老後の資金計画に大きな影響を与えるのでリスク管理が重要となります。

一般的に、金融商品には以下3つの要素があります。*7


  • 流動性:いつでも引き出しが可能(普通預金など)
  • 安全性:安定した収益と元本の安全性が期待できる(定期預金など)
  • 収益性:リスクは高いが大きな収益が期待できる(株式、投資信託など)

これら3つの要素を考慮して、年齢とともに資産の保有割合を見直せば、リスクをコントロールしながら資産運用に取り組めます。

たとえば、現役時代は収益性を重視して株式や投資信託の割合を増やし、退職後は安全性や収益性を重視した運用にシフトする(普通預金・定期預金の割合を増やす)といった具合です。

老後も無理なく資産運用を続けるには、リスクの取りすぎに注意することが大切です

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投資信託なら初心者でも資産運用を始めやすい

投資信託とは、投資家から集めた資金を1つにまとめ、専門家が株式や債券などで運用を行う金融商品です。運用で得られた収益は、投資金額に応じて投資家に分配されます。

投資信託は、証券会社や銀行などで少額から購入可能です。小口のお金を集めてさまざまな資産に分散投資をするため、リスク軽減が期待できます。運用は専門家に任せられるので、初心者でも始めやすいでしょう。

投資信託は元本保証ではないので、運用がうまくいけば利益を得られますが、損失が生じる可能性もあります。また、購入時には販売手数料、保有中には信託報酬(運用管理費用)がかかる点にも注意が必要です。

運用方針や手数料は商品によって異なるため、複数の商品を比較・検討して自分のリスク許容度に合った投資信託を購入しましょう

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必要に応じて専門家からアドバイスを受ける

老後の資金計画を立てる際は、金融機関やファイナンシャルプランナーなどの専門家からアドバイスを受けることも有益です

退職後10年、20年といった長期にわたって資産を維持するには、自分に合った資金計画を立て、定期的に計画内容を見直す必要があります。特に金融商品の選定やポートフォリオ(資産配分)の構築は、投資成果に大きな影響を与えます。

金融や投資の知識がないと自分の資産計画に対してリスクを取りすぎたポートフォリオを構築してしまう恐れもあり、場合によっては、大きな損失を招き資産計画が立ち行かなくなる可能性があります。専門家に相談すれば、第三者の視点から資金計画の内容に対して提案やアドバイスを受けられます。

専門家によって料金体系や得意分野が異なるので、まずはインターネットなどで情報収集をしてみましょう

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まとめ

将来の資金不足を防ぎ、退職後のセカンドライフを充実したものにするには、しっかりとした資金計画を立てて保有資産を管理・運用することが大切です。老後も資産運用を続けながら計画的に取り崩すことで、資産寿命を延ばせる可能性があります

一方で、資産運用は自分のリスク許容度に合わせたポートフォリオを構築し、無理なく行うことが大切です。
自分だけで老後の資金計画を立てることに不安を感じる場合は、状況に応じて専門家にアドバイスを求めましょう。

*1 出所)厚生労働省「令和2年簡易生命表の概況」P.2

*2 出所)三菱UFJ国際投信「考えよう、これからの資産運用」P.5

*3 出所)三菱UFJ国際投信「考えよう、これからの資産運用」P.6

*4 出所)厚生労働省「2019年度 医療保険に関する基礎資料」P.82~83(生涯医療費)

*5 出所)生命保険文化センター「2021年度 生命保険に関する全国実態調査」P.96

*6 出所)三菱UFJ国際投信「考えよう、これからの資産運用」P.9

*7 出所)三菱UFJ国際投信「考えよう、これからの資産運用」P.14

・投資信託のリスクと費用については、こちらをご確認ください。

・当ページは当社が作成した情報提供資料であり、金融商品取引法に基づく開示資料ではありません。投資信託をご購入の場合は、最新の投資信託説明書(交付目論見書)および目論見書補完書面の内容を必ずご確認のうえ、ご自身でご判断ください。

三菱UFJ国際投信株式会社

金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第404号/一般社団法人投資信託協会会員/一般社団法人日本投資顧問業協会会員

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