- 2022.03.10
- mattoco Life編集部
アクティブファンドはどうやって選べばいい?購入時・保有時それぞれにおける情報収集の方法について解説
アクティブファンドは、市場平均を上回るリターンを目指す投資信託です。
資産を大きく増やしたい場合はアクティブファンドで運用するのも選択肢ですが、その分リスクがインデックスファンドに比べ相対的に大きく、株式市場の下落時にはファンドの基準価額が大きく下落する場合もあります。
そこで本記事ではアクティブファンドを選ぶにあたって留意すべき点や購入時・保有時それぞれにおける情報収集の方法について解説します。
アクティブファンドとは
アクティブファンドとは、日経平均株価などの指数を上回るリターンを目指して運用される投資信託です。
さまざまな調査・分析を行い、ファンドマネジャーが投資方針や独自の見通しに基づいて構成銘柄や組入比率を決めていきます。
アクティブファンドにはさまざまな種類があります。具体例は以下の通りです。
- バリュー型ファンド:株価が割安と判断される銘柄を中心に投資する*1
- グロース型ファンド:大きな成長が期待できる銘柄を中心に投資する*2
- テーマ型ファンド:特定のテーマに関連した銘柄を中心に投資する
バリュー型ファンドは株価の割安性、グロース型ファンドは企業の成長性を重視して投資銘柄を選定します。テーマ型ファンドのテーマの例としては、最近話題として取り上げられる「ESG投資」「フィンテック」「AI(人工知能)」などがあります。
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アクティブファンドで留意すべき点
アクティブファンドは指数と構成銘柄が違うため、日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)といった指数とは値動きが大きく異なることがあります。
ファンドマネジャーの判断がうまくゆけば、市場平均を上回るリターンが得られる可能性がありますが、そうでない場合はリターンが市場平均を下回る可能性もあります。
また、特定の指数をベンチマーク(目標)とするインデックスファンドに比べると、信託報酬などの運用コストは高い傾向にあります。
アクティブファンドを購入・保有する場合は、その商品の中身をしっかり理解することが大切です。
「目標リターン」「運用予定期間」「許容できるリスクの度合い」などを明確にし、自分に合ったファンドを選びましょう。
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アクティブファンドの選び方
アクティブファンドに限らずファンドの購入を検討する際は、交付目論見書で以下の項目を必ず確認しましょう。交付目論見書とは、投資信託の投資判断に必要な重要事項を説明した書類で、金融商品取引法では、ファンドの販売会社等は、投資家に投資信託を取得させる前に又は同時に目論見書を交付するよう決められています。*3
投資方針
アクティブファンドを選ぶ際に、まず確認すべき点は、投資方針です。ファンドの目的・特色には主要な投資対象や投資目的、投資銘柄の選定方法などが詳しく説明されています。
アクティブファンドは、商品によって投資方針が大きく異なります。投資方針に優劣があるわけではないため、自分が理解し納得できるファンドを選ぶことが大切です。
複数のファンドを比較し、投資方針の違いを意識しながら読むと理解しやすいと思います。
運用実績
交付目論見書には基準価額や純資産総額の推移、分配金の実績、組入上位業種・銘柄、年間収益率といった運用実績が掲載されています。
また、代表的な資産クラス(日本株、先進国株など)との騰落率の比較なども確認できます。
アクティブファンドの選択において、市場平均を上回る実績を残せているかは重要なポイントで、商品を選ぶ際の参考情報として活用できます。
ただし、運用実績は過去の実績であり、将来のリターンを保証するものではありませんので、注意が必要です。
運用コスト
アクティブファンドを選ぶときは、運用コストも確認しておきたい項目です。
「信託報酬(運用管理費用)」は運用資産から日々差し引かれる費用で、基準価額に影響を与えます。
信託報酬に見合うだけのリターンが期待できるかを見極める必要があるでしょう。
また、ファンドによっては、解約時に「信託財産留保額」がかかる場合もありますので確認しましょう。
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アクティブファンドを保有中に参考にしたい情報
アクティブファンドは組入銘柄の値動きによっては、大きく基準価額が変動します。ここでは、保有中に参考にしたい情報を紹介します。
運用状況
金融機関(証券会社、銀行など)のホームページのマイページにログインすると、購入したアクティブファンドの運用状況(基準価額、時価評価額、評価損益など)を確認できます。
その際、保有するファンドの値動きの傾向から、自分の投資スタンス(リスク許容度)に適したファンドであるかどうか適宜チェックしましょう。チェックするにあたっては、直近の値動きだけでなく、1年,3年、5年と長期スパンの値動きの傾向を把握することも大切です。
月次レポート・運用報告書
月次レポートとは、運用会社がファンドの運用状況を公表するために任意で発行しているレポートです。*4
毎月発行されるので、投資環境の変化やファンドの運用状況を把握しやすいのが特徴です。
基準価額や純資産総額の推移、騰落率といった情報だけでなく、運用担当者のコメントも掲載されています。
市場動向や基準価額の変動要因などが詳しく説明されているので、読むことでファンドへの理解が深まります。
一方、運用報告書とは、運用会社に作成が義務付けられている書類で、原則としてファンドの決算ごとに作成されます。*5
月次レポートよりもファンドの状況が詳細に記載されており、運用経過や今後の運用方針などが確認できます。
月次レポートと運用報告書は、運用会社のホームページなどで入手できます。
トータルリターン
トータルリターンとは、ファンド購入時から現在までの損益を表す指標です。*6
保有中にファンドを追加購入したり、分配金を受け取ったりすると、現在の評価損益だけでは保有期間全体の損益を把握できません。
現在の評価損益がマイナスであっても、過去に受け取った分配金を考慮すると損益がプラスになっている場合もあります。
アクティブファンドの運用状況を正確に把握するには、トータルリターンをチェックすることも大切です。トータルリターンは、投資信託の販売会社から年1回通知されます。
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まとめ
アクティブファンドは、インデックスファンドより相対的に価格変動リスクが高く、中には商品性が複雑なものがあります。購入・保有する際は、商品の中身を理解し、投資方針に共感できるもの、また許容できるリスクの度合いが合致するファンドを選ぶことが大切です。また、適宜に販売会社・運用会社のホームページで情報収集を行い、無理なく保有を続けられるように、アクティブファンドについて理解を深めておきましょう。
*1 出所)三菱UFJ信託銀行「バリュー型運用」
*2 出所)三菱UFJ信託銀行「グロース型運用」
*3 出所)三菱UFJ国際投信「目論見書を読み解くガイド」
*4 出所)三菱UFJ銀行「 3.目論見書・報告書の見方・読み方 -月次レポートの見方・読み方」
*5 出所)三菱UFJ銀行「 3.目論見書・報告書の見方・読み方 -運用報告書の見方・読み方」
*6 出所)三菱UFJ銀行「 2.投資信託購入後のチェックポイント -トータルリターンから考える」
・投資信託のリスクと費用については、こちらをご確認ください。
・当ページは当社が作成した情報提供資料であり、金融商品取引法に基づく開示資料ではありません。投資信託をご購入の場合は、最新の投資信託説明書(交付目論見書)および目論見書補完書面の内容を必ずご確認のうえ、ご自身でご判断ください。
三菱UFJ国際投信株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第404号/一般社団法人投資信託協会会員/一般社団法人日本投資顧問業協会会員