資産形成の強力な味方「複利効果」はどれくらいスゴイ? 考え方とシミュレーション方法を解説!

資産形成の強力な味方「複利効果」はどれくらいスゴイ? 考え方とシミュレーション方法を解説!

昨今「FIREムーブメント」という考え方が注目を集めるようになってきました。
FIREとは経済的自立(Financial Independence)をしたうえでの早期リタイア(Retire Early)を目指す概念です。資産運用等である程度のリターン(生涯の支出を賄うのに十分な不労所得)を獲得すれば早期にリタイアしても十分な資産寿命を維持することでき、リタイア後は資産を取り崩して生活することができるという考えに基づいています。

FIREを実現するには最初の一歩として経済的自立を可能とするだけの資産を形成しなければなりません。早期リタイアを目指すかどうかに関わらず「経済的自立の獲得」は資産運用を行う人にとっての共通テーマです。

本記事では、資産形成を成し遂げるうえで強力な味方となる、投資の「複利効果」と複利運用による資産増加シミュレーションにおける注意点について解説します。

まず複利と単利の違いを理解しよう

複利効果について理解するためには、複利と単利がどう違うのか正確に押さえておく必要があります。
両者の違いを端的に言えば「運用途中で投資元本の大きさが変わるかどうか」です。

複利は運用益をそのまま投資元本に組み入れることで「利益がさらなる利益を呼ぶ」状態が期待できます。
年率10%で2年間運用した場合、

1.00×(1.00+0.10)×(1.00+0.10)=1.21

2年後の資産は原資の1.21倍となります。
1年目の10%分を2年目の運用の元本に組み入れたため、同じ利回りでも1年目よりも少し大きなリターンが得られました。

複利をイメージしやすい金融商品は預貯金です。
元本と1年目の利子の合計に対し2年目の利子がつくため「利子で得た利益がさらなる利益を呼ぶ」運用となります。

単利は運用益を投資元本に組み入れないため投資元本の大きさが変わらず、リターンの大きさも毎年同じです。
年率10%で2年間運用した場合、

1.00+(1.00×0.10)+(1.00×0.10)=1.20

2年後の資産は原資の1.20倍となります。

単利をイメージしやすい金融商品は債券です。
運用途中で投資元本の大きさは変わらないため、毎年同じインカム(定期的な利子)を期待できます。

複利の計算は掛け算、単利の計算は足し算。このポイントを押さえるとスッキリ理解できるでしょう。

また、複利運用と単利運用は運用期間が長くなるほど、両者の差が広がるということも併せて覚えておきましょう。前述の例も2年程度ではわずかな差ですが、運用10年目では複利運用が2.59倍、単利運用が2.00倍と大きく差が開きます。(是非計算してみてください!)

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複利効果を簡易計算する「72の法則」

前述の通り複利運用では年率リターンの掛け算が必要なため、運用期間が長くなると暗算は困難です。そこで簡単に計算するために「72の法則」という計算方法があります。

72を年率リターン(%)で割ると、元本の2倍になるまでのおよその年数が計算できます。

  • 年率7%で運用できればおよそ10年で2倍
  • 年率5%で運用できればおよそ14年で2倍
  • 銀行預金の金利を0.001%とするとおよそ72000年で2倍

このように運用にかかる年数はリターンの大きさによって左右されることがわかります。

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厳密な計算には金融電卓や表計算ソフトが必要

「72の法則」は便利な計算方法である反面、最初に一括投資した場合の計算しかできません。
積立投資のように徐々に元本を投入していく場合は金融電卓の機能を使うと便利です。また、シミュレーションソフトは多くのWebサイトで公開されておりますが、一例として金融庁の「資産運用シミュレーション」を紹介します。

金融庁の「資産運用シミュレーション」では次の3種類のシミュレーションが可能です。

  • 積立額が毎月○万円で年率○%で○年運用したら、資産総額はいくらになるか?
  • 年率○%で○年運用して資産総額○万円に到達するには、積立額は毎月いくらにするべきか?
  • 積立額が毎月○万円で年率○%で資産総額○万円に到達するには、運用期間は何年かかるか?

金融庁「資産運用シミュレーション

FIREのようにある程度目標資産総額が決まっている場合には、積立額や運用期間を計算してみると達成に至るまでの道のりや現実味が明らかになります。計算した積立額や運用期間に無理があると感じたら運用計画の見直しを図りましょう。

ただし積立額が一定しない場合や途中で一時的な引き出しが発生するなど変則的なプランは金融電卓でも計算不能です。個々のマネープランに合った計算が必要であれば表計算ソフトの活用が現実的です。資産の推移だけでなく、日常的な支出やライフイベント的な支出まで全てを統合したキャッシュフロー表を作成できればマネープランの精緻化に役立つでしょう。

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資産運用を上手にシミュレートするコツ

資産運用のパフォーマンスはリターンと運用期間で求められます。また複利の長期運用ではリターンの累乗を用いるため、リターンにわずかな差があるだけで将来的な資産額が大きくブレる性質があります。

たとえば、
年率5%で20年運用すれば、元本の2.65倍。
年率4%で20年運用すれば、元本の2.19倍。
1年スパンで見れば1%ぐらいほぼ誤差と評価できるかもしれませんが、10年20年と運用を続けると明確な差が生じるのです。

つまり資産運用を上手にシミュレートするには、将来的な平均リターンをどれぐらいに見積もるかが極めて重要と言えます。そこで妥当なリターンを見積もるためのコツを3つ解説します。

1.リターンは税金を考慮する

たとえば株式や投資信託の譲渡益(売却益)には20.315%の税金が課されます。

※2021年10月時点

資産運用によって十分な資産額に達したとしても、売却時の税金を差し引いたら目標額を大きく下回ってしまったといったミスを防ぐためにも税金のことは事前に織り込む必要があります。元本+運用収益ではなく、元本+課税後の運用収益の手取り資産額ベースで計算するとよいでしょう。

また、別のアプローチとしてはリターンにあらかじめ税率を織り込ませておく方法もあります。
年率5%と想定していた場合、税率分を差し引いて年率4%でシミュレートすれば後から課税後の運用収益を計算する必要がなくなります。前者より簡便な方法ではあるのですが、毎年課税が行われる計算となるため見積もり精度は若干落ちてしまうでしょう。

ちなみに運用途中に頻繁に売買するとその都度税金が発生し投資元本を減少させるため、運用の複利効果が弱まる傾向があります。複利効果を最大限味方につけるにはバイアンドホールドの長期運用により税金の発生を可能な限り後回しにしましょう。

2.可能な限りコストも考慮する

インデックスファンドのような特定の指数に連動する投資信託といった金融商品は、必ずしも対象の指数と同じだけのリターンが得られるとは限りません。投資信託の運用にはコストがかかるため、対象指数からの乖離が発生してしまいます。

そのためインデックス運用の場合は対象指数そのもののリターンではなく、インデックスファンド自体の基準価額推移からリターンを見積もってみましょう。投資信託の基準価額は既に運用コストを差し引き済の値であるため、より現実に即したリターンの算出に役立ちます。

3.リターンの見積もりは楽観的より現実的に

冒頭のFIREの例では「いつまで」「いくら」をある程度明確にしなければプランを考えることもできません。しかしこのプランに拘泥するあまり、現実味の薄い強気のリターンで無理に帳尻を合わせてもそれは机上の空論で終わってしまいます。
資産形成のシミュレートは楽観シナリオよりも少し慎重な現実シナリオで見積もるようにしましょう。あらかじめ慎重なリターンで見積もっておいて、実際にそれを上回るパフォーマンスで運用できても不都合がないからです。逆に強気なリターンで見積もっておいて実際にはそのパフォーマンスに及ばなかった場合、プランの組み直しには大きな労力が伴うでしょう。

FIREの例ではゴールが大きく先延ばしになれば「早期」リタイアではなくなってしまうかも知れません。先延ばしになった分、リタイア達成後のスケジュールにも大きな影響が出てしまうでしょう。

現実的なシミュレーションは現実的な条件設定からしか得られないことを常に意識しておきたいものです。

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まとめ

長期間資産運用をしていくうえで複利効果がいかに大切なものか、複利運用による資産増加をどうシミュレートしていけばよいかを解説しました。リスク性金融商品の運用において将来のリターンは不確実で、ぴったり予想することは非常に困難です。

ではシミュレーションすることに意味はないかと言えば、決してそんなことはありません。資産推移のシミュレーションでおおよその方向性がわかれば長期運用のモチベーション維持に役立つだけでなく、積立額や運用期間の不足などプラン自体の不備に気付ける可能性もあります。

遠い将来をしっかり見据えるためにも、複利効果を最大限活用し、長期間資産運用を行う際には一度シミュレーションをしてみてはいかがでしょうか。

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・当ページは当社が作成した情報提供資料であり、金融商品取引法に基づく開示資料ではありません。投資信託をご購入の場合は、最新の投資信託説明書(交付目論見書)および目論見書補完書面の内容を必ずご確認のうえ、ご自身でご判断ください。

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