省エネ・エコ補助金には何がある?家庭で使える国や自治体の制度を上手に利用しよう

省エネ・エコ補助金には何がある?家庭で使える国や自治体の制度を上手に利用しよう

環境や省エネに配慮した生活への関心が高まっていますが、一般家庭で環境によい家電製品を取り入れようとすると、どうしても初期コストが大きくなりがちです。
そんな時、少しでも負担を軽減する方法の一つが、国や地方自治体が用意している補助金です。
本記事では、環境に配慮したライフスタイルを送ろうとする家庭で利用できる、主な補助金を紹介していきます。
なお、補助金は、それぞれ申請できる時期や条件が個別に決まっており、また年によって内容や条件が変わったりします。申請前に最新情報を自身で確認することを忘れないようにして下さい。

太陽光発電や蓄電池の導入に対する補助金

国の後押しもあり普及が進んだものの一つに、家庭用の太陽光発電があります。
単価が徐々に下がっていることもあり、住宅の新築やリフォームの際に導入を検討する人も多く、利用者は少しずつ増え続けています。
まずはこの太陽光発電と、蓄電池について見ていきましょう。

太陽光発電の導入に対する国の補助金は既に終了

家庭の太陽光発電設備の導入に対する国の補助金は、実は2014年に終了しています
その結果、現在は国からの補助金はなくなっています。
背景として、コストの低下により過去に比べて導入時の負担が軽減された点があります。

地方自治体によっては太陽光発電の導入に対する補助金あり

一方で、太陽光発電の補助金を支給している地方自治体もあります。
たとえば東京都の場合、23区の中でも一部の区は補助金の制度を持っています。
その内容は区によって様々であり、金額や条件も異なります。
太陽光発電の導入を考えている場合、「なんとなく補助金がもらえる」と期待していた人には、少し残念な状況かもしれません。
しかし、お住いの都道府県や市町村のWebサイトで利用できる制度がないかを確認してみましょう。

蓄電池を導入する家庭に対する補助金も

蓄電池は、太陽光などで発電した電力のうち余剰分を売電せずに、貯めておくためのものです。
蓄電池があれば、太陽光で自家発電した電力や安価な夜間電力を充電しておき、料金の高い昼間に活用することができます。
このシステムは以下のような理由で、今後の普及が見込まれています。

  • 自然災害で停電したときなどにも使える。
  • 技術の進歩により蓄電池の小型化が進み、家庭でも導入しやすくなってきた。
  • 依然として高価ではあるものの、以前よりは価格が低下している。
  • 太陽光発電の買取価格が下がり、家庭での自家消費の需要が高まってきている。

2021年度の経済産業省の補助金では、家庭用蓄電システムの設置費用に対して、1kWhあたり4万円の補助金(補助率は1/3以内)が支給されます。*1
たとえば10kwhの蓄電池を設置する場合は、最大40万円の補助金になります。 
地方自治体でも、蓄電池システムの設置に対して、補助金を用意している場合があります。
たとえば東京都であれば、2021年度の場合、1kWh当たり17万円以下の機器を対象に、1kWhあたり7万円(最大42万円)の補助金が支給されます。*2
こちらも、自分が住んでいる自治体の制度を確認し上手に活用することを検討してみましょう。

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自宅のリフォームの際に利用可能な主な補助金

住宅のリフォームに対しては様々な補助金がありますが、以下で代表的なものをご紹介していきます。
いずれも省エネを促進する趣旨のため、内容が重なる部分もあります。
選べるのは一つですので、自身のリフォームの特徴に合った補助金を探すようにしてください。

既存住宅における断熱リフォーム支援事業

住宅の断熱効率がよければ室内の温度が保たれやすくなり、冷暖房の電力消費量も減ります。
このように、断熱効率を高めるリフォームは環境にもよいため、補助金が支給されています。
「既存住宅における断熱リフォーム支援事業」という環境省の補助金制度では、外壁・屋根などの断熱材やガラス・窓に高性能建材を利用するリフォーム工事に対して、補助対象経費の1/3の補助金が支給されます(上限120万円)*3
補助の対象となる工事の条件には、居間など在室時間が長い部屋の改修工事であることなどがあります。

グリーン住宅ポイント制度

グリーン住宅ポイント制度は、新型コロナウィルスからの経済回復の期待も込めた、国土交通省による補助制度です。*4
一定の省エネ性能などの要件を満たす住宅の建築やリフォームを行った場合に、商品交換に利用できるポイントをもらえます。
リフォームの場合にポイントの対象となる工事の例は、以下のとおりです。

本制度のポイントには以下の特徴があります。

  • 工事ごとに発行ポイントが決まっており、最低でも5万ポイント以上発行される工事を行う必要がある。
  • ポイントの交換にあたっては、1ポイント=1円相当の価値があり、家電や食品、雑貨など、様々なものと交換できる。
  • 複数の工事を組み合わせて実施し、その分ポイントを多くもらうこともできる。
  • 一般の住宅のリフォームの場合にもらえるポイントの上限は300,000ポイント。

ZEHへの改修に対する補助金

ZEHとは、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスの略で、年間のエネルギー収支ゼロを目指した住宅を指します。
以下の特徴があります。

  • 断熱性能の向上や効率のよい設備システムの導入による省エネの実現
  • 太陽光発電などの再生可能エネルギーの導入

以下は、ZEHのイメージ図になります。

図2:国土交通省「ZEH、LCCM住宅関連事業(補助金)について」より*5引用

ZEHの要件を満たした建売住宅の新築や既存住宅のリフォームはまだ少ないものの、注文住宅ではZEHの要件を満たす新築物件が増えています。
一番ベーシックなZEHの補助金では、60万円が付与されます
この場合、ZEHの要件を満たす新築やリフォームで、一次エネルギー消費量の20%以上の削減が条件になります。

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電気自動車(EV)の購入に対する補助金

EVやPHVの購入には環境省と経済産業省の補助金がある

二酸化炭素の排出削減への意識の高まりから、世界的に注目を集めているEVです。
環境省および経済産業省は、EVやプラグインハイブリッド車(PHV)の購入に対して補助金を付与しています。*6*7
どちらかを選んで申請することになりますが、いずれについても、「再エネ100%電力調達」などの条件が付されています。
2021年の補助金の上限額は、以下のとおりです。

外部給電器やV2H放充電設備にも補助金あり

EVやPHVからは、貯めた電力を取り出して、使うことができます。
そのための機器・設備が、外部給電器やV2H放充電設備です。
それぞれの特徴と、環境省・経済産業省の2021年の補助金は、以下の通りです。

これらの補助金は、EVやPHVとの同時購入の場合のみ、利用可能です。

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まとめ:補助金を活用して環境によい生活を

以上で、太陽光発電や蓄電池の導入、リフォーム、自動車の購入の際に利用可能な主な補助金を紹介しました。
国や地方自治体も環境によい製品の導入を後押ししており、様々な補助金が存在しています。
負担を軽減しつつ環境によい生活を手に入れるためにも、補助金の活用も選択肢に入れて検討してみてはいかがでしょうか。

*1 出所)一般社団法人環境共創イニシアチブ「DERの更なる活用に向けた実証事業」(経済産業省補助金事業)


*2 出所)東京都環境局「自家消費プラン(蓄電池導入への補助事業)


*3 出所)環境省「既存住宅における断熱リフォーム・ZEH化支援事業


*4 出所)国土交通省「グリーン住宅ポイント制度


*5 出所)国土交通省「ZEH、LCCM住宅関連事業(補助金)について


*6 出所)環境省「大気環境・自動車対策


*7 出所)経済産業省「クリーンエネルギー自動車の導入補助金について

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