退職金は「住宅ローン返済」と「NISAで資産運用」のどっちがいいのか

退職金は「住宅ローン返済」と「NISAで資産運用」のどっちがいいのか

まとまった額の退職金を受け取った場合、住宅ローンを一括返済するか資産運用に回すか迷うのではないでしょうか。
住宅ローンを完済すれば毎月のローン返済がなくなるため、家計収支の改善が期待できます。ただし、住宅ローンの一括返済には注意点もあります。
また、NISAを活用して資産運用に回すほうが有利な可能性もあるので、退職金の使い道を十分に検討することが大切です。

今回は、退職金で住宅ローンを一括返済するメリットや注意点、資産運用が有利だと考えられるケースについて解説します。

まずは住宅ローンの一括返済を検討する

厚生労働省の「2018年就労条件総合調査」によれば、会社員が定年を迎えて受け取る退職金の平均額は大卒で約1,900万円、高卒で約1,100~1,600万円です。*1
これだけの大きなお金をどう使うかによって、老後の生活は大きく変わるかもしれません。

退職金の使い道として最初に検討したいのは、住宅ローンを完済して負債をなくすことです。退職金で住宅ローンを一括返済するメリットは以下のようになるでしょう。

  • 総返済額を減らせる
  • 家計収支の改善が期待できる
  • 心理的負担がなくなる

退職金で住宅ローンを一括返済すれば、返済が早まった分だけ利息が軽減されるため、総返済額を減らせます。毎月のローン返済がなくなれば、手元に残るお金が増えて家計収支の改善につながります。

また、「無事に住宅ローンを返済できるか」「適用金利が上がらないか(変動金利の場合)」といった心配をする必要もなくなるでしょう。

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退職金で住宅ローンを一括返済する場合の注意点

退職金で住宅ローンを一括返済する場合は、以下の点に注意が必要です。

手元資金が不足する可能性がある

負債をなくすことは大事ですが、住宅ローンの完済を重視しすぎると、手元資金が不足する可能性があります。現在の貯蓄額や今後の収入、予定が決まっている支出などを整理して、一括返済しても問題ないかを判断しましょう
一括返済が難しい場合は、無理のない範囲で一部繰り上げ返済を行う方法もあります。

団体信用生命保険がなくなる

団体信用生命保険があれば、ローン返済中に債務者が死亡もしくは高度障害状態となった場合、保険金から住宅ローンが完済されます。債務者にもしものことがあっても、家族にローンがない自宅を残せます。

しかし、退職金で住宅ローンを一括返済すると、団体信用生命保険がなくなります。生命保険代わりに団体信用生命保険を利用している場合は、保障を残すために「一括返済しない」という考え方もあるでしょう。

手数料がかかることがある

金融機関によっては、住宅ローンを一括返済する際に手数料がかかります。店頭で返済するかオンラインで手続きするかによって、手数料に差があるケースもあるので、一括返済の手数料を確認しておきましょう。

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年金生活に入る前に完済できるなら資産運用も選択肢

「定年後も仕事をする予定がある」
「残債が少なくあと数年で完済できる」
など、年金生活に入る前に住宅ローンを完済できるなら、退職金を資産運用に回すのも選択肢の一つです。

長寿化に伴い老後資金の確保が課題になっていますが、低金利が続いており、銀行預金だけでは資産を増やすのが難しい状況です。資産運用を行えば、資産寿命を延ばせる可能性があります。

たとえば、元金2,400万円を65歳から毎月13万円ずつ取り崩した場合、まったく運用しなければ約80歳で資産はゼロになります。しかし、年3%で運用した場合は約84歳、年5%で運用した場合は約88歳まで資産寿命を延ばせます。*2

シミュレーション通りに運用できるとは限りませんが、運用することで資産が長持ちするかもしれません。

ただし、資産運用は元本が保証されていないため、うまく運用できれば資産を増やせますが、元本割れリスクもあります。退職金は老後生活に必要な資産なので、無理のない範囲で運用することが大切です。

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退職金の資産運用ではNISAを活用する

退職金を運用する場合は、NISA(少額投資非課税制度)の活用を検討しましょう。投資商品の運用益には通常約20%の税金がかかりますが、NISA口座なら非課税で運用できます。税金分だけ手元に残るお金が増えるので、効率的に資産を増やすことが可能となります。

NISAでは国内上場株式や投資信託、ETF、J-REITなどの譲渡益、配当金、分配金が非課税の対象です。新規投資額は毎年120万円が上限で、5年間で最大600万円まで非課税で運用できます。*3

NISA口座を開設する場合は、証券会社などの取扱金融機関で手続きを行います。

投資信託なら初心者でも運用しやすい

投資経験がない方が退職金で資産運用を始める場合は、投資信託を検討しましょう。投資信託とは、複数の投資家から集めた資金を一つにまとめ、専門家が株式・債券などで運用する金融商品です。

運用をプロに任せることができ、1,000円程度の少額から購入できるので、初心者でも運用しやすいといえます。また、1本で複数の資産・銘柄に分散投資ができるため、リスク軽減も期待できます。

インデックスファンドを選ぶ

投資信託はさまざまな商品が販売されていますが、退職金の運用ではインデックスファンドを選ぶといいでしょう。インデックスファンドとは、特定の指数(日経平均株価など)に連動する投資成果を目指して運用される投資信託です。

指数の値動きに連動して基準価額が上下するため、投資成果がわかりやすいのが特徴です。また、投資テーマが古くならないので、長期保有しやすいメリットもあります。

「全世界株式型」「バランス型」と呼ばれるインデックスファンドなら、1本で国内外の資産に分散投資ができて便利です。

投資信託はコストに注意

投資信託は以下のコストがかかります。

  • 購入時手数料:投資信託を購入するときに支払う手数料
  • 信託財産留保額:投資信託を解約するときに生じる費用
  • 信託報酬:投資信託の保有額に応じて支払う運用管理費用

※なお、上記の他、ファンドによってご負担いただく費用があります。詳しくは、投資信託説明書(交付目論見書)などでご確認ください。

購入時手数料や信託財産留保額は、なるべく無料のファンドを選ぶといいでしょう。

信託報酬は、投資信託を保有している間は運用資産から日々差し引かれるので、長く運用するほど投資成果に大きな影響を与えます。

同じような投資信託であっても、商品によってコストは異なります。退職金の運用では複数のファンドを比較して、信託報酬が低いファンドを選ぶことが大切です。

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充実したセカンドライフを過ごすために退職金の使い道を考えておこう

まとまった退職金を受け取ったら、住宅ローンを一括返済して負債をなくすことを優先しましょう。

ただし、年金生活に入る前に住宅ローンを完済できる見込みであれば、NISAを活用して資産運用に回すのも選択肢の一つです。投資商品には元本割れリスクがあるので、無理のない範囲で資産運用に取り組みましょう。

*1 出所)厚生労働省「2018年就労条件総合調査 退職給付(一時金・年金)の支給実態

*2 出所)三菱UFJ国際投信「資産運用の必要性の巻

*3 出所)金融庁「NISAの概要

・投資信託のリスクと費用については、こちらをご確認ください。

・当ページは当社が作成した情報提供資料であり、金融商品取引法に基づく開示資料ではありません。投資信託をご購入の場合は、最新の投資信託説明書(交付目論見書)および目論見書補完書面の内容を必ずご確認のうえ、ご自身でご判断ください。

三菱UFJ国際投信株式会社

金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第404号/一般社団法人投資信託協会会員/一般社団法人日本投資顧問業協会会員

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