ポイント
日本で生活をしていても、海外の資産に投資を行うことは可能です。将来に向けた資産形成を目的に、海外投資を検討している方もいるのではないでしょうか。
国内の証券会社では、海外の株式や債券などを投資対象とする金融商品を取り扱っていますので、海外投資を行うことができます。
海外投資はメリットがある一方で、考慮しなくてはならないリスクもあります。
大切な資産を守るためにも、海外投資の特徴を理解してから投資を始めることが大切です。
今回は、海外投資のメリットやリスク、注意点について解説します。
海外投資ができる主な金融商品
証券会社によっては、海外の株式市場に上場する企業の株式や海外ETF、海外の国債・社債などに投資することも可能ですが、初めて海外投資を行う場合は、投資信託を活用すると比較的取り組みやすいでしょう。
投資信託には、海外の株式や債券、不動産などを投資対象としたファンドがあり、1,000円程度の少額から海外の資産に投資することができます。
外貨に交換する必要はなく円のまま購入でき、自動的に毎月一定額を購入する積立投資にも対応しています。
また、運用益が非課税になる「NISA」や「iDeCo(個人型確定拠出年金)」も利用できます。
どのような金融商品を選ぶにせよ、海外投資は商品特徴やリスクを十分に理解した上で始めることが大切です。
(目次へ戻る)
海外投資を行うメリット・必要性
海外投資を行うメリットは、海外の経済成長を自分の資産形成に取り込むことができることです。世界には日本よりも高い経済成長が期待される国もあります。そういった国の株式や債券に投資することで、国内の株式や債券に投資するよりも高いリターンを得られる可能性があります。
海外投資は、先進国への投資と新興国への投資に分けて考えることができます。一般的に、先進国よりも新興国の方が高い経済成長が期待されていますが、一方で新興国への投資は先進国よりもリスクが高いので注意が必要です。
国内だけでなく、先進国、新興国の資産へも分散投資をすることで、幅広い国・地域からリターンを享受することが期待できます。金融庁の資料によると、1995年から2015年までの20年間、毎年同額の投資をした場合の累積リターンは以下の通りです。*1
- 79.9%(年平均4.0%):国内・先進国・新興国の株式・債券に1/6ずつ投資
あくまでも過去の実績であり、将来も同じような投資成果を得られるとは限りませんが、参考にはなるのではないでしょうか。
海外投資で考慮しなくてはならないリスク
海外投資を行うときに考慮しなくてはならない主なリスクをまとめました。
元本割れリスク
国内の金融商品(除く、預貯金等)に投資する場合と同じく、海外投資も元本は保証されていません。運用がうまくいけば利益を得られますが、状況によっては損失が生じる可能性もあります。
必ず利益を得られるわけではないことを理解した上で、海外投資を始めましょう。
為替リスク
為替リスクとは、為替相場の影響により、外貨建て資産を円換算したときの価値が変動するリスクです。海外投資は外貨建ての取引になるため、為替変動の影響を受けます。
購入時より為替が円安になれば為替差益を得られますが、円高になると為替差損が生じます。
1米ドル=100円のときに、米ドル建て資産に100万円(1万ドル)を投資するケースについて確認しましょう(手数料は考慮外)。
1米ドル=110円(円安)になれば、資産は110万円(1万ドル×110円)に増えます。
一方で、1米ドル=90円(円高)になると、資産は90万円(1万ドル×90円)に減ってしまいます。
海外の株式・債券などが投資対象の金融商品は、為替変動も基準価額の変動要因となるため、為替相場の動向を注視する必要があります。
投資信託の場合は「為替ヘッジあり」のファンドを選択することで、為替の影響を小さくすることも可能です。
ただし、為替ヘッジにはコストがかかり、為替ヘッジなしのファンドより運用コストが高い傾向にあります。*2
カントリーリスク
カントリーリスクとは、海外投資を行うときに、その国固有の政治・経済情勢、自然災害などの影響を受けてマーケットが大きく変動する可能性のことです。一般的には、新興国のほうが先進国よりもカントリーリスクが高くなる傾向にあります。*3
海外投資を行う場合は、投資対象に含まれている国や地域に関するニュースを定期的にチェックしておくといいでしょう。
(目次へ戻る)
海外投資を行う際に心掛けたいこと
海外投資を行うときは、以下の点を心掛けることが大切です。
リスクを取りすぎない
海外投資は元本が保証されていない上に、為替リスクやカントリーリスクも存在します。資産を増やしたいからといってリスクを取りすぎると、状況によっては大きな損失が生じる可能性があります。
大切な資産を守るためにも、無理のない範囲で投資を行いましょう。
長期・積立・分散投資を心掛ける
資産形成を目的に海外投資に取り組むのであれば、長期・積立・分散投資も重要です。金融庁の資料によれば、資産・地域を分散した積立投資を長く続けることで、結果的に元本割れする可能性が低くなる傾向にあります。*1
短期間の値動きを過度に気にすることなく、積立・分散投資を長く続けることを心掛けましょう。
(目次へ戻る)
海外投資のメリットやリスクを知って資産形成に取り組もう
海外投資によって投資対象資産や地域を分散すれば、リスクの軽減が期待できます。
ただし、海外投資には為替リスクやカントリーリスクといった特有のリスクも存在します。
海外投資のメリットとリスクを理解して、資産形成にうまく活用しましょう。
・投資信託のリスクと費用については、こちらをご確認ください。
・当ページは当社が作成した情報提供資料であり、金融商品取引法に基づく開示資料ではありません。投資信託をご購入の場合は、最新の投資信託説明書(交付目論見書)および目論見書補完書面の内容を必ずご確認のうえ、ご自身でご判断ください。
三菱UFJ国際投信株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第404号/一般社団法人投資信託協会会員/一般社団法人日本投資顧問業協会会員